36.
〈注意事項〉
※15歳以上推奨作品です。
※敬語表現に間違いがあるかもしれません。あまり気にしないでいただけると幸いです。
〈あらすじ〉
祖父のガブリエルと、母のアンと別れたアリスたち。部屋に帰ると、何やら大きな荷物が届いていた。
最後にアンとガブリエルに抱きしめてもらって、部屋に帰ると大きな荷物が届いていた。
「制服が届いたみたいだ。アリス、着ておいで」
大きな箱をアリスに渡し、パウラは笑顔を見せた。
「ないとは思うけど、サイズが合ってるか確認しないとね。サイズが合わないとかあったら、すぐに教えてくれ。ちょっとしたことなら、針子部屋に行けば直してもらえるから」
それに頷き、アリスは自分の部屋に戻って届いたばかりの制服に腕を通した。
レオたちが着ている制服とは、やはり形が少し違っているが、色などはほとんど同じだ。
黒いシャツに、白のネクタイ、ベスト、プリーツスカート、帽子。明日は謁見という公式の場なので、白いジャケットもここに追加される。ジャケット、ベスト、スカートには金色の刺繍が施されていて、それがこれまでアリスが着てきた制服との違いだろうか。意外なことに、靴下や靴、その他の装飾品に決まりはないらしい。
鏡の前で何度か回りながら自分の姿をチェックしたアリスは、リビングへ降りてみんなにも見てもらうことにした。
「うん、問題なさそう」
アリスの襟元を直しながら、レオは満足そうにうなずいた。
「サイズもピッタリだし、裾の長さも問題ないし。意外と似合うし」
「一言余計!」
アリスは頬を膨らませたが、レオはやはり満足そうに妹の姿を写真に収めた。色んな角度から、何枚も。
「お兄ちゃん、もういいよぉ……」
「ダメダメ。父さんたちにも見せてやらないと。兄ちゃんとじいちゃんは明日のお楽しみでいいけどさ」
「……それなら、まあ」
確かに、この姿を両親に見せたい気持ちはある。
撮影会が終わったのは、夕食の少し前だった。
皓然が作ってくれた野菜のトマト煮込みを、着替えたアリスは無心に食べ勧めた。空腹だったのもあるが、嫌いなトマトをこんなに美味しいと思ったのは初めてだった。
このチームでは、皓然が料理担当だ。それは前から分かっていたが、彼は料理だけでなく、掃除、洗い物など、「家事」と呼ばれるもの全般を担当していた。さすがに、洗濯は各自で行っている。だが、彼はどれもプロ級の腕前を持っているらしく、まるで高級レストランのような美味しい料理が夕食には食べられる。
「すげぇ、アリスがトマト食ってる……」
アリスのトマト嫌いを知るレオはその姿に目を丸くして心底驚き、トマト嫌いを克服させたチームのコックは「お口に合ったようで何よりです」と嬉しそうに笑った。
「トマト嫌いな人って、ケチャップはいけたりするんですよ。だから、原形がなくなるまで煮込んで、特有の酸っぱさも消えるように……」
「ごめん、よくわからない」
すでに夕飯を平らげていたパウラは、皓然のお料理講座を早くも終わらせてしまった。というのも、このリーダーは皓然とは正反対で家事能力を一切持っていなかった。その代わり、事務仕事やチームの窓口はパウラが担当しているらしかった。
夕食の後は、もう一度みんなが明日の流れを教えてくれた。内容は、今日アドワに教えてもらったことと同じだった。だが、明日はこれで終わりだが、明後日からは早速授業が始まるらしい。
「明日、ボクらが一緒にいられるのはチーム入会式までだ。王宮案内から授業説明までの間、何か分からないことがあったらユーゴかアダンに聞けばいい。特に、アダンとは明日からずっと一緒にいることになるからね」
パウラのその言葉に素直にうなずいたアリスの脳裏に、あのエルフの少年の顔が浮かんでいた。
とても綺麗な顔立ちをしていたが、やはり彼はどこか油断ならないのを感じた。少しでも気を抜けば、すぐにまたお茶のお誘いをしてきそうだ。
「あの、アダンってさ……」
「大丈夫。ぼくが釘を刺しておいたので」
アリスの言いたいことを理解してくれたらしい皓然が、ニヤリと笑った。恐らくだが、これは油断してはいけない笑顔だ。アダンは一体、アリスの知らないところでどんな釘を刺されたのだろう……。
不安なことはあるが、明日に備えてアリスはいつもより早い時間にベッドに入った。
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