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ツヅキくんはかえりたい  作者: ちさここはる
                             第二章 
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第七十七話 大の依頼内容

「で。行くかい? お父さん?」


 《タマファー》の中。

 烈がネクストに、そう声をかけられた。

 一歩、ただ、一歩。

 足を外に踏み出すだけでいい。


「本当に。マサルはこっちに来ているのか?」


 真剣な表情を浮かべる烈。

「疑り深くなったもんだなァ~~手前は」

 そんな彼に、苦笑を浮かべる凛へ、

「私の大事な息子の話しなら尚のことーー疑り深くなるのも仕方ないよねー」

 保が、凛の頭を平手で叩く。

「っだーっはっはっは‼ そりゃあなァ‼」

「痛い! おい! 痛いっつ~~の!」

 激しく足をバタつかせる凛。

「父親って生き物はそういうもんだわな。だがなァ、烈坊や」


 すう。


 っぷ、ふぁー~~……。


「人生は理不尽にも、運命に振り回されるもんなんだわ」


 目を細めながら保が、烈に、小さく漏らした。

 烈も足を組み、絡ませた手を中に置き。

 少し弄わせながら、小さく吐き捨てた。


「--……嫌なものだねー」


 ◆



 あてがあるかのように突っ走って行く。

 出口は、そんな彼をサポートするかのように、現れる巨人を弓で射抜く。

 

「っしゅ!」


 バシュ!


「った、っくよォおおっっ!」

 出口が忌々しいと言った口調で、吐き出した。

「おい! マサル! マサル!」

 そして、マサルに問いかけても。


 マサルは一点だけを見ていた。


 --コッチダヨ。コッチダヨ。


 視ている光景はーー《ジョンズ》の中の《デイ

 それに変わりはないが。

 引っ張れる感覚だ。

 呼ばれているから行くという感覚ではない。


「誰なんだよ! 俺を呼ぶのは!」


 額に浮かぶ汗を、手で振り払うマサルを、

「!? う、ああ!」

「ちびっ子なんだから、大変だろう? 走るのは」

 出口が肩に背負い込んだ。

 荒く息継ぎをしながら、

「背負いたいってんなら、いいけど」

 マサルも、悪態を吐いた。

「ぬかせ! くそガキが!」

 それに、出口も吐き捨てると、


「「っぷ、ふぁ」」


 二人は高笑いをした。

 その様子に、

「キモイよ。出口、キモイよ?」

 愛も吐き捨てながら、微笑むと。

「てか。マサルも、きちんと案内しやがれ!」

 叱咤の声を浴びせた。

「こちとら、全員のパーティの命を預けてんだぜェ?!」

 

 ぶる。


 ぶるる!


 

「頼むぜ! くそガキちゃんよォ!」


 ◆


 窓に手をつけ、外を見た。

 そこは懐かしくも、まさると駆けた大地。

「私が行ってなんの役に立つかなとも、思っています」

「ま。そうなるわなwwww」

 凛が噴き出した。

「それは俺も分かるぜwwww」

「恐らく、だけど。奥さんが仕掛けたこともある気がするんですが?」

 横目で凛を、保を見ながら、

「気のせいですか?」

「さてね。そいつァ、言えねェってなもんだ」

 保が、煙草の煙を辺りに噴き出す。

「たとえそれがーー身内だとしてもさ」

「! ……なら、奥さんの方法で、やればいいじゃないですか」

「そいつも、まァ……なんだ。俺が嫌なんだよ」

「保さん?」

 きょとんとしてしまった烈に、保も続けた。


「俺だって。見たくないもんってのがあんだよ」


 すぅ。


 ぷ、っはァー~~っっ!


 その言葉の意味が、烈には分からないが。

 目を横に反らした保の顔から、視線を外すことが出来なかった。

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