ブネの力
俺はステータスを確認した。
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年齢:18 名前:瀬名 透人
レベル:42
異能区分/E 召喚師/憑魔術師
HP:94(+2444)
MP:1033(+8548)
筋力:8(+400)
体力:8(+430)
知能:45(+780)
抵抗:6(+630)
反射:5(+550)
精神:196(+1425)
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憑魔:ブネ
・魔素執刀
切開、切除、縫合、思いのまま(MP1000/時間)
・再構築
ブネ家所有の実験体を場に再構築する(MP300/体)
・■■■
現LVでの使用不可
・■■■
現LVでの使用不可
・■■■
現LVでの使用不可
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〈パッシブスキル〉
・使役魔の手綱 LV.5→8
LVが上がる程、高位の悪魔を憑依させることができ、悪魔の能力を引き出すことができる
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〈スキル〉
・ステータス可視化 LV.3(Max)
自身のステータスをフルオープンにできる
・ソロモンズ・ポータル LV.3→5
自身で創り出したポータルから悪魔召喚が可能
一度に召喚できる個体数及び種別は術者の力量により変化する
・召喚 LV.3→6
自身のLVに応じて魔獣を召喚できる
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かなりステータスが上がった。
特に『精神』の上がり方が半端ない。
召喚もレベル6になったが、まだ使役獣は召喚出来なかった。
次の素数は7、もし次も駄目なら11まで召喚は無理か……。
ブネのスキルはまだ二つしか解放されていないが、どっちもかなり使えそうだ。
実験体というのが気になるが……、大勢を相手にするのに良いのかな?
俺は拳を握った。
試してみるか……。
『――魔素執刀!』
辺り一面が赤紫色に淡く色づいた。
これが魔素なのか……。
意識を集中しながら手を広げると、赤紫色の靄が濃くなり、何かが形作られるように感じた。
剣の形をイメージして、そのまま足元にあった大きな石を斬りつけた。
何の抵抗もなく、石は二つに分かれた。
断面は鏡のようになっている。
「すげぇ……」
次に魔素の針と糸で縫い合わせるイメージを思い浮かべた。
石は傷も継ぎ目も無く、割れたのが嘘だったかのように元通りになった。
シンプルなスキルだが、それ故に強力だな……。
憑魔を解くと、白衣のポケットに両手を突っ込んだブネが現れた。
「どうだ?」
「凄いよ……力を貸してくれてありがとう」
「礼は結構。力を貸したのは、私が決めたことだ、君の気持ちとは一切関係がない。つまり、君が泣いて懇願しようとも、私の気が変われば……」
「わかってる――、ただ、俺が礼を言いたかっただけだよ」
「ま、好きにしたまえ」
肩を竦めた後、ブネが指を鳴らして、石丸さんを指さす。
「あの男、起こしたいのなら起こしてやると良い。ではな」
ブネはポータルの闇に姿を消した。
俺は眠っている石丸さんの傍に行き、そっと肩を揺すった。
「石丸さん、石丸さん?」
「ん……、あ、あれ? 俺は一体……」
目を擦り、不思議そうに辺りを見回した。
「俺も、回収手伝いますよ」
「え……あ、ああ、そうだった! もう少しだ、ええと、じゃあ、あそこのバキュラを頼む」
「わかりました」
石丸さんは指笛を鳴らし、使役獣に指示を出している。
手慣れた様子で、魔石を回収する様は熟練した職人のようだ。
「うっひょー⁉ 瀬名くんこれ見ろよ、この大きさ、色! 最高ランクだぜ?」
テンション高く、石丸さんが魔石を掲げる。
魔石にランクとかあるのか……?
俺は「凄いですね!」と声を返し、慣れない魔石回収に戻る。
ブネの力で気付いたが、魔石って……魔素が結晶化したものなんだな。
魔物に魔石が宿るのではなく、魔石が魔物を生み出すのか?
まるで『卵が先か、鶏が先か』だな……。
「ま、考えても仕方がないか」
*
「どうやら上手くいったようだね、ご苦労さん」
家に戻った俺達に、神様がお茶を出してくれた。
「ありがとうございます」
「いやぁ~、労働の後の茶は最高だ」
石丸さんはグビグビと茶を飲み干す。
「ふぉふぉ、そんなに慌てんでも茶ならいくらでもあるよ」
「あ、すいません……へへ」
その時、テーブルの上で神様のスマホが震えた。
「終わったかの……」
スマホを手に取って確認する。
どうやら魔石の査定が終わったらしい。
今、裏庭に魔石の買取業者が来て、回収した魔石の査定を行っていた。
「ふむ、魔石は前回よりも3割ほど多かったみたいだ」
「へへへ、今回はかなり大物でしたからね」
と言って、石丸さんが顔を綻ばせる。
「はは、それを一人で倒すとは、瀬名くんは強いんだねぇ」
「いえいえ……そんな……」
「さて……それで、どうだったのかな? 得られたものはあったのかい?」
「はい、お陰様で一つ上の男になれました。本当にありがとうございました!」
俺は心から感謝を込めて神様と、石丸さんに頭を下げた。
石丸さんが「よせよ」と照れ笑いする。
神様は目を細め、優しい声で俺に言った。
「それは良かった、また何かあればおいで。私にできる事があれば力になろう」
「は、はい……!」
*
神様の家を出て、二人並んで登山道を降りて行く。
「へへ、良かったな」と、石丸さんが俺の肩を叩いた。
「石丸さんのお蔭ですよ……本当にありがとうございます」
「あーもう良いって、俺は魔石が回収できりゃいいのさ」
「回収って、そんなに楽しいですか?」
「当たり前だろ? まだ瀬名くんには、わかんねーかなぁ……。あの肉から剥がすときの感触とか、体内で鈍く輝いているのを見つけた時の感じとかよぉ……なんつーの、ロマンだな、そう、魔石回収には男のロマンがた~っぷりと詰まってんのよ、わかる?」
「ちょっと……わからないです」
「かぁ~! これだもんなぁ……俺がS級なら迷わず魔石回収を極めるんだが……」
石丸さんがやれやれと頭を振った。
「え? コツとかあります? 魔石採るだけですよ?」
「ちょ⁉ おいおい……マジかよ瀬名くん……わかってない。あ~わかってないわぁ~」
「え、ちょ……」
「ただ取り出すのは三流、傷つけず、丁寧に取り出せて二流、魔石を愛して一流だ」
「それ、誰の言葉ですか?」
「石丸 収、俺の言葉だ」
「は、はあ……」
キリッとした表情で登山道を降りる石丸さん。
この人はやっぱり嫌いになれないなと、俺は横顔を見ながら思う。
――自動販売機が見えてきた。
レベルSか……。
後は桐谷の連絡を待つだけだ――。




