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世界最強の憑魔術師に覚醒したので第二の人生を楽しみます!  作者: 雉子鳥幸太郎
二章

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神様の家

 俺はブネの真っ白な足の裏を見上げていた。


 宙に浮いたまま、両手を白衣のポケットに突っ込み、何の感情も読み取れない瞳で俺を見下ろす。


 そこには好意も敵意も存在しない。


 まるでガラス玉に映る風景のように、赤い瞳には俺が映っている。


 ――直視できねぇ。

 久しぶりに見たブネは、相変わらずの黒い下着姿だった……。


 *


 約束の日――。

 俺は高田馬場駅の戸山口前で石丸さんを待っていた。


 近くで学生達のグループが談笑している。

 その中の女の子達が、チラチラと俺の方を見てはしゃいでいる。

 以前とは明らかに違う、好奇心が見え隠れする視線に戸惑いながらスマホを弄っていると、石丸さんがやって来た。


「よぉ、瀬名くん早いね? 待った?」

「いえ、僕も今来たばかりで」

「そっか、よし、じゃあ行こうか」


 石丸さんに付いて、西武新宿線の改札を通った。

 行き先は川越。俺は初めて行くが、小江戸と呼ばれる歴史のある街だ。


 一時間ほど電車に揺られ、本川越に着く。

 タクシーに乗り換え40分ほど経ったころ、「ここで」と石丸さんが運転手に告げた。

 車を降りると、辺りに民家は無く、木々の生い茂る森が広がっていた。


「うっし、ここからちょっと歩くからな。飲み物買っとくか」


 ぽつんと置かれた自動販売機。

 こんな場所に、一体誰が置いたのかと感心してしまう。


「ここを逃すと買える場所はないからな、何にする?」

「あ、自分で買いますよ」

「いいから、ほら」

「すみません、じゃあお茶で……」


 石丸さんからお茶を受け取り、二人で山道を登り始めた。


「で、どうだい調子は?」

「まあ、ぼちぼちです」


「へっ、何だよそりゃ。あー、そういや、何でまた急にレベル上げなんてしようと思ったんだ? 瀬名くんは十分強いだろ?」

「実はちょっと……厄介な相手がいまして、今のままだと、良いように使われてしまいそうで……」


「……そうか。言いたくなかったら言わなくていいんだけどさ、その相手ってのは誰なんだ?」

「金曜会の桐谷という人です」


「げっ⁉ ま、マジか……」

 石丸さんは大袈裟に両手を広げ、芸人のように大きなリアクションを取った。


「知ってますか?」

「そ、そりゃあ誰でも知ってるさ。金曜会のエースだろ? S級覚醒者で国内最強って話もある……。ていうか、次元が違いすぎてよぉ、俺には何もしてやれねぇわ、わはは、すまんな」


「い、いやとんでもないです! 石丸さんには、こうしてレベル上げできる場所もご紹介して貰ってますし、感謝しかないですよ」

「そ、そう? へへ、まあ、こうして恩を売っとけば、また美味しい思いができるかもってな? がははは!」

 照れを隠すように石丸さんが笑った。


「あ、あそこに建物が……」

「お、着いたか。あれが、神様の家だ」


 石丸さんはペットボトルのお茶をグビグビと飲んで、

「よし、行こう」とキャップを閉めた。


 *


 映画のセットのような、モダンで洗練された暖炉付のリビング。

 無機質なモノトーンの壁に掛かったカラフルな油絵。床には大きな毛皮のラグが敷かれている。


 今、俺の向かいに神様がいる。

 悠然とソファに座り、膝には猫が乗っている。


 見た限り、小柄でカーディガンを羽織った、優しそうなお爺ちゃんにしか見えない。

 てっきり、テストのようなものでもあるのかと思ったが、驚くほどすんなり会うことができた。


「やぁ、よく来たね……、石丸くんのお友達なんだって?」


 想像通りの柔らかな声、神様が俺の隣に座る石丸さんを見た。

 石丸さんは緊張した面持ちで答える。


「そ、そうなんす! アレを、彼に使わせてやって欲しくて……」

「瀬名と申します! よろしくお願いします!」


「ははは、元気がいいねぇ……ウチに来る子は、大抵思い詰めたような顔の子ばかりだからねぇ……新鮮だなぁ」

 目を細めて頷く神様。


「石丸くんから聞いてるとは思うけどね……、一応、私の口から説明させてもらうよ?」

「あ、はい、お願いします!」

 

 俺は姿勢を正した。

 神様は猫の背をぽんぽんと撫でるように叩き、お茶を一口飲んでから話し始めた。


「私の持っているポータルはね、3年に一度だけボスを倒すことに決めているんだよ」

「3年……ですか?」


「そう。なぜ3年かというと……それが限界だからだね」

「え……あの、どういうことですか?」


 神様の膝の上で、猫が大きく欠伸をした。

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[良い点] 秩父手前辺りに?神様が
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