第七十六話 残酷な前触れ①
「っしゅ!」
出口が巨人目がけて矢を放った。
放った矢は貫通し、巨人も大きく音を立てて崩れ落ちる。
その隙に、全員が全力疾走をするのだった。
「あのさー~~少しは、あざーす! 的な感謝の気持ちはねェのかよ」
弓を肩に担ぎながら、
「馬鹿らしいったらねェのな!」
鼻息荒く、吐き捨てた。
ここはーー《喰空腹の迷路》なる巨人族の巣くっていた《遺跡》
宝の内容は、ガーナしか知らない。
「で?! どこにあんだよ! その宝ってのは!」
ガーナの横に、マサルがつき聞いた。
それにガーナも。
「任せて、任せてよー~~♥」
地図の紙を、忙しなく動かし。
あっち!
こっち!
そっち‼
「いー~~加減にしろよ! 手前っっ‼」
ここになって、大人しく従っていた出口が吠えた。
そんな出口を後ろから、子供姿のマサルが抱き着いて、制止させる。
「っで、出口サン、落ち着いてくれ! 今、ガーナをボコってもっつ!」
「っぐ! ぅぐぐぐ~~‼」
--コッチダヨ。
「?? ん? 何が、だよ???」
耳に聞こえた方向をマサルが見た。
そこは、何もなくただの路に過ぎない。
抱き着いたまま首を傾げる。
「空、耳ーー……」
「あー分かったから、分かったから! 離れろ、マサル」
「ぁ。はい」
素直に従うマサルを他所に。
「この宝はさ! 触った人間の時間や、未来を予知できるんだよぉ♥」
くねくねと、ガーナが惚けた。
気持ち悪い、と全員の意見が脳裏で一致する。
ただ、一人。
マサルだけは違った。
--コッチダヨ。コッチダヨ。
「そっちに、何があるってんだよ?」
声に促されるままに、マサルが行ってしまう。
「マサル!? マサルぅ~~どこ行く気なんだぁ??」
マサルの動きを察知したミウが、後ろに続いた。
すると。
「おいおい。何処行く気だよ、あの坊やは」
愛も、
「あー~~もう! アイツはァ‼」
出口も。
「ポンコツ! マサルから離れなさい」
「迷子になったら。大変だ」
険しい表情のアデルも、マーニーも、ほぼガーナを残した全員が行った。
「っへ? ぇ、ええ?? あの、え? 地図では、……どこ、行くの」
ぽつんとなってしまったガーナも、地図を握り締めながら。
「ねー~~みんなぁ~~どこ行くのかなー~~??」
涙目に、後に続いて行く。
--コッチダヨ。コッチダヨ。
「こっちって。どっちのこと、なんだよ」
徐々に、マサルの背中から黒いものが溢れ始めた。
「!」
それにマーニーが驚いた。
「何。あれ」
出口も、思わず口から次い出た。
「靄、だな」
「うん、ぁ……ああ。靄、かな?」
愛も、首を傾げたが。
すぐに。
「なんか。ヤバそうになりそうだな。こりゃあァ」




