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崩壊した異世界――レクシリア  作者: バル33
第二章:監獄の天鬼

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その9


「あそこを見て。 あの場所に仲間が捕らえられている所なの」


 指を差した方角は閉じている小窓。 カルラは小窓を開いて指を動かすことなく一定の場所を示している。

 囚われた仲間の方角を見ても建物乱立し、正確な位置が不明だ。

 訪ねてみるか。


「どの建物に仲間が居るところなんだ? 分かりやすく特徴を言ってほしい」

「ほらあそこだよ。 一際と目立ってるでしょ」

「……どれも似たような建築しかないが目立つ建物なんてあるか?」

「円形の塔が偉そうに建ってるのが見えないの?」


 ……は? 円形の塔があるだと。

 瞳を180度見渡しても大きい建築物さえない。

 もしかして俺には不可視な物体で構成された建物ではないだろうか。

 トルカはと……目を凝らして首を傾けているな。 トルカも同じく見えていないようだ。


「おかしいなぁ。 前だと人間の彼だって目視できていたのに………特殊な魔法(ファイン)でもコーティングしてるのかも」

「可視出来ないものは仕方ない。 人間でも侵入は可能なんだろ?」

「それは問題ないよ。 魔人(ドゥーラ)が出たり入ったりしてるところを私の魂で確認しているから」


 ふむふむ。 見えないのだから認識事態を変化させる魔法(ファイン)だと心配したが無用だったようだ。

 もしも認識の変化なら物体さえ掴めなくなるだろう……たぶん。 あくまで推測の範囲だ。


「魂移動で幽体になって情報収集とは便利な能力だな」

「へぇ、よく分かったね。 君の異世界(すんでた)場所にも似たような能力者でもいたの?」

「能力者とゆうか非科学的な存在の話がよく話題になっているから、すぐに頭に浮かんだだけ」

「ひ、か? なんだいその言葉は?」

「またサクマが意味不明な単語使ってるわ」


 最近になって中二病になった少年を痛い目で見つめるのはやめてくれ、トルカよ。

 元々住んでいた世界が違うんだ。

 理解してくれと一人言を呟いていた。

 非科学的の意味を説明するのは骨が折れるだろうから、適当にはぐらかすことに決めた。


「日常によく魂移動を目撃していたってことだ」

「うん。 納得したよ」


 案外あっさりと物わかりが良くて助かる。 面倒な説明がなくて手間がはぶける。


「話の路線がずれたけど仲間の奪還作戦は日が沈んでからだよ」

「細かな作戦はいらないのか?」

「夜になれば魔人(ドゥーラ)どもは就寝に入るよ。 見回りは入口に二人だけと把握しているから数で押しきれば楽々に突破できるから」


 門番が二人とはいえ戦闘経験が皆無に等しい僕を数に入れるとはどうかと思うが……サポートとして数にカウントしてるってことなのか?

 なんにせよ序列四位の霊闢(フローレ)様が言うなら大丈夫だろう。


「まあ、そこまで気を張りつめなくていいよサクマ。 特に警戒すべき強敵もいないし、私が目視した感じだと、戦闘もろくにしたことがない輩ばっかりだからね」

「ん、なら俺でも互角に戦えそうだ」

「あはは。 戦闘経験があまりないってだけで互角の勝負にはならないよ」

「むぅ、決めつけるな。 やってみなくちゃ分からないだろ」

「サクマには悪いけど、巨人と小人ぐらいの差があるわよ。 せめて私と張り合えないとね」

「……おまえら」


 正直なところここまでハッキリ二人に言われると凹みます。

 決めつけられるのは嫌いだが二人の意見が一致で率直で答えたのだ。

 認めない訳にはいかない。 自惚(うぬぼ)れ過ぎたってことか。


「そう落ち込まない。 これから経験を積んでいけばいいんだよ」

「いや、ストレートに言われて覚めたわ。 ありがとうな二人とも。 精進していく」

「そうそう。 精進したまえサークマさん」


 ニコニコと二人が笑顔なとこがやたらと可愛い……いい絵面だ。 

 精神が癒されるな全く。

 仲間救出大作戦は夜でまだ時間には猶予がある。 長旅の疲れを取りたい気分だ。

 ――ここは一度寝たい。 眠たくて仕方がない。

 トルカとカルラには悪いが先に就寝させてもらおう。


「悪いが先に寝させてくれ。 眠くてどうしようもないんだ」

「時間もあるし構わないよ」

「サクマも寝るなら私も一緒に寝るわ」

「そ、そうか。 俺はソファーで寝させてもらうよ。 二人はベッドを使ってくれ」

「えぇー、ベッドで寝ようよサクマ。 大勢で寝る方が楽しいよ」

「………男には色々と事情があるの」


 無理に話を切り上げてソファーに向かい腰を落とす。 歳が近い女性と隣り合わせで寝れるわけがない。

 これでも健全な青年なんだから理性がぶっ飛んで襲いかかるかもしれない。 ……絶対に襲わないけど。

 彼女らに向かえば身体は、ずたぼろになる未来が待ってるだろう。 

 ふぅ、もう限界に近いようだ。 腰を落とせば瞼が段々と重くなってきた。

 長距離の移動の疲れがどっと溜まった感じで一秒でも早く就寝したい。

 脳が寝れ寝れと合図を出してくる。

 本能に従い身体を真っ直ぐに伸ばし眠りの体制に入った。

 意識は途切れて深い眠りへと誘った。 


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