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世界最強の憑魔術師に覚醒したので第二の人生を楽しみます!  作者: 雉子鳥幸太郎
二章

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71/91

ブネの力

 俺はステータスを確認した。


 ―――――――――――――――――

  年齢:18 名前:瀬名(せな) 透人(ゆきと)

  レベル:42

  異能区分/E 召喚師/憑魔術師

  HP:94(+2444)

  MP:1033(+8548)

  筋力:8(+400)

  体力:8(+430)

  知能:45(+780)

  抵抗:6(+630)

  反射:5(+550)

  精神:196(+1425)

 ―――――――――――――――――

  憑魔:ブネ

  

  ・魔素執刀(マナ・オペレート)

   切開、切除、縫合、思いのまま(MP1000/時間)

  

  ・再構築(リビルド)

   ブネ家所有の実験体を(フィールド)に再構築する(MP300/体)


  ・■■■

   現LVでの使用不可

  ・■■■

   現LVでの使用不可

  ・■■■

   現LVでの使用不可

 ―――――――――――――――――

  〈パッシブスキル〉

  ・使役魔の手綱 LV.5→8

   LVが上がる程、高位の悪魔を憑依させることができ、悪魔の能力を引き出すことができる

 ―――――――――――――――――

  〈スキル〉

  ・ステータス可視化 LV.3(Max)

  自身のステータスをフルオープンにできる

  ・ソロモンズ・ポータル LV.3→5

  自身で創り出したポータルから悪魔召喚が可能

  一度に召喚できる個体数及び種別は術者の力量により変化する

  ・召喚 LV.3→6

  自身のLVに応じて魔獣を召喚できる

 ―――――――――――――――――


 かなりステータスが上がった。

 特に『精神』の上がり方が半端ない。


 召喚もレベル6になったが、まだ使役獣は召喚出来なかった。

 次の素数は7、もし次も駄目なら11まで召喚は無理か……。


 ブネのスキルはまだ二つしか解放されていないが、どっちもかなり使えそうだ。

 実験体というのが気になるが……、大勢を相手にするのに良いのかな?


 俺は拳を握った。

 試してみるか……。

 

『――魔素執刀(マナ・オペレート)!』


 辺り一面が赤紫色に淡く色づいた。

 これが魔素なのか……。


 意識を集中しながら手を広げると、赤紫色の靄が濃くなり、何かが形作られるように感じた。

 剣の形をイメージして、そのまま足元にあった大きな石を斬りつけた。


 何の抵抗もなく、石は二つに分かれた。

 断面は鏡のようになっている。


「すげぇ……」


 次に魔素の針と糸で縫い合わせるイメージを思い浮かべた。

 石は傷も継ぎ目も無く、割れたのが嘘だったかのように元通りになった。


 シンプルなスキルだが、それ故に強力だな……。

 憑魔を解くと、白衣のポケットに両手を突っ込んだブネが現れた。


「どうだ?」

「凄いよ……力を貸してくれてありがとう」


「礼は結構。力を貸したのは、私が決めたことだ、君の気持ちとは一切関係がない。つまり、君が泣いて懇願しようとも、私の気が変われば……」

「わかってる――、ただ、俺が礼を言いたかっただけだよ」


「ま、好きにしたまえ」

 肩を竦めた後、ブネが指を鳴らして、石丸さんを指さす。


「あの男、起こしたいのなら起こしてやると良い。ではな」

 ブネはポータルの闇に姿を消した。


 俺は眠っている石丸さんの傍に行き、そっと肩を揺すった。


「石丸さん、石丸さん?」

「ん……、あ、あれ? 俺は一体……」

 目を擦り、不思議そうに辺りを見回した。


「俺も、回収手伝いますよ」

「え……あ、ああ、そうだった! もう少しだ、ええと、じゃあ、あそこのバキュラを頼む」

「わかりました」


 石丸さんは指笛を鳴らし、使役獣に指示を出している。

 手慣れた様子で、魔石を回収する様は熟練した職人のようだ。


「うっひょー⁉ 瀬名くんこれ見ろよ、この大きさ、色! 最高ランクだぜ?」

 テンション高く、石丸さんが魔石を掲げる。


 魔石にランクとかあるのか……?

 俺は「凄いですね!」と声を返し、慣れない魔石回収に戻る。


 ブネの力で気付いたが、魔石って……魔素が結晶化したものなんだな。

 魔物に魔石が宿るのではなく、魔石が魔物を生み出すのか?

 まるで『卵が先か、鶏が先か』だな……。


「ま、考えても仕方がないか」


 *


「どうやら上手くいったようだね、ご苦労さん」

 家に戻った俺達に、神様がお茶を出してくれた。


「ありがとうございます」

「いやぁ~、労働の後の茶は最高だ」

 石丸さんはグビグビと茶を飲み干す。

「ふぉふぉ、そんなに慌てんでも茶ならいくらでもあるよ」

「あ、すいません……へへ」


 その時、テーブルの上で神様のスマホが震えた。


「終わったかの……」

 スマホを手に取って確認する。


 どうやら魔石の査定が終わったらしい。

 今、裏庭に魔石の買取業者が来て、回収した魔石の査定を行っていた。


「ふむ、魔石は前回よりも3割ほど多かったみたいだ」

「へへへ、今回はかなり大物でしたからね」

 と言って、石丸さんが顔を綻ばせる。


「はは、それを一人で倒すとは、瀬名くんは強いんだねぇ」

「いえいえ……そんな……」


「さて……それで、どうだったのかな? 得られたものはあったのかい?」

「はい、お陰様で一つ上の男になれました。本当にありがとうございました!」

 俺は心から感謝を込めて神様と、石丸さんに頭を下げた。

 石丸さんが「よせよ」と照れ笑いする。

 神様は目を細め、優しい声で俺に言った。

「それは良かった、また何かあればおいで。私にできる事があれば力になろう」

「は、はい……!」


 *


 神様の家を出て、二人並んで登山道を降りて行く。

「へへ、良かったな」と、石丸さんが俺の肩を叩いた。

「石丸さんのお蔭ですよ……本当にありがとうございます」


「あーもう良いって、俺は魔石が回収できりゃいいのさ」

「回収って、そんなに楽しいですか?」

「当たり前だろ? まだ瀬名くんには、わかんねーかなぁ……。あの肉から剥がすときの感触とか、体内で鈍く輝いているのを見つけた時の感じとかよぉ……なんつーの、ロマンだな、そう、魔石回収には男のロマンがた~っぷりと詰まってんのよ、わかる?」

「ちょっと……わからないです」


「かぁ~! これだもんなぁ……俺がS級なら迷わず魔石回収を極めるんだが……」

 石丸さんがやれやれと頭を振った。


「え? コツとかあります? 魔石採るだけですよ?」

「ちょ⁉ おいおい……マジかよ瀬名くん……わかってない。あ~わかってないわぁ~」

「え、ちょ……」


「ただ取り出すのは三流、傷つけず、丁寧に取り出せて二流、魔石を愛して一流だ」

「それ、誰の言葉ですか?」


石丸 収(いしまる おさむ)、俺の言葉だ」

「は、はあ……」


 キリッとした表情で登山道を降りる石丸さん。

 この人はやっぱり嫌いになれないなと、俺は横顔を見ながら思う。


 ――自動販売機が見えてきた。


 レベルSか……。

 後は桐谷の連絡を待つだけだ――。

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― 新着の感想 ―
[良い点] やっぱり見下されていても、いざ魔石回収の熟練者がいなくなったらみんなの困るんでしょうね
[一言] 石丸さんや(笑)
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