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ギャルゲーのモブに転生したけどまだ発売されてないR-18バージョンだった  作者: 猫野 ジム


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第15話 言う

「ホント!? やった、ありがとうー!」


 まるで「わーい!」とでも言ってるかのように、両手を上げた朝陽奈さん。なんとも彼女らしいリアクションだなと思った。


「それじゃあ江並にも言っておかないと」


「あ、それは今日私から言っとくね」


「そう? だったらお願いしようかな」


 俺としては江並へのサプライズでしれっと同行するのも面白いと思ったが、逆に俺がそれをされたら嫌だし何よりも、朝陽奈さんが勝手に俺を誘った挙句に黙ってたと悪く思われることが一番嫌なので、やめておくことにした。


 それにしても江並のやつ、朝陽奈さんから不安に思われてるじゃないか。今はまだ小さなほころびかもしれないが、悪い印象をひっくり返すのはなかなか大変だぞ。


 俺はというと、時々だが朝陽奈さんと一緒に帰っていることもあってか、こうして頼ってくれるようになった。


 やっぱりコミュニケーションをとらないと仲良くはなれない。何の絡みも脈略も無く告白が成功するなんてのは、中学生までだろうか?

 高校生でもあり得るだろうが、よほどじゃないと成功率は下がる気がする。



 そして翌日の休み時間。前の席に座る江並に確認しようと声をかけることにした。

 江並としては朝陽奈さんと二人きりになりたいのだろうが、そこに俺が割って入る形になる以上、せめて俺からも直接言うべきだと思ったからだ。


「今度のテスト勉強、俺も参加させてもらうことになったよ」


「ああ。陽香(はるか)から聞いてる」


「実は俺、成績がいいわけじゃないからさ。だからこの勉強会を頼りにしてるんだ」


「そうだったのか。まぁ俺は一年の時の階堂を知らないからな」


「悪いな、せっかく朝陽奈さんと二人きりだったのに」


「何言ってんだ、気にすんな。前にも言ったが陽香はただの幼馴染だ。それに陽香から言い出したって聞いたぞ。だったらOKするしかねえよな」


 その言葉からすると嫌々そうしたように聞こえてしまうし、そう言った江並が眉をひそめたように見えた。


 周りから見れば、俺が二人の間に割って入る邪魔者に思えることだろう。確かに転生して最初のうちは江並を応援しようと考えていた。


 だが俺は江並が女の子を体でしか見ていないような発言をしたことを知っているし、実際に朝陽奈さんからは不安に思われている。子供じゃあるまいし、まさか照れ隠しってわけではないだろう。


 そして当日になった。場所は江並の家。朝陽奈さんだけならもう確実にヤバかっただろうなと思う。


「おう、来たな二人とも。とりあえず入ってくれ」


 案内されたのは江並の部屋。思ったより片付いており、ベッドの他には本棚やテレビがあり、部屋の真ん中辺りにローテーブルが置かれ、そこには教科書やノートが積まれている。


蓮二(れんじ)の部屋、久しぶりー」


「そうだったか? 子供の頃はよく来てたよな」


「うん。でも高校生になってからは全然だったのにねー」


「まあな。でも改めて陽香を見てると、やっぱりもっと遊びたいって思ったんだよ」


 江並はそれ以上は何も言わなかった。


「それじゃ二人はそれぞれそこに座ってくれ」


 そう言われ三人で四角いテーブルを囲む。江並はドアが正面に見える位置でベッドにもたれかかるように座り、江並から見て右隣に朝陽奈さん、左隣に俺という位置関係。


 狙ってなのかは分からないが、俺と朝陽奈さんは隣同士になっていない。その代わり正面から朝陽奈さんを見ることになる。


 勉強を始めて三十分ほど経った頃、朝陽奈さんが立ち上がった。


「ちょっとお花を買いに行ってくるねー」


 なんと突然お花を買いに行こうと思い立ったらしい。……なんで? 「お花を摘みに行く」の間違いであるということを教えなければ。


 まぁそれはいいとして、いきなり江並と二人きりになったわけだが、学校にいる時とは雰囲気が違いどこか気まずさを感じる。


 江並からすればいい気分じゃないことは想像できるが、さっきの感じを見る限り、二人の間には特に変わった様子はなさそうだ。


 しかし俺の関係ないところで江並が朝陽奈さんを怖がらせていたのは確かなんだ。


「なぁ江並。朝陽奈さんってただの幼馴染なんだよな?」


「ああ、そうだな」


「朝陽奈さんって素直で可愛いよな」


「さあ、どうだろうな」


「俺、朝陽奈さんに彼女になってもらいたいんだ」

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