.五月晴れ連休中の食堂にて。
管理人室を開け着替える。なんか今日は覗かれている気がするけどまあいいや。
「龍神様、ドローンの練習してる暇なんてないですよね。」双眼鏡で寮の周辺を視察する因幡。
「面白くなったら教えてくれる?」ビルの屋上に天狗の群れが飛んでいる。
「いい匂いがしますね。」因幡の赤い瞳がキラリ。
「あ、これカレーの匂い本格的な色々なスパイスを混ぜて作る。凝ってんな腹減ってきた。」
「朝からカレーって何かのドラマでありましたね。パーマ頭の大学生が事件を次々と解決しちゃうような。」
「そんなレシピが流行れば国は安泰だな。警察なんてそれしか食わなくなる。五月ってこんな風強かったか?」
「鯉のぼりが泳ぎますからね、私は柏餅しか興味ないですが。」
「撮影の許可下りても、この風じゃ無理だろう。中止だ中止。」
尞周辺の落ち葉を掃き、増やした食堂の花瓶に買ってきた花を活ける。
「楓は尞の食堂に今足りないのは何だと思う。」
「テーブルに花瓶の花?よかけど、誰だって気がつきそう。」
「居心地を良くするアイテムなのでそれも正解だけどね。来てくれた人のプライバシーや居心地の良さが必要。」
「改装で個室作って夜はカラオケなんは賛成。けどそれは違うかな、食堂らしくなかね。」
「みんなでお昼の話して活気があってね。普通にいいけどついつい仕事の話とか悩み相談とかに。そうなりがちだったと思うんだ。」
「それはまあ仕方ないというか何というか。そういうので発散するいやらしい子っているからね、割り切らないと。」
「でも、わざわざ黙認してここをそれに提供する必要はないんじゃないかと思う。」
「ルール作って守らせたりそういうこと?」
「学校や職場で散々やって効果がなかった手口を真似したって時間の無駄だろうね。今は帰省した社員もいるので来る人がまばらでしょ。圧倒的な美しさや優雅さで固定客を作る、衣装や雰囲気づくり。」
「また、そんな夢見がちな理想を。」
「あたし乙女座なの。そういうの得意なのよ。」
龍神は、スプーンでカレーライスを口に運ぶ。
「因幡、会話はどうだ。聞こえるか?」
「星座占いって信じます?」
「何のことだ。」
「今週の乙女座は最強に運勢がいいんですよね。」
「つまんねえ話してんな。」
「お呼ばれしたいなあの食堂。今から潜入しましょうよ知り合いになればあの子たちの料理が食べられるでしょ。ね。」




