10
俺はエリーゼの後ろをついて行く様に城内を歩いていた。
「こちらの部屋です」
「この部屋は?」
「錬金術師の研究部屋になります、国が認定した錬金術師には城内に一部屋借りる事が出来るんです」
「至れり尽くせりなんだな」
「その代わり結果を出さないといけません。 結果を出さなければ認定は取り消され去らなければならないんです」
「結果が全てか、厳しいんだな」
「えぇ、そうなんです」
エリーゼは扉をノックした。
「エリーゼです、入りますよ」
そう言ってガチャと扉を開けるとそこは図書館と間違うくらいの本が置いてあった。
「あぁ~、エリーゼ姫じゃないですか〜」
そう言って積み重ねた本の隙間からひょこと顔を出したのは眼鏡をかけた少女だった。
「また本が増えたんじゃないですか? ロゼ」
「あはは〜、物欲には勝てないからねぇ〜」
ポリポリと顔をかくその表情はなんか申し訳無い感じに見える。
「レオン様、こちらは国家1級錬金術師のロゼ・カーフナイツです」
「レオン・アルバニーです、よろしく」
「あぁ~、貴方が戦神ですかぁ。 思っていたよりも優しそうですねぇ、あ、ロゼって言います」
「ロゼ、貴女にお願いがあるのですが」
「私にですか?」
ルイーゼは領地の件を話した。
「なるほど、良いですよ」
話を聞いたロゼはあっさりと了承した。
「そろそろ外に出たいと思っていたし素材集めとか錬金術で試してみたい事もあったんでちょうど良かったですよ〜」
う〜ん、なんとも空気を掴ませない様な……、只者ではない事は確かだ。
でも、ルイーゼが認める、という事は悪人では無いという事だから安心して大丈夫だろう。




