依頼書【1】
とある田舎の一軒家
1人の依頼人が椅子に座ってテーブルに置かれたノートパソコンと隣に置かれた依頼品の前で、意を決したように掲示板で聞いた検索ワードを打ち込んで検索のボタンを押した。
少しの読み込みの後に表示されたのは、本来なら検索結果が表示されるはずなのだが、画面に表示されたのは黒塗りの背景に簡素な一文と必要事項の案内のみが書かれたサイトだった。
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【貴方が大切にしていた物ならどんなものでも必ず修復、復元します】
ご依頼の場合は、下記の案内に従って必要事項を記入してください。
以下必要事項一覧(*必須)
・依頼物の写真*
・修復の希望*
・返還希望期日
・修復したい理由*
・連絡用メールアドレス
・依頼完了時の返還用住所*
~依頼書~
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表示されたサイトの内容に最後まで目を通した依頼人は、文字以外に写真やイラストもないサイトに若干の不信感と不安を感じながらも、最終的にはどうしても修復したい気持ちが勝り依頼書の必要事項を埋めるために動き出した。
まずは、写真を携帯で撮ってからPCに取り込んで張りつけた後、順番に記入していった。
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・修復状態の希望
【修復状態の希望(〇完全新品:性能のみ:機能のみ:外観のみ)】
(その他、望む状態:新品状態の写真がなく修復元の見本が見つけれませんでした。出来れば修復したときに絵柄も同じだと嬉しいですが、無理でしたら元の大きさに戻すだけでもいいです。ですが修復する場合に修復場所と元の物で手触りなどの違和感がないようにはできないでしょうか)
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依頼人は今まで断られてきた内容を書き終わると、もっと妥協して修復できる内容に変えた方がいいかもしれないと考えながらも、それでも出来る事なら望む形で修復された物をもう一度手にしたいという思いを消すことが出来ずに迷ったが、サイトの言葉を信じて変更せずに次の必要事項を書いた。
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・返還希望期日
*基本依頼品受け取り日から1週間以内には返還します
【希望期日がある場合記入:〇〇〇〇/〇〇/〇〇】
・修復したい理由
*必ず一つは記入下さい
「物心つく前からそばにあった物だったのでこれからも大切にしていきたいのです。もう本来の用途として使用できていないのですが、これからも使用していけるようにできればそれが一番うれしいからです」
・連絡用メールアドレス
【********@******】
・依頼完了時の返還用住所
*郵送物に記載又は住所記載の紙を同封でも可能
【 】
・確認事項
*依頼書が受理されると概算の依頼費用と依頼品の郵送場所が下記項目に新たに記載されます
(21時までに依頼をすると即日記載されます)*例外有り
*依頼書受理後、【依頼を送信する】は【依頼の取り消し】へと変わります
└依頼を取り消した場合は、入力した内容は全て消去されます
└再度依頼する場合は再び最初から入力してください
*最終費用は依頼完了後に依頼品の返還と共に同封される請求費用をご確認ください
【依頼費用(概算): 円】
*概算費用からの増額はありません(減額の場合はあります)
【郵送場所: 】
【依頼を送信する】
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依頼人は必要事項をすべて書き終わったあと、確認事項まで全て読み終わると現在の時刻を確認した。時間は20時を過ぎた頃で、これなら今から依頼をすると今日中に受理されるか確認できそうだと思い。最後に書き忘れがないか確認したのちに依頼の送信をクリックした。
依頼を送信すると画面が暗転して、最初に書かれていた一文が消えて【依頼申請中】の文字に変わっていた。下にスクロールすると依頼した内容と確認事項の下にその他追記と書かれた空欄が新たに表記されていた。
依頼人はあとは待つしかない中、いつも通りに過ごそうとしていたがどうしても気になり、近くを通るたびに更新されていないか確認してはまだ受理されていないと落ち込む事が続いた。
そして、あと数分で21時になってしまうと思っている時に、サイトを更新すると何度も見ていた【依頼申請中】の文字が消えて【受理しました】の文字に変わっていた。その事実を確認した依頼人はその場に座り込んでしまった。
一先ず受けてもらえたことに安堵してノートパソコンの前に座りなおしたのちに、依頼料や郵送場所の確認をして特に法外な料金が書かれている事もなかったのですぐに依頼品の梱包をして郵送の準備をした。
そして、翌日には依頼品を郵送したのだった。




