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(「」感情、動作、視界、音「」)
顔が熱い。火が出そう。そんな言葉を払うように振った首さえも熱い。
「あ……」
ぽつりと一粒だけ、言葉が降った。
「……っ……」
また一粒。
ちゃんとした言葉にならない、音と言った方が近いような声。遠くで聞こえる学生の喧騒や、付近で漏れる植木の擦れる音や、心音よりもしっかりと耳がそれを拾い上げる。
「……ん、…………?」
掠れるような吐息と、鼻を啜るような音が耳に届いても、その音源に顔を向けられない。
どこに視線を置いても落ち着けない。
土やベンチ、植木、空、植木、植木、と視線に合わせて頭の中で自分の声が目にしたものを誦じている。
「……ぁ、……ぇ」
左右に尻を上げ下ろししていると気づいた。ベンチから立つこともできず、座っているのも落ち着けなくて、何度も組み替えられている足が自分の足だと少ししてから気づく。
身体はいつのまにか傾いていて、戻そうとして触れた温もりに跳ねたように背筋が伸びた。
自分がどうやって身体を動かしていたのかもわからないほど混乱している。そんな風に思い至り、温もりを伝えた大元に視線が向いた。
「あ」
薄桃色の唇が、それだけこぼして固まった。それを見つめたままで動けなくなって、言葉を探しても何も出てこない。
それからしばらく、二人して固まっていた。
手を繋いだまま。




