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ギャルゲーのモブに転生したけどまだ発売されてないR-18バージョンだった  作者: 猫野 ジム


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第13話 ダメになっていく過程を想像すると……?

 ここにきて朝陽奈さんと文月さん、両ヒロインの共通点が発覚した。それは二人とも『想像するとつい手が伸びちゃう』いうこと。


 ただ、同じようで実は違う。朝陽奈さんは好きな人への純粋な想いだが、文月さんは支配欲……?


「想像するとって、どんなことを?」


 聞いてしまった。人は時として好奇心には勝てない。というか文月さんに対しては知っておいたほうがいいと、俺の第六感が警鐘を鳴らしている。


「そうですね、例えば私が男の人が喜ぶことをしたとしましょう。もしそれがその人の好みにバッチリはまった場合、きっとおかわりがほしくなるはずです。リピーターということですね」


 男が喜ぶことってプレゼントをあげるとか、そういう微笑ましいことを指してる可能性はまだある……よな?


「だから私はそれに応えて同じことをしてあげるわけです。そしてどんどん沼にはまっていきますよね? そうやって私がいないとダメになっていく過程を想像すると……? 階堂さんは自分に置き換えて考えてみてください。ほら、手が伸びちゃいそうになりませんか?」


「ならないね」


「階堂さん、不健全ですよ?」


「どこがだよ」


「まぁそれはまた別の機会にねっとり問い詰めるとして、気になるものを選んでください。直感で大丈夫なので。早くしないと昼休みが終わってしまいます」


「読んでもないのに分かるわけないじゃないか」


「タイトルと表紙で決めるんですよ。まさに直感です」


「試し読みとかは?」


「今ここでしてみます? 一緒に」


「……いや、それはいい」


 なんだか俺の(へき)を披露するみたいで実に気が進まないが、このままでは話も進まない。なので仕方なく適当に指さすことにした。


「だったらこれが——」


 そう言いかけてとっさにストップをかけた。俺が選ぼうとした本の表紙には、銀髪ショートボブの女の子が制服姿で描かれている。それはまるで文月さんのようだった。


(こんなの選んだら絶対イジられる!)


 そう考えた結果、金髪ギャルが不自然に制服を着崩して、下着や肌を露出しているイラストの表紙のものを選んだ。


「ほうほう、これですね? 金髪ギャル達が毎日順番に俺の家に来てエッ——」


 文月さんがそこまでいったところで、俺はとっさに文月さんの口を手で覆うようにして塞いだ。


「タイトルを読み上げようとするんじゃない!」


 まさか本当にこんなことする場面があるなんて。


「ここは学校で少ないとはいえ周りに人もいるんだから、ちょっとは自重しようか」


「んっ……!」


 そう言うと文月さんはコクコクと(うなず)いたので、俺は手を離した。


「階堂さん、いいですねぇ……! 不覚にもゾクゾクしてしまいましたよ……! やはり階堂さんに頼んで正解でした。フフッ、とりあえずこれですね。お姉ちゃんに頼んで買ってもらいますね」


「俺の名前は伏せてくれよ」


「えぇー、なんでですかぁー? お姉ちゃん、きっと階堂さんみたいな人を気に入ると思いますよ」


「俺みたいってどんなのだろうか」


「んー、従順?」


「いやいや、俺は文月さんの頼みを聞いてるだけだから」


「そうなんですよねぇ。なんだかんだ言いながらも付き合ってくれてるんですよね、階堂さん」


「それはまぁ一応俺を頼って来てくれてるわけだし、できる限りのことはしたいから」


 俺がそう言うと文月さんが少し微笑んだような気がした。


「そういえば階堂さんって彼女いるんですか?」


「いない。けど気になる人ならいる」


「そうなんですかー」


「文月さんは?」


 この話の流れなら聞いても大丈夫だろう。


「彼氏ですか? いませんよ。でも最近になってアプローチをかけてきてる人がいるんですよねぇ」


 意外だった。おそらく江並のことだと思うが、こうもあっさりと答えてくれるとは。

 でも文月さんなら江並の真意が分かってそうな気がするんだよな。

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