第7話 正義、衝撃、二匹の使いが牙を向く!
※カクヨム版から一部修正してます
シルクとガベルが襲いかかる。
「クナイ野郎、力貸せ」
「嫌です」
「なんだと」
「こんな奴に使われるなら、死んだほうがましだ! 真白さん、力を貸してください」
「え、ちょっと! 仕方ない……受信変装!」
私はジュエルミンに変身した。
「あらあら〜貴方が噂のジュエルミンだったのね〜てっきりキラー君が変身してると思ってたわ〜」
「クナイで戦うとは……。銃刀法違反だな」
ガベルの両腕にハンマーのような物が付き、強力なパンチを放つ。
重い攻撃で体勢を崩されそうになる。
“受信忍法! 稲妻超加速!”
なんとか攻撃を瞬間移動で躱すが、二人目の仕掛ける技が待ち構えていた。
「ローズウィザードロッド……」
「しまった……!」
薔薇の花びらは相手に触れると起爆するようになっており、それが大量に放たれたので、大打撃を負う。
「ウィッチウィップ!」
薔薇の枝のような見た目の鞭が追撃する。
受け流そうとするも何発か当たってしまう。
ふと辺りを見ると、近くに見覚えのある人が見えた。
(忍先生!?)
「何がどうなってるんだ……」
忍先生に気を取られてしまい、重めの一撃が命中した。
「終わりよ」
鞭が身体に巻き付き、その瞬間電撃が走り、ああっ!と声を上げてしまい、変身も解かれてしまう。絶体絶命のピンチだった。
「真白さん!?」
私がこんな事をしてることが先生にバレてしまった。
「あら、案外あっさりとやられちゃうのね」
シルクの嘲笑に影月は「うるさい!」そう言って浮遊して私を守ろうとしたが、
「邪魔だ!」ガベルが彼を吹き飛ばして倒れ込んでしまう。
――樹心良司の葛藤――
俺は思い悩んでいた。今の俺は何者なんだ……。何の力も無いのに、過去に縛られ、ただ己のためだけにかつての敵とまた戦おうとする。
でも、本心ではどうだ? あの時だってそうだ。他人を助けた時に持ったあの感情。救うことに喜びを得ていたあの少しの高揚感。
結局俺は、何がしたいんだ……。
俺には何ができるんだ……。
俺の生きる意味も資格も、本当はないのかもしれない……。
俺はこれからどうすればいいんだ。
“新しく目標とか、目的を作ってみればいいんだよ”
“一つの目標を立てる。それが達成されれば、次の目標が生まれる。いつもそんなものだよ”
あいつの……忍の言葉がかすかに思い返される。
だから俺は決めた。今の俺は……!
ガベルがとどめを刺そうとする。
「とどめだ……。秘技! 裁きの鉄槌!」
その時だった。
鉄パイプを持った良司くんが決死の覚悟で動きを止めた。
「良司くん。どうして……」
忍先生の問いかけに、
「分からない。だが、お前の言葉が奮い立たせた……らしい」
と答えていた。彼の目は微かに輝いて見えた。
「俺は決めたぞ。新たな目的を探す。そのために、俺ができることをする……」
彼は生身で二人に戦いを挑む。
しかし、武装した二人に挑むなど、アリが象と戦うようなものだった。
ガベルが良司くんの右腕を踏みつける。
影月がシルクに拾われてしまう。
「なんだよ。こんなもんか? 昔はもっと力あったじゃねぇかよ!」
今度は腹を蹴る。
その間には私にもピンチが訪れていた。
私の下に来た彼女が杖の先端にエネルギーを溜め私に放とうとした。
「バイバイ」
その時だった。
良司くん相手の後ろに回り込み、右足で背中に蹴りを入れた。
その衝撃で影月が手から落ちる。
すかさず良司が影月を銃にして撃つ。
バキューンという音が聞こえ、光弾が彼女の顔に当たった。
「クナイ野郎。行くぞ」
「いや……」
「なに?」
「いや、今影月って呼ぶとこじゃないんですか!?」
「は?」
「ほら、主人公が覚悟を決める時って大体そういうもんじゃないんです!?」
「誰が主人公だ」
「え、そうじゃないんですか?」
「何言ってんだこのクナイ野郎は」
「あ! またクナイ野郎って言った!」
このやり取りにさすがのシルクも怒りをあらわにして
「こらー! 私を置き去りにしないで!」
地団駄を踏んで猛抗議するかのような声を上げる。
「ふっ……俺を本気にさせるなよ。受信変装!」
彼は大きな目と額のマーク(✦←こういうの)が特徴のジュエルミンに変身した。
所々キラキラと輝くクリスタルを纏いつつも、その姿はさながら忍者だった。
「行きますよー!」
その時だった。何処からともなく謎の赤と緑の球体のような物が飛んできた。
よく見ると一つは赤い三角形、もう一つは緑の星型の図形だった。
その後、二つの図形は変形した。
“タカー!”
“カメー!”
赤いのは鷹で緑のは亀のように見えた。
「なんだ……お前の仲間か?」
「知りません……鷹と、亀?」
シルクが二体の護衛を呼び出す。
一体は鶴、もう一体は鷲みたいだった。
「行きなさい」
シルクが命じると、こちら側に接近してくる。
「キリがない……忍! スマホ出せ!」
先生は、ええ!?と動揺しながらも取り出す。画面を見せろと彼が言い、言われたままにすると、
「モースモノゾーン展開!」
あの時と同じように画面の中に吸い込まれた。
「何が、どうなって……」
忍先生は呆気に取られていた。
――モースモノゾーンにて――
色とりどりの花が咲き、美しい景観を形作っていた。
その景色はやがて少しずつ変わっていく。人為的に……
鷹は雷を放ち、亀は水や氷を撃つ。どちらも空を飛びながら、攻撃は弾幕の如く四人に振り注ぐ。
鶴のカゲムシャーの羽根に引火し、悶絶している。
護衛同士の空中戦が繰り広げられている中、地上の花園でも三人が戦っている。
“受信忍法! 残像影分身!”
「数はそちらが上手か」
ガベルの相手は三人の分身に任せ、シルクは本体が担当。
「あらあら? 一人で十分なの?」
「一人じゃない……一人と一本だ。」
「二人でいいじゃないですか!」
「つべこべ言うな!」
良司が言いながらも相手に斬りかかる。
綺麗な田園風景はほぼ焼け野原と化してしまい、所々攻撃によって生じた宝石のように輝く建物の残骸が散らばっていた。
良司が影月を思いっきり振りかざす。
ダメージが何発か入る。相手は体勢を崩しそうになるも、少し離れる事で、魔法を放つ準備をしていた。
“受信忍法! 亜空間隠身!”
「消えた!?」
シルクは辺りを見渡すが、その姿はどこにも無い。
「終わりだ」
術を解き、背中を蹴りつける。
倒れ込んだ後たちあがりあ、
「来なさい!」
鶴と鷲が来たが、鷹と亀に追われる形となった。
鶴鷲コンビはもう傷心しきっていた。
護衛が倒れ込んでいる所に
シャイニンディスクをセット。今回はポイズンのディスク
“サンドブラスト! 毒刃間閃!”
強力な弾丸が撃ち込まれ、相手は爆散した。
それを見たシルクは恐怖して座り込んだ。
ガベルは分身達と交戦中だったが、すかさず彼女の下に駆けていく。
ガベルがシルクの背中を擦る。
「大丈夫ですか!?」
「うっ、怖い……助けて……」
「心配しないでください。そばにいますから」
その後良司を睨見つける。
「今日はここで閉廷だ」
そう言ってガベルは彼女を抱えながらどこかに消えていった。
「俺たちも帰るぞ」
――現実世界にて――
俺達がこの世界に帰って来たのは、大体三十秒程経ってからのようだった。
「え……何がどうなってるんだ?」
「ああ、あちらの世界とこことでは時間の流れが異な――」
「良司くん!」
真白が声を上げる。
「大丈夫?」
「平気だ、こんな怪我」
「先生も大丈夫ですか?」
「うん、ありがとう。心配してくれて」
忍は俺の顔を見つめて、そっと肩を叩いた。
「僕の息子もこんな風に育ってたのかな〜」
彼の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
「……」
「ああ、ごめんね。こんな事言っちゃって」
「――大切な人を失うのは……辛いものだな」
「?」
「あー気にしないでください先生」
忍が少し間を空けて口を開く。
「良司くん、応援してるよ。何かあったらあの公園でまた会おう。相談乗るよ」
彼が背を向けて歩く姿をじっと見つめていた。
「これからどうするの? 良司くん」
少し悩んで、一つの解を見つけた。
「まずはあいつらを一発でもいいから殴る。そして……風花にまた会いたい。そのために、見つけ出す。あの女のためにもなるだろ」
「そっか。じゃあ手伝うよ。一緒に頑張ろ!」
「は? 誰がお前に頼るか」
「僕もいますよ」
影月が真白の肩からひょっこり現れた。
「だからお前らに頼る必要は――」
「でも僕がいないと力でないじゃないですか」
「んぐ……それは」
「良司さん。僕は貴方を見直しました! これからは師匠と呼ばせてください!」
「弟子を取るつもりは無い!」
「ええ!? じゃ、じゃあ……兄者さんと読んでいいですか」
「なんでそうなる……」
険しい表情で見つめる。
「いや、距離が近い方がいいかなって」
「そういう問題じゃ――」
真白が横から会話に割り込んでくる。
「ストーーップ! みんな帰るよ」
“タカー!”
“カメー!”
「いや、こいつらもいるのかよ」
こうして俺達の三人四脚生活が始まることになった。
いや〜今回も凄かったね〜。ところであの2匹、いったい何者なんだろうね?
気になるよね〜。
さて次回もお楽しみに!
ここまで読んでくださりありがとうございます。
ストックが切れたので、しばらく投稿はおやすみします。
X・インスタで告知しますので、是非。




