フクロウじいさん23
「あ、す、すみません。実は、私達…」
「ん?おやおや、なかなかの別嬪さんじゃな。
こんな山ん中に、何の用じゃな?」
「実は、私達、フクロウを探してまして…」
「フクロウがほしいのかな?」
「いえ、そういうわけではないんです。
私達が探しているのは、ある特定のフクロウなんです。
その…実は…」
俺はまた例の作り話をした。
故郷の村の守り神であるフクロウを探してるって話だ。
「なるほど、そういうわけか。
だったら、うちのフクロウの中から、同じくらいの大きさの奴を持っていったらどうじゃな?
フクロウの見分けがつく者なんてそうはおらんじゃろ?」
フクロウじいさんのその言葉に、ユリウスが大きな咳払いをした。
「それが…この人には見分けがつくんです。
堅物ですし、何がなんでもうちの村の守り神であるフクロウでなくてはならないんです。
さっきも檻の中をのぞいて、ここにはいないと申しておりました。
探してるフクロウはこの近くにいたようなので、もしやここにいるんじゃないかと思ったのですが…」
「そうか…それは難儀な話じゃのう…
ん…そういえば…」
「……何か?」
「実はな…今朝、魔女がフクロウを買いに来てな。」
「えっ!?」
「一羽売ったんじゃが、なかなかに美しいフクロウじゃった。」
ユリウスは目を大きく見開き、俺をみつめていた。
きっと、それがアレクシスだ。
ユリウスもそのことに気付いたんだ。
だって、朝はコンパスは光ってた。
つまり、アレクシスは近くにいたってことだ。
だけど、さっき見た時には光が消えていた。
そうだ…間違いない。
アレクシスは魔女に買われてしまったんだ。
「そ、それで…そのフクロウは誰に売ったんですか!?」
「誰って…名前なんか聞いちゃ…
あぁ、そういえば、その魔女は、フクロウに向かって『このイザベラ様の使い魔になれるなんて、おまえは幸せ者だ』…なんて言うておったな。」
「イザベラさんですね?
それで、そのイザベラさんの家は?」
「そんなことはわしは知らん。
魔女はただフクロウを買いに来て、帰って行くだけじゃ。
名前も家も聞くことなどない。」
「馬鹿だな、おまえは。魔女の家などわからなくとも、アレクシスの行方は、コンパスを見ればわかるじゃないか。」
ユリウスが俺の耳元で囁いた。




