<1話>乖離
……
ここはどこだろう
…………
ボクは誰だろう
………………
何かが足りてないような気がする
……………………
(あー。)声は...出ているのだろうか
…………………………
歩こう
私はずっとひとり。
いつか抱いていた淡い気持ちは、
……もう隠してどれくらいだろうか。
ほんとのココロには鍵をかけて
「誰も知らないところに逃げ出したい。」
何を言っているんだろうか。
それはつまり、鍵なんてかけられていないってことじゃないか。
ああ、弱いな
私って。
この世界も実験みたいに解を出せたらな。
今日もちょっと無理して笑って
よくは分からなくともまだ持ってる
生きる意味をただ探求する。
私は化学が好きなの。
昔は単純に実験が好きで、ただそれだけの理由で科学に
そのまま化学に夢中になっていた。
一番好きなのは賢者の石。
名前がまずかっこいいでしょ
……なんて一人でデモンストレーションをしても、
相手がいなけりゃ意味がない。
友達もいなけりゃ将来も……きっともうだめだろう。
私の今は暗い、明日も明後日も
未来永劫お先真っ暗だ。
「……はやく星になりたいな。」
星になればきっと、誰かに見てもらえる。
いつしか両親が願ったであろう、星のような人に……。
息も止めて、そっと輝いた自分を誰かに見てもらってさ
あわよくば……
いつのまにかすぐ横に落ちていた、まるで惑星のように輝く
綺麗な小さい電球を手に唱える。
「今が好きになれたらな。」
─────グラッ
「ぅ、あ?」
視界が揺らぐ。
これは……地震?
いや、ちがう
せかいがまわる
あ
これ
私倒れちゃ──バタッ
いったい何のために歩いているのか。
分かりはしないが、まあいいさ!
運よく通りに出られたし、一旦交番にでも行こうかな
(あの、迷子になってしまって……)
あれ、きこえてなかったかな
流石に悲しいなぁ……
気を取り直して
(すみません!道を聞きたくて……)
……ぇ?
いま……
すりぬけて
「いけいけ~!」
──っ!
「きゃははっ!次あっちね~!」
…………ぇ……ボク……
………………死んだの?
いや……そんなはず
でも、ここは?
ボクは誰なんだ?
……………………歩こう……。
……………………。
………………。
……そうだ、試せばいい
空は……飛んじゃいないな。
足はある。
触れる。
えっと後は……壁とか
すり抜けたり……もなさそうだな。
…………人は...
(うっ……)
すり抜ける……
……ぁ。
ガラス……鏡に……ボクがいない?
……歩こう。
訳も分からず、でも
歩こう。
生きてる、なんとなくでもそう思うからこそ
どこかで答えが見つかるかもしれない。




