ペックル使い
「一応、私は今の所タンクとして戦ってるから槍を使うにしても片手槍だけど切り替えで使うのは悪く無いかも知れないわね。リスーカも視野に入れるけど……絆とノジャ子を考えるとペックルとウサウニーでスイッチが良いかしらね」
盾と槍ってか?
ブレイブウサウニー着ぐるみの発見は時間の問題か。
「そんな訳だからお兄ちゃん、ペックル使いのスキルは取得しておいてね。プレイヤー同士での重複はしないけど効果が高い人の性能が優先されるから」
「絆殿がペックル使いのスキルを最大まで取得しておくと波のフィールドでの貢献度が高いはずでござるな」
居るだけで貢献するから取得してくれって……それで良いのか?
……領地持ち故の制限なのかな。
「それじゃお兄ちゃんも、波の戦場でペックル達の強化の為に取得してよ。そうすればお兄ちゃん達に暴れて貰えるし」
「く……」
非常に不服だけどペックル使いを所持する事にした訳だけど……元々使役し続けている影響か速攻で最大値まで取得出来てしまった。
ペックル使いⅩ。
ペックルを雇用したプレイヤー専用スキル。
雇用したペックルを有能に使いこなすスキル。
ペックル達のあらゆる行動にプラス補正を掛け、能力、行動頻度、判断力を引き上げる。
毎時間消費2000エネルギー消費、ペックルの雇用素材の消費1,2倍。
所得に必要なマナ 消費済み
ランクアップ条件 ―
雇用消費素材はスキルLvが上がる毎に下がるタイプだった。最初は性能の割に低そうだったけどこれだとかなり強力そうだ。
消費エネルギーがそこそこ重いけど……。
「そう言えばペックル装備も一部あるようにウサウニー装備もレシピで出てくるかね? リスーカ装備も一応依頼されて作る事があるね」
ロミナが開拓妖精装備のレシピを探している。
倉庫からウサウニーの毛玉という素材を見つけてレシピを発見してしまった。
「着ぐるみは鉄板であるだろうね」
「他にありそうなのはブレイブウサウニーの武器からして槍じゃな」
「ほう……キー素材はなんだろうね。おや? かなりのネタ装備の槍があるじゃないか、お約束の人参の見た目だが……キホーテキャロットと言う野菜が必要なようだ」
「おお! 知らん野菜じゃな! 研究して作るのじゃ!」
顔文字さんの農業欲を刺激してしまったようだ。
目当ての野菜が出来るのも時間の問題かな。
「ちなみにペックルの武器に関しちゃ絆くんは心配しなくて良いよ」
「いや、俺は何も言ってないけど……」
なんで心配ないんだよとツッコミを入れたいけど大方既に釣り上げてるって事か。
「少し話が脱線してしまったけれど、ダインブルグ装備が欲しいと言う人の装備を作っておくよ」
「何時もありがとうなロミナ」
「お互い様さ。絆くん達は無茶な装備過剰や使用をせずに面白い素材を持ってきてくれるし恩恵は十分貰ってるさ」
ロミナの寛大な態度には何時も助けられるね。
「装備はロミナに見繕って貰う何時もの流れなんだけど……この後はどうしたもんかな? 無難にダインブルグのクエスト周回?」
「今の所、希望者分の装備は十分だよ? むしろ絆くんはこれまで開拓業務をしていたんだから他に行きたい所に行くのが良いのではないかい?」
「まだここのダンジョンにあるマグマで釣りしてないんだけど……」
実験にダインブルグの砦の堀で釣りしてただけだし。
「そんなのはすぐに終わるだろう? どうせこの後行ってくるのではないかい?」
「まあ……ヌシとか居るといいけど」
「行ける場所でめぼしいのだとセン地方とかミカカゲの奥、カルミラ島近海に出たアクヴォルに挑戦と絆さんしか出来そうにないクエスト、他に第四都市ノースフェラトに行くと言う手もありますね」
俺の留守中に色々と行ける所が見つかってきてるもんだ。
どこから手を付けるのが良いかな。
「お? 絆の嬢ちゃんアクヴォルとか他の四天王退治するのか? するなら俺も見てえ!」
らるくがてりすと一緒に立候補してきた。
そんな珍しいもんじゃないと思うけどなぁ。
「流れ的に怪しいメールが来て隠しの攻略方法が分かるのと四天王が妙な反応するだけだと思うぞ? むしろブレイブウサウニーを連れてった時のダインブルグの反応はどうだったんだ?」
「『ヒィ!? ブレイブウサウニー!?』って言ってたぜ?」
「そんな精神害虫みたいな反応なのはどうなんだ?」
どんなポジションなんだよブレイブウサウニーは。
怯えられるってのは何なんだ?
「攻撃範囲に入ると『その槍で私の何処を突き刺す気だ!』って変な回避モーションをダインブルグがしていたのじゃ」
「……らるく、俺が居なくても面白い事は起こってるから顔文字さんのところで我慢しようぜ?」
優しい目でらるく達を宥めてやろう。
顔文字さん達だけでも十分面白い事が起こってます。
多くを求めてはいけません。
「お兄ちゃん、顔をキラキラさせて宥めに入ってるね」
「ネタに走るわねー絆」
「嫌だぜ! 今度こそ絆の嬢ちゃんの面白イベントを直に見るんだぜー!」
「そうよそうよー絆ちゃん、てりす達とあそびましょー」
このカップルは本当に大人なんでしょうかね?
ってぐらい駄々を捏ねられてしまう。
「俺達は見世物でも芸人でもない!」
「ここまで説得力の無い台詞は無いでござる!」
なんだと闇影! 俺の何処が芸人だ!
「エクシード一家はネタによく走るからねー」
クレイさんまで苦笑気味に同意してくるとはどういう事だ!
「心外ねー」
着ぐるみ装備を着用する姉さんが何かぶっ放してる。
「私たちの何処が芸人なんだろうねー」
ネタに走る筆頭の紡が言っても説得力は無い。
「これは間違い無く他二人は芸人だけど私(俺)は違うって流れでござる!」
「「「う……」」」
もしや事実なのか? 俺達芸人なのか?
違うと言いたい。流れを変えるのだ。
「とりあえず確認だけどノースフェラトで戦える四天王って?」
「火のクリムレッド……」
ぽつりと、それでありながら何か強めの口調でしぇりるが言った。
「……」
「……」
合わせるようにそっと、硝子達全員が顔を逸らした。
……何があった?
闇影はともかくあの紡までもが同じ動きだったぞ。
「闇? どうしたの?」
「どうしたんだい?」
闇影の両親が娘の様子がおかしい事に気付いて語りかける。
「しぇりる殿のやり遂げる意志は絆殿に匹敵するのを知った出来事でござるな」
うーむ……この流れ、ぼろ負けしたしぇりるの因縁の相手だったのは想像に難しく無い。
おそらくスイッチの入ったしぇりるによって火の四天王クリムレッドは串刺しかハチの巣にされたのだろう。
「お? 火って事はアイツか、是非ともあいつの醜態を見てやりてえぜ」
らるくが悪巧みする子供みたいな笑みを浮かべている。
「水、土、火となると残りの四天王はまだって事ね。じゃあてりすの仕返しは先って事になるわねー」
「と言う事は四天王イベントでらるくは火でてりすは風の四天王と戦ったのか」
「ええ、風のクーフィリカって名前だったかしら」
へー……これで再戦ボスは全部揃うと。
魔王との戦いはそれが終わってからなのかな?
「父上達は戦ったでござる?」
「クレイさんが参戦してたら勝ってそうだけどな」
少なくともダインブルグサンドワーム戦を思い出すと顔文字さんを凌駕しかねない指揮能力を所持してるだろう。
この人に任せて置けば大体安定して勝てるって位には能力高いぞ。
闇影の親って改めて考えるとスペック高いな。
「生憎とノジャさん達のギルドの人と拗れ始めた時期でもあってね。後方で物資支給をしていたよ。前に出るのを嫌がられてね」
「なんで?」
「ノジャくんの後任に指揮を私がするのを嫌がられてね……」
「あいつね……本当、見栄しか頭にない奴だったとしか言いようが無いわ」
あ、姉さんが愚痴モードに入ってしまった。
ノジャさんの後任でリーダーをしていたプレイヤーって相当碌でなしだったんだろうなぁ。
ギルド内の立場を維持する為にクレイさんにまで塩対応してたのか。
ミリーさんも同じく待機組って事だったんだろうなぁ。
ロミナと同じく不参加というか物資支給で貢献してたんだな。




