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崩壊した異世界――レクシリア  作者: バル33
エピローグ:戦地からの帰還後

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その1


 意識が現実へと戻った時にはトルカ、カルラ、リーネ……それとなぜかシルアに包容されていた。

 訳が分からず号泣する彼女らには手を焼いた。

 眠っている際に起きた出来事はシルアに事情聴取をし全てを知る。

 発端の華咲(ハルメ)一族がシルアを利用し創造能力を奪還しようと企んでいたこと。

 計画に気づいた間霧絢音は仲間から騙し華咲(ハルメ)一族に悟られないよう僕らを行動させた。

 夢への素材集めでさえ騙されていて華咲(ハルメ)一族の頭領を討伐するために動かされていた。

 はあーぁ、美味しいところを全部持っていかれた気分である。


「……侵食がリセットされてる。 彼が治してくれたんだ」

「絢音さんには感謝してもしきれないな」


 魂の流動を目視しカルラは語る。

 これもまた眠っている間に魂の侵食を解除してれていた。

 第二の生に興味がないと言ってたけど嘘ではなかった。

 半信半疑で申し訳ない。


「シルアの処分はどういたしますの?」

「私が下すわ。 村の人々の無念をここで……!」

「ストップだトルカ。 判決は絢音さんから僕に委ねられている。 興奮を収めてくれ」

「…………」


 刻鉄の蒼(レジストブレイン)を発動させ今にも飛びかかりそうなトルカに停止を命じる。

 正座をするシルアはどんな判決だろうと受け入れる姿勢で無言だ。

 抵抗する気力もないシルアの前に立ち判決を下すことに。


「罪を言い渡す前に問う。 判決に異議申し立てはしないな?」

「決定権はないもの。 あなたの裁きに従うわ」

「では、言い渡す。 ――僕と一緒にレクシリア復活に協力しろ」


 この場にいる彼女達は思考が止まり目を丸くする。

 死刑ではなく生きて復活に協力しろと言われては頭が真っ白になるのも無理もない。


「なにが目的なの……」

「お前にはそう楽にして死なせない。 死んで詫びれると思ったら大間違いだ。 殺した人の分まで生きて救い続けろ。 それが一つの罪状」


 罪人にしては相応しくない裁きに苦虫を噛むように強ばる。

 死ぬ覚悟をしていたのに彼が協力しろと言った理由がここで分かり落胆する。


「最後に一つ罪状を言い渡す。 フルネームを明かすことと……猫耳を出してくれ!」


 石碑に書かれた文章で水華(スイカ)の種族は野獣化(やじゅうか)すると猫耳が出現すると記載されていたので是非とも拝見したいのだ。

 ただの欲求心で罪状とゆうセコイ手で観察したいだけなんです。


「シルア・コルスエッティ。 これで満足かしら……?」

「ああ、猫耳可愛いなぁ」


 恥じらいながら猫耳少女は萌えると心内で感想を述べてるとシルア以外の三人の視線が汚物を見る目で痛い。

 堪らず可愛いと発言してしまったからか?


「ねえねえ、シルアを口説いているわよカルラ?」

「同意。 傷を負った少女に興奮するなんてね。 彼なら口説かないよね、リーネ?」

「そうですわね。 変態でゴミでクズの極み。 彼なら確かに口説かないですわ」

「口説いてねーよ!」


 なぜ執拗に批難されなくちゃいけないのだ。

 可愛いと言って何が悪いと、堂々と口から出したいのだが虫けらを見る瞳では諦める。

 余計に批難されて彼女らの好感度を下げるだけだ。


「さっきから絢音さんのことを彼って呼ぶんだ?」

「男だからですわ」

「サクマこそなに言ってるのかな?」

「……知らないのか」


 やはり男と勘違いしている。

 なら一層カミングアウトして驚かせてやろう。

 皆の顔が楽しみだ。


「カルラ、リーネ、シルアに告ぐ。 間霧絢音は――女だぞ」

「「「………えええええええええっ!!!」」」


 硬直したのちお城全体に爆音が響き渡った。

 大絶叫した三人に襟を掴まれ『嘘でしょ!?』と何度も訊かれ責められた。

 あれほど憎かった漆黒の剣士は仲間になり憎しみなんてない。

 元凶を滅ぼし阻む者なんていない。

 首をガクンガクン揺らされながらも平穏を手に入れた僕は幸せだ。

 ほんと……幸せだ。


 笑いながら彼は心から喜びを感じた。

 平穏を掴み取り幸福を手にして。



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