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第4話 輝き、煌めき、金色のジュエルミン

カクヨム版から一部修正してます。

 

 俺は人影を見た。一人は人間、もう一人は新種のカゲムシャーだろう。


「おい、お前だ。ノックアウトアルセーヌ」

「ふっ……懐かしい名ですね。でも、今の僕は違う。」

「何?」

「今の僕は、キラーアルセーヌさ」

「キラー……」

 その名は過去の俺を連想させた。そのことが俺に一瞬の迷いを与えた。

「やっぱり僕って罪な男だなあ。しかしねぇ、その名を知った者は、もれなく消えてもらおうってことになっててね。だから、君もここで!」

 不意に攻撃された。咄嗟の判断で何とか命拾いした。

 相手は連続で攻撃しようとするが、それをひらりひらりと躱していく。


(こいつ、人間離れしてやがる……!)

 アルセーヌは驚愕した。

「悪いがお前は俺に遠く及ばない……らしい」

「ふっ……それはどうかなぁ?」


 ――同日午後2時頃。とある路地裏にて――


「ねぇ、これどうすれば……」

「僕についてきてください!」

「って、うわぁぁ!?」

 いきなりの動きに反応が遅れ、ふらついてしまう。

 そのまま相手に向かって切りかかり、ダメージを入れる。


「ボタンを押してください! それで忍術を使うことができるはずです!」

「こ、こう?」

 私は右から五つのボタンの中で、右から二番目にあるやつを押してみた。

「受信忍法! 残像影分身!」


「「「「増えたぁ!」」」」

 四人になったことで声も四人分になった。

「あとは念力でっ……」

 影月が謎の力で相手を拘束した。


「とどめです! 真白さん!」

「うん!」

「サンドブラスト!」

 四方からの攻撃に、相手は耐え切れずにひれ伏してしまった。


「静!」

 彼女が姿を現し、側はモヤモヤとなって近くのモニターに吸い込まれた。

「大丈夫!?」

 顔や腕にも目立った傷は無かった。

「う、うん」

「よかった〜」

「それより、何それ」

 今の私の姿は傍から見るとコスプレでもしてるような見た目なので、そう思われるのも仕方がない。

「いや、私もよく分かってないけど……」

 その時だった。

「ぐはぁっ」

「え……」

 見覚えのある顔だった。

「貴方、あの時の……」

「は? 金色のやつもいたのか?」


「あの人は何」

「僕も知りません……」

「あいつは、敵だ。元は正義のヒーローだがな」

「正義ですか……そんなのは聞き飽きました」

「予告しておきます。近々あの娘をいただきにいきます。具体的な日時は……秘密です。では!」

 そう言うと彼は彼方へと飛び立った。


「おい、お前は一体……」

「あの時の女……だと」

 

「そういえば自己紹介してませんでしたね」

「私は黒崎真白です。こっちは……」

「あ、拙者は影月と申す者です」

「堅くない?」

「俺は……」

 一瞬、彼の脳内に彼女の姿が思い起こされる。

“う〜ん、魂魄(こんぱく)とかどう? なんかカッコいいし!”


「名乗る程の者では無い……」

「じゃあ、大丈夫」

「え? いいんですか?」

「いいよ。言いたくないなら言わなくてもいいと思うから」


「ねぇ、あれはなんなの? 何がなんだか分からなくて」


「それが、私にも何がなんだか……」


「あれはカゲムシャー。人間に取り憑き、乗っ取る存在。乗っ取られた奴は裏の顔を晒されてしまうこともある」

 と、彼は延々と話す。


「そして、さっきのあいつ。あれはシャイニングヒーローの一人。だがあいつによれば、元シャイニングヒーロー……らしい」

「この世界にもヒーローがいたんですか!?」 

 影月は興味津々になり、浮いてる体を前のめりにして聞く。

「うわぁぁ! く、クナイが浮いてる!?」

 静が驚くと直様尻餅をついた。

「近い……」

「あっ、すいません」


「カゲムシャーに対抗できる唯一の存在。だが今ではあのざまだ。カゲムシャーの仲間も同然」



「でも、影月と変身したあの姿なら、カゲムシャーを倒せるよね?」

「じゃあ、私のボディーガードをしてもらってもいいですか?」


「なんでそうなるのよ」



「ちょうど寝床に困っていたからな」

 いや、だめでしょ。知らない男との生活なんてと思った私は咄嗟に「だったら私の家に来なよ」と提案した。

「あっ、その手があったか!」

 と静はハッと驚いていた。



 ――同日午後6時頃。とあるマンションの一室にて――


 その後、静は一通りの荷物をキャリーケースに入れ、私の部屋に来た。

 彼が部屋に入ってすぐのことだった。

 彼はテレビに、新聞紙を巻きつけた。


「ちょっと何するの!?」


「あいつらの侵入を防ぐにはこれが手っ取り早く済む。こう言うモニターや液晶から出てくるからな」


 チリチリチリンと静のスマホの着信音が鳴る。

 彼はふと画面を見る。そこには彼の見知った人が映っていた。

「なんで……」

「なんであいつが……!」

 画像には静とその妹の風花ちゃんが映っていた。

 彼と風花ちゃんは面識があったようだ。

「もしかして、妹のことで何か知ってるんですか!」


「あいつは……俺に懐いてた。確か、風花と名乗っていた。それだけだ」


「それだけって……他には! 何かないんですか――」

 静が彼の肩を揺らして問い詰める。その声には無力感から来る憤りを感じた。

「止めようよ! 彼もそう言ってるんだし!」


 腕を振り下ろさせた後、彼は

「少し、頭を冷やしてくる」 

 と言って、外に出た。



 ――同日午後7時頃。とある公園にて――


 俺は結局あの公園に足を運んでいた。

 すると聞き馴染みのある声が聞こえた。

「やあ、また会ったね」

 あの男だった。夜でも散歩とは大層なことだと感心しながらも、何処か頭のおかしい奴だとも思った。


 ふと思ったことがあった。こいつなら、俺の悩みに対して何か答えをくれるかもしれない。こいつの理念は、俺にふさわしくないとは思っていたが、何故か共感できる部分もあった。そんな矛盾した気持ちを抱えながらも俺は聞いてみた。

「なあ、聞きたいことがある」

「なんだい?」

「俺は、生きる意味が無い。むしろ失ってると言ったほうが正しいか。そんな奴は、どうすればいいんだ……」

 すると彼は優しく諭すように語る。


「新しく目標とか、目的を作ってみればいいんだよ。」

「一つの目標を立てる。それが達成されれば、次の目標が生まれる。いつもそんなものだよ」

「そんなに思い悩まなくてもいいよ。ハンバーグを食べたいとか、あの本が欲しいとか、そんなものでもいいと思う。あっ、そうだ」

 すると男はバックから一冊の本を取り出した。

「よかったら、この本読んでみて。」

「きっと、君の人生をより良くしてくれるよ」

 その本は『人生を豊かにする127の秘訣』と書かれたものだった――。



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