第22幕 枯れ果てた涙
警察が来たのは30分後ぐらいだった。
待ってる間、学のお母さんは座り込んだまま固まっていて、武はそわそわしてた。
俺は金庫を見たままずっと立っていた。
武が警察に事情を説明した後、金庫を調べることになった。
俺らは倉庫の外から出ることになった。
学のお母さんは金庫の開け方は知らないらしく、そもそも金庫を買ったことも無いらしい。
警察が特殊な方法で開けるみたいだ。
そのため、しばらくして応援が駆けつけた。
かなり時間が掛かっている。
当たり前だが、開かない金庫を開けるのはとても時間が掛かるようだ。
しばらくして警察の1人が口を抑えながら、急ぎ足で出てきた。
「オェーーー。」
草むらに思い切り吐き出した。
もう1人の警察が出てくる。
「奥さん………。」
「お辛いと思いますが、確認の為見ていただけないでしょうか?」
辛い……?
まさか………。
学のお母さんが倉庫に入り、少しして
「学ーーーーーー。」
学のお母さんの叫び声が聞こえた。
俺らは急いで倉庫に入った。
「ちょっと君たち………。」
警察の静止を振り払って、俺らは倉庫に入った。
学だ………。
金庫の中に無理矢理押し込められて、血を流してる。
グネグネの状態で……。
額にはまた何かが書かれた紙。
学の股の間には、小さな鐘の置物。
金庫の扉の裏側には血文字でsafe!と書かれている。
なんだよ……。
これ……。
なんで学が……。
「うわぁぁぁぁぁぁ」
俺は叫んだ。
武は後ろを振り返って、震えてる。
泣いているみたいだ。
俺は泣けない。
親友の想像を絶する死に様を見ても、泣けないのだ。
もう涙は枯れてしまっているから………。




