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27.

〈注意事項〉


※15歳以上推奨作品です。

※敬語表現に間違いがあるかもしれません。あまり気にしないでいただけると幸いです。


〈あらすじ〉

お使い最大の難関「困っている人を助ける」で、アリスたちは一人の少年を見つけたのだが……。

「——えー! それは絶対に浮気だよ!」


 男の子の話を聞き、アリスは憤慨していた。


 桃子が見つけた男の子は、ロビンという名前だった。困りごとは、王宮仕えしている彼女が見知らぬ男とデートしていたこと。


 まずは体調不良ではないことに安心したのだが、話の内容がかなり重めだった。


 先ほど、この商店街で見知らぬ男と彼女がデートしているのを目撃したロビンは、コソコソとその後を追ってきたのだという。しかし、人込みで二人を見失ってしまった。


「えっと、その彼女さんの兄弟って線はないの?」


 憤慨するアリスと違って、桃子は冷静にロビンを見つめた。


「従兄弟(いとこ)とか、親族の可能性は?」


「彼女に男兄弟はいないよ。親族も年下ばかり。相手はどう見ても彼女より年上だった。俺、彼女には反省してもらいたいんだ。ただ、それだけ」


「……ふーん」


 俊宇はロビンを見つめ、袖口で口元を隠した。


「……じゃあ、どうして尾行?」


「信じたくなかったんだ。いつも俺に『愛してる』って言ってくれる彼女が、浮気なんて! でも、どうしてもデートにしか見えなかった。浮気じゃないなら、そういう行動は控えてもらいたいし、デートならそれは反省してもらいたい」


「交際っていうのは、難しいもんなんだな」


 ユーゴは腕を組み、何度もうなずいた。


 ロビンは「もしよかったら」とアリスたちを見つめた。


「彼女のこと、探すの手伝ってくれないか? もちろん、お礼はする。君たちの善意を利用するようで、申し訳ないけど……」


「——いいよ」


 ユーゴは笑顔を見せた。


「君の彼女、探すの手伝うよ。早速で悪いんだけど、彼女さんの特徴を教えてもらってもいいかな」


「ありがとう! もちろんだよ、写真を見せるね」


 そう言って彼が見せてくれたのは、こちらに向かって微笑んでいるおさげの少女だった。髪と瞳の色は茶色。そばかすの散った、素朴な顔の少女だ。


「彼女の名前はカミーユ。魔術師養成課程の一年生なんだ」


「じゃあ、私たちとおな——」


「ああ、テレビで何度か見たことあるよ」


 アリスの言葉を遮り、ユーゴは相変わらずの笑顔でロビンを見つめた。


「とても的確なサポートをしていた人だろ? 魔術師と付き合ってるなんて、すごいじゃないか! 羨ましいなー!」


「ありがとう。俺たちは同郷なんだ」


 言葉を遮られたアリスがユーゴを軽く睨むと、なぜか俊宇が小さく首を左右に振った。余計なことを言うな、ということだろうか。


 魔術師だとバレないよう、路地裏の門から来たことを思いだし、アリスは何とかイライラする気持ちを飲み込んだ。きっと、王宮外にいる時は魔術師だとバレてはならないのだろう、と思い直して。


 特徴も覚えたところで、カミーユを探すために動き出した。


 この人ごみの中から探すには骨が折れそうなので、バラバラに分かれて探そうとロビンが提案してきた。


 結果、ユーゴと俊宇、女子二人はロビンと三人、ということになった。メンバーを分けたのも、ロビンだった。「俺が女の子と歩いているのを見たら、カミーユが出てきてくれるかもしれない」と言うから。


「……桃子、これ持って行って」


 そう言って、別れ際に俊宇が桃子に渡したのは、スマホだった。


「……連絡用。……二人とも、まだ持ってないと思うから」


「ありがとう。借りるね」


 俊宇からスマホを受け取り、桃子はニコリと笑った。


 二人と別れてから、三人でカミーユを探してあちこちを巡った。だが、メインストリートにはそれらしい人影はなかった。路地や店ものぞいてみたが、やはりいない。


「ここら辺、門も移動虫たちのターミナルもないから、まだ遠くには行ってないと思うんだけどなぁ」


 そう言って頭をかいている桃子を見て、アリスはふと疑問に思った。


 ——あの怖い人形は、鞄にしまったのだろうか?


 あんなに肌身離さず抱いていた人形なのに。


「あのさ、桃子……」


「じゃあ、探す範囲を広げてみようか」


 ロビンは、どこか楽しそうに薄暗い路地を指さした。


「この通りを抜ければ、もう一つ隣の大通りに出られるんだ。ローラー作戦にはなるけど、一つ一つの通りを潰すようにして探してみよう。君、あの二人に連絡してくれない?」


「うん、分かった」


 道の端により、桃子がユーゴに電話をかけ出した瞬間、アリスは口を抑えられてグッと後ろに引っ張られた。


「——うん、そうそう。よろしく……」


 電話を終えようとした桃子は、隣にアリスとロビンがいないのを見て、思わず大きな舌打ちを漏らした。


『どうした!?』


「やられた! アイツ、最初からアリスちゃん狙いだ!」


『やっぱり……! 俺らも今からそっちに行く! くれぐれも無茶するなよ!』


「分かってる!」


 電話を切った桃子は、先ほどロビンが指さしていた路地に向かって走り出した。

お読みいただきありがとうございました!

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