第三話、灯
ちょっと展開が速すぎてしまいました。
これからも書いていく予定です。
アスカが来日して一日が経った。二日後には魔界に突入するそして魔王を倒す。
そんな簡単にいくだろうか?戦力には問題ない、だが問題なのはいつ灯にドラゴンナイトである事を明かすか
渚は自室のベッドに横になりながら考えていた。
「どうすればいいだろーな、ゼロ」
左手のブレスレットに話しかける
「簡単じゃねーかそんなの」
ゼロの言うとおり、明かす事は簡単だ。どのタイミングで明かすか
「それより、お前ほんとに覚悟はできてんのか?」
「なにを今さら」
渚は当然のように言ってのけた。
「無理しなくていいんだぜ?」
妙にゼロの言葉が引っかかる
「いや・・・ただ灯との約束とうとう思い出せなかったなって」
残念そうに呟く渚
「約束ねぇ〜でもお前記憶がないんだろ?」
「ああ」
「だったら思いだせないだろ」
「でも重大なことだったと思うんだけど」
ゼロとの会話の途中インターホンがなった。
ピンポーン
「あっ灯かな」
渚は自室を後にして、玄関に向かった。
「渚、見舞いに来たよ」
案の定、灯だったどうやら本当に見舞いのようで花やら何やら持ってきてる
「ちょうどいい話したいことがある」
取りあえず灯を家に入れる。
「話って何?」
お茶をすすりながら話を切り出す
「実はさ、俺・・・ドラゴンナイトなんだ」
間を開けてから灯が口を開いた。
「ドラゴンナイト?何それ」
一般人なら当然の反応だろう
渚は手短に説明する。この世にモンスターが居る事、そしてそれを統率する魔王それと戦う者の事を、渚はドラゴンと契約してる事を、
「ゼロ、もういいよしゃべって」
灯に左手を見せる
「よっ!灯お嬢」
「しゃべった?」
灯は驚いていた。それもそうだブレスレットがしゃべったら誰だって驚く
「じゃ、今の話・・・」
「そっ、全部ほんと」
「・・・そう」
「多分、俺の記憶を奪ったのも魔王の仕業だきっと」
しばらく沈黙が続く、それを破ったのは灯
「なんで・・・」
「えっ?」
「何でそんな大事な事黙ってたの」
「そっそれは」
「なんで言ってくれなかったの!」
灯はそのまま渚の家を飛び出した。
「泣かしたなぁ」
ゼロは呟いた。
「人事みたいに言うな、追いかけるぞ」
渚も家を出る
公園、灯はそこに居た。公園と言っても遊具はブランコ以外壊されている。先日の戦いで
灯は俯きブランコに揺らされている。
「ここを壊したのも渚の言ってたモンスターなのかな」
「そうよ」
灯の問いに答えるように一人の少女が呟いた。
その少女は銀髪で白いドレスを着ていた。
「さぁ迎えに来たわよ」
ゆっくりと灯に近づいていく
「やめろぉぉぉ」
その間に剣を構えた渚が割って入る
「渚!」
視線を灯に向ける
「灯、下がって」
「う、うん」
そして視線を正面に戻す
「お前人間じゃないな?」
少女は首を縦に振る。
「お前、名前は?」
少女が不思議そうな表情する
「私の名前、憶えてないの?」
「あぁ」
当然のように答える
「じゃあ教えてあげる、私は破壊を司る魔王レイラよ」
それと同時に渚に虚無の弾丸が放たれる。
「くっ!」
剣を逆袈裟に構えて、防ぐ
そして跳躍し、レイラに斬りかかる。
「たぁっ!」
「甘いわよ」
レイラは渚の剣を掴み、眼前に指を突きつける
「今は時間がないから」
ドォン!
虚無の弾丸を受け、渚は数十メートル先に吹き飛ばされる。
「渚!」
「さぁ、あなたはこっち」
レイラは灯を気絶させ、抱える
「バイバイ、一ノ瀬渚」
そのままレイラは姿を消した。
「いってぇー、おいっ灯」
辺りを見回す灯の姿はない
「ゼロ、灯は?」
「連れて行かれたみたいだな」
渚は頭を抑え、大声で叫んだ。
「これじゃ、ドラゴンナイトになった意味ねーじゃねーか」
そして真がやって来る
「遅かったか」
渚も気がつき真に声をかける
「朝倉さん、すみません」
「渚君、灯ちゃんを助ける気ある?」
「えっ?」
いきなりの問い、渚の答えは決まっている
「はい!」
「よし、明日魔界に突入する」
決戦はより早く近づくことになった。