と
「それで、みんなはどうしたいの?」
「はい。自記のために国語の補習授業をしてやりたいんです! だから先生どうか一日だけでも教室と校庭を俺たちに貸して下さい!」
僕がいつ、お前らなんかに保護者の真似事を頼んだんだよ?
今は名越が発言している。HRではマシンガントークは禁止事項だ。
指摘を受けないように上手くバズーカートークに収めているな。
たった一日、見せかけの友情ごっこがしたいと。
それで僕に貸しを作りたいのか。
みんなの理解や好評を集めて自分たちがやりたいだけのカプセルイベントの後押しに僕の成績低迷を利用しようという魂胆か。
それは何か遠回りな気がする。
前もって打ち明けて置けば僕だけが反対しても、多数決できまりそうなものだ。
たとえその票が談合のように仕組まれたことであっても。
河東が挙手をした。
「俺からも、お願いします! よい結果を残せなくても、よい思い出は残せると思います。自記も必死に勉強に取り組んだはずです。でも一人で苦い思いを引きずって卒業させたくないんです! 俺たちクラスメイトですから」
「え……河東まで……それマジで言ってんの?」言ってることは格好良くて良い印象は持てるけど。この流れでそれを言われても、不信感が増すだけだ。
いい想い出って……お前らの最後の夏休み削ってまでもらっても、後々暑苦しいだけだよ。絶対よからぬことを企んでいるに違いないんだ。
僕は断じて、信じない、信じない、信じないぞ。
名越がまた挙手をした。




