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災難1




「おぉ…コンパスがもとに戻った。」


ユリウスが珍しく嬉しそうに微笑んだ。

奴が微笑むなんて、明日は雨か、それとも何か悪いことの前触れか…!?




やはり、思ってた通りだった。

しばらく歩いて行くと、コンパスは元の通りに、一定の場所を指し示すようになった。

フクロウじいさんの言った通り、あの近辺にはなにか特別なものがあるんだろう。

それが何なのかは、俺には見当もつかないが…




目標をみつけたユリウスは、俺達のことを振り向きもせず、一人でどんどん進んで行く…




「なぁ、ステファニー…」


「なんだ?」


「ところで、あんた…なんだって、あんなにカンが良いんだ?

それに、本当に度胸があるよな。びっくりしたよ。」


アランは、先日の呪われた城でのことを言ってるんだ。




「どうしてって…まぁ、生まれつきカンは良い方だったんだ。

度胸が良いかどうかはわからないけど…」


「そうか…あんたが男だったら、凄腕のトレジャー・ハンターになれたかもしれないぜ。

俺なんかとは違ってな。」


そんなことを言われて、俺は、曖昧に笑うしかなかった。




「あ……」


その時、俺の頭に不意にひらめくものがあった。




「アラン!今わかった!

あのスイッチ…」


「スイッチ…?」


アランは小さく首を傾げた。




「あぁ、貯蔵庫のそばの壁にあったあの出っ張りだ。

上のは、隠し扉を閉めるものだった…」


「そうだな。で、下のは押しても何も起こらなかった…」


「そう、そいつだ!

あのスイッチは、仕掛けを作動しなくするスイッチだったんだ、きっと…」


「仕掛けを…?

あぁ、そうか!

あの城の者が宝物庫に行く時のためのものだな!?」


「そういうこと…きっとそうに違いない。」


もやもやしてた謎が解けてすっとした。




「あんたは本当に頭が良いんだなぁ…」


「頭は良くない。

カンだよ、カン。」


「いや、あんたは相当な切れ者だ。」


アランは本心からそう言ってくれてるみたいだ。

なんだか、ちょっと照れくさい。




「遅いぞ!早く来い!」


アランとしゃべりながらちんたら歩いてたせいか、いつの間にかユリウスとはずいぶん距離が離れていた。

ユリウスが目を三角にして、大きな声で怒鳴る。

全くうるさいったらありゃしない。




「急ごうぜ!」


俺達は小走りでユリウスの後を追った。


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