雪降る、聖夜の約束の果てに
本編の続き書きました
美雪ちゃんの夢は?
クリスマスにケーキを食べること
そっか、きっと叶うといいね
岩手県盛岡市内にある
盛岡城趾公園
江戸時代、南部藩の城下町として栄えた南部盛岡の不来方城を公園として今に至る
関東以北の石垣組の平城としては、最大の規模を誇っている
公園の中には、石川啄木がよんだ
不来方( こずかた )のお城の草に寝ころびて
空に吸はれし
十五の心
の歌碑があり
市民の憩いの場としても
人気のある公園
春も盛りを超え
桜が散って
久しく経つ、初夏の汗ばみが始まりつつある中で
募金活動を行っていた
募金してくれる市民の中で
ひときわ小さい女の子が
募金をしてくれた
お嬢ちゃん
募金ありがとう
小学1、2年生かな?
はっ?小学5年だけど
大変失礼しましたm(_ _)m
大変お若く見えたもので(笑)
いや、それ絶対
褒め言葉じゃないでしょ
あっ、バレました(。>﹏<。)
それが美雪との
ファーストコンタクトだった
彼女も私のユーチューブのフォロワーみたいで
市内で募金活動をしている時に
追っかけみたいに
ちょくちょく募金してくれた
当初から、平日の日中にも関わらず
チョイチョイ顔を出す彼女に
学校は?
と聞くと
女子にはいろいろあるのよと
はぐらからすばかりだった
盛岡市内の募金も終わり
隣の岩手町での募金活動中も
彼女は顔を出してくれた
何度も、会ううちに
自己紹介を重ね
顔見知りとなった
ユーチューブ活動のいろんな話や
将来の夢なんかも語るようになった
私の将来の夢はもちろん
この10円募金で
全国制覇することだった
彼女の夢は意外にも
クリスマスにケーキが食べたい
という
素朴なものであった
ケーキぐらいならと思い
クリスマスに盛岡市内の出会った公園で
もう一度募金活動するから
その時、募金に来てくれたら
クリスマスケーキをご馳走すると
約束した
その時の彼女の笑顔は
一生忘れないだろう
募金で顔を合わすたびに
体調が優れてないな
と思う日もたびたびあった
恐らく、体調が原因で
学校を休校しているのではないかと
薄々、感じた
それでも、体調が良さそうな日は
そこらの元気な子より
よっぽど元気なので
早く、学校に復帰できたらいいなと
思った
真夏の真っ盛りになり
次の葛巻町に移動する頃には
彼女の姿はパッタリ見えなくなった
出会った、盛岡市より遥かに遠い場所なので
さすがに来なくて当たり前だな
と思った
そんな時でも
ユーチューブを更新するたびに
美雪だとわかるコメントを見つけたため
元気にやってるのかなと思った
秋になり、少し肌寒さを感じるようになった
募金活動をしている時に
一人の女性が現れた
美雪の母親と名乗った
美雪の容態が悪化し
入院しているとのこと
一度でいいから、岩手県で募金している間に
顔を見せて欲しいとの願いだった
岩手県以外でも
東北地方の募金とユーチューブ活動の調整や
最近手がけた、第一次産業の株式会社化プロジェクト(本編参照)
そして、東北の次に控える
一度目は中国地方大震災の前に
なすすべなく大失敗に終わった
九州地方募金が控えていた(本編参照、とりあえず本編読んでみてクレメンス)
美雪とはクリスマスケーキの予定も入れていたため
大分厳しいスケジュールとなっていたが
なんとか時間を作るから
待ってて欲しいと母親に約束した
募金活動やユーチューブ活動が順調な中で、動画での美雪のコメントもなくなっていたのが気がかりだった
母親から連絡を頂いていて
3週間が経過した
その日は、午後から
九州地方募金についてのリモート会議の予定だったが先方に急な予定が入りキャンセルになったため
彼女の入院先の病院に
ようやく、お見舞いで顔を合わせることができた
彼女は抗がん剤治療のため
頭髪は抜け落ちていた
以前、会った時よりも
大分、痩せており
正直、もっとはやくお見舞いに来ればよかったと
後悔した
彼女は来るの遅いよ
と精一杯の力で私の胸を叩いたが
そこに、力が全然伴っていなかった
面会は本人の体調を鑑みて
15分程度で終了となった
面会後
彼女の母親と話をした
余命、半年と宣告されていると告げられた
他人の余命を聞くのは初めてだった
あんな、明るくて良い子が
こんな目にあうなんて
世の中には神も仏もいないのか
お母さん、私に何か出来ることがあれば
言って下さい
今日、会いに来てくれたことが
最高のプレゼントでした
ホントにありがとうございます
涙ながらの心からの感謝を頂いたが
彼女の今を思うと
素直に受け取ることが出来なかった
仕事というのは
ホントに辛い
出来るだけ美雪に会いに行きたい
と思っても
現実的にスケジュール調整は不可能だった
11月も末に近づき
クリスマスソングを聴かない日は
ないくらいになった季節
やっと、美雪の見舞いに行くことができた
しかし、彼女に会うことは叶わなかった
容態が悪化し
ICU(緊急治療室)に運ばれていたからだ
彼女のお母さん曰く
今日が峠らしい
彼女がICUから出るまで
付き添いたがったが
次の仕事のフライトの関係で
その場を後にした
後日、彼女の母親から
なんとか峠を超え
ICUから出られたが
次、同じような発作が起きたら
命の保証はないと言われた
彼女に今、自分ができることは
岩手県募金を成功させてやることだけだった
他の募金活動は後回しにして
岩手県の募金活動に命をかけた
12月も半ば
岩手県の目標募金額が
9割を超えた
最後のラストスパートだった
彼女と母親からはあれ以来連絡がなかった
最悪が頭をよぎるが
今は、自分のやるべきことのみに集中をそいだ
12月23日
念願の岩手県募金が無事成功を収めた
急いで、美雪のいる病院に向かおとした矢先
彼女の母親から一通のメールが届いた
それは訃報の知らせだった
美雪は必死の闘病にも関わらず
享年11歳という
早すぎる若さで
この世を去った
その日は、クリスマス前にふさわしい
残酷なまでに
美しい雪が彩り
キレイなイルミネーションの光が
彼女の死を悼み
溢れんばかりの涙の代わりとなるような
景色であった
クリスマスにケーキを食べたい
という彼女の夢は
永遠に叶わない
願いへと姿を変えた
彼女の通夜や葬式は
岩手県募金成功祝賀会や
新年の青森県募金の引き継ぎ
九州地方募金のスケジュール調整
その他もろもろの仕事のため
参列することが出来なかった
翌年になり
お正月も三が日が過ぎ
日常に戻りつつある4日目の朝
彼女の両親と待ち合わせし
お墓で手を合わさせてもらった
美雪が入院してから
コメントや連絡を送らなくなったのは
死ぬことでユーチューバーのお兄さんと会えなくなるのが実感して怖くて出来なかったとのこと
でも、必ず病気を治して
クリスマスケーキをご馳走してもらう
そして、いつかお兄さんのユーチューブにもゲスト出演するという希望を抱いて
闘病を頑張っていたと明かされた
私は涙を抑えることが出来なかった
次、同じような目に大切な人があうのなら
どんな手を使っても
助けたいと心から願った
町中から離れた、静かなお寺の一角に
その墓はあった
春になると桜が満開になるとのことだ
お墓では
二つの思いを
伝えた
クリスマスケーキの約束
守れなくて
ごめん
もう一つは
必ず、この募金活動を日本全国で成功させてみせる
約束するってばよ
新たな決意を胸に
彼女と両親に別れを告げ
新天地、青森県へ飛び立つのであった
Epilogue
あれから、数年が経ち
私も美雪の後を追う形となった
(気になる方は本編読んで)
あれ、確かに私って
死んだはず
メッチャ、綺麗なとこだけど
ここどこ?
久しぶり、お兄ちゃん
あれっ、美雪ちゃん
てことはやっぱここ天国・・・?
美雪もよくわかんないけど
あの世っぽいよ
まじか、やっぱ自分、死んじゃったか〜
それより、お兄ちゃんに報告
元カノさん
手術成功したみたいだよ
えっ、マジ
てか、あの世ってそんなことも分かんの?
いや、手術成功して良かったぁ
失敗したらホントにタダの犬死だけどな
でも、彼女さん助かった後
お兄ちゃんの文句を2時間ぐらい
ずっと言ってたよ
あたしの為に、募金に手つけるなんて
サイテーとか信じらんないとかetc
やっぱ、複雑だよな
助けられた本人は
でも、やっぱ文句言ってたかぁ
絶対言うと思った
だから、命かけて
こっち(あの世)来たけど、正解じゃん
でも、2時間文句言い終わった後に最後に一言
ありがとう
って言ってたよ
あれ、お兄ちゃん、
もしかして泣いてる?
泣いてねーよ、バーカ
ガキが大人をからかうな
ねー、まだあの約束って生きてる?
約束?
日本全国募金は果たしたろ
そっちじゃなくて、
クリスマスケーキだよ
えっ、あの世にもクリスマスケーキあるの?
私はホントに驚いた
あの世って、何でもありだな
美雪、ずっと待ってたんだから
ちゃんと約束守ってよね
私の手を強く、引っ張り
三途の川に向かうのであった
それは、ホントにあの世の話なのか
私が死ぬ間際に見た
幻なのか
真相は、貴方次第です




