表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
崩壊した異世界――レクシリア  作者: バル33
第三章:霊谷の森の姫

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/61

その7


 半なかば強制にリーネの後ろをトボトボと付いていくと受付口らしき物体が目に入る。

 金色の鉄格子に横幅腕四つに縦二つぐらいの誰であろうと侵入を阻む仕様になっている。

 会話をするだけの銀行窓口みたいだ。

 テンプレート通り受付の隣にはクエストの貼り紙がズラリと並んでいる。

 貼り紙を受付に持っていき受注の完了となるだろうが一つ問題がある。

 もしも、異世界ギルドのお約束なら登録に金を取られたりもしくは試験に受けて適正のランク付けされる戦闘が発生するのではないか?

 前者も後者も困ったものである。

 金は手持ちにゼロで能力を大勢の場でばらす訳にはいかない。

 ……どうしたものやら。


「つかぬこと聞くがギルドってのはクエスト受けるのにコルトを徴収されたり、戦闘で実力測ったりするのか?」

「いいえ、そんなことありませんわ。 初めてのギルドですから知らないでしょう。 簡潔に説明しますわ」


 良かったー……ひとまずは安心だ。

 金を取られず戦闘もしないは俺にとって助かることだ。


「第一に登録は要らず、受けたいクエストは窓口に持っていくだけ。 第二にクエストに失敗したら違約金は発生します。 第三に死んだ場合は遺体回収などはしませんわ。 こんなとこですわ」

「随分と軽い制約だな。 登録もなしにどうやって違約金の回収なんかするんだ? 逃げられたら終わりだろ?」

「その点もご心配なく。 受注すると同時に誓約書を書かされ契約が交わされますわ。 対象のクエストをクリアもしくは違約金を払わないかぎり年中下痢状態になりますので」


 なんだろう……黒板消しをドアの上部に毎日設置して嫌がらせするみたいな小学生の悪ごと。

 非常に恐ろしいと言えばそうではなく、地味に効いてくる嫌がらせの契約だ。

 年中下痢は確かに耐え難い苦痛である。

 だが、これで心配事は消え去った。

 試しに俺でもクリア出来るクエストでも受けてみるか。


「どれか迷うな。 子猫の探しは嫌だし……バルネギカの討伐は出来ないし……うーん……これは」

 

 貼り紙を撫でくり見渡していると首が止まらずにはいられない三つのクエストあった。

 アルトリスの討伐難易度星十、クレイコアの討伐難易度星十 、デュアルの討伐難易度星十と。

 こりゃ運が回ってきたな。

 前任者の注文品をここで三つも手に入れるとなれば後はトルカから崩壊(レクシリア)を貰えば依頼達成だ。

 ただ、受注人数が一人だけとは何故なのか?

 他のクエスト比べると明らかに最高難易度のクエストにも関わらずにだ。


「気になりますの?」

「一人しか受けれないってとこだな。 高難易度なのに大人数で狩りに行かせず一人で戦わすってギルドは何を考えているのかと」

「サクマの言い分は最もですわ。 ですが、このモンスター達は決闘でしか立ち会ってくださらない特赦な生態。 そして戦闘では並大抵の実力者でも勝てないモンスターでもありますわ」


 面倒な生態だな。

 一対一でしか戦わないモンスターとは些か不可思議な存在である。

 報酬金も金コルト百枚と太っ腹ではあるが受注するかどうかは別だ。

 ギルドの猛者どもがこぞって避けるクエストを誰が受けるのやらと……呟いてても始まらない。


「デュアルの討伐クエスト。 君に決めた」

「しょ、正気ですの!?」

「至って思考も良好で逆に冴えてるほどだ。 大丈夫、死にはしないさ」


 根拠のない自信は俺でさえ分からない。

 なぜだが負けはしないとはだけ断言は出来る。

 十中八九、彼女の恩恵のおかげだろう。

 遅かれ早かれ避けては通れない道なのだ。

 チャンスが訪れているならやるっきゃない。


「もしもサクマの身に何かあれば(わたくし)は……」

「霊長類最強の魂が俺の中に眠ってる。 信じてくれよ」

「レイ……チョウルイとはなんですの?」

「細かく話せば長くなる。 簡略に人類ってことだよ」

「……またややこしい言葉ですわ」


 呆れた顔で手のひらを頬に当ててふぅーとため息一つ。

 リーネが引き止めようとするのも無理もない。

 俺がこの世から去ってしまえばカルラの奪還も出来なく、なにより漆黒の剣士を止めることさえ叶わない。

 まあ、個人的に一人で戦いたい理由もある。

 有り余る秘めた力を部外者がいないとこで強者にぶつけてみたい欲求心があり試してみたいのだ。


「ねえねえ、私クレイコアを退治しに行きたい!」

「良かろう。 ただし、眼は持ち帰ってこいよ」

「やったー。 運動不足の解消にさせてもらうわ」

「トルカまで一人行動しますか。 ……(わたくし)はどうしましょう」


 トルカも考えたものだ。

 運動不足の解消と言って周囲に違和感なく伝えているが本当は崩壊(レクシリア)を人目がない場所で使用したいのであろう。

 最初に出会った時の俺と同じ心境で知られたら皆が離れていくと自負している。

 いずれ自ら話してくれるだろう。


「分断行動ってことでリーネにはアルトルスに行ってもらいたい。 倒せるか?」

「甘くみないでくださいませ。 仮にも彼と同行した仲間の一人なのですわ。 戦闘には自信はありますわ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ