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Snowy owl~幸せを探して~  作者: 神在琉葵
魔女、再び
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魔女、再び10

「それにな…これは人間にはなかなか手に入れられるもんじゃない。」


「どういうことだ?」


「この宝石が入っていた宝箱には魔法の封印がされておってな。

どんなに腕利きの鍵開け職人だとしても、人間にはまず開けることができん。

しかも…この宝石には…い、いや、なんでもない。

と、とにかく、これは間違いなく価値のあるものだ。

あんたが言うプリンセス・ルビーかもしれん。

どうだ?これをやるから、それをわしにくれないか?」


まさか…これがプリンセス・ルビーのはずはない。

でも、あんまりふっかけて、魔女が怒り出しても困る。




「それじゃあ、この宝石と魔法の網をくれよ。」


「なんだと!この宝石の上に、魔法の網もほしいと言うのか!?」


「……そいつにはそれだけの価値があると思うが…」


俺が強気に出たせいか、魔女は俺の言い分に渋々了承した。




「じゃあ、これで交渉成立だな。」


俺は宝石を受け取り、なんだかよくわからない牙のようなものを魔女に手渡した。

魔女はうっとりした目で牙をみつめる。




「なぁ…それって何なんだ?」


「これはユニコーンの牙だ。」


「ユニコーン?」


ユニコーンって、確か頭の長い角のある馬のことだよな?

でも、あれは伝説上の生き物のはず…




「もう交換は済んだ。絶対に返さんからな!」


魔女は俺を睨み、牙を固く握り締めた。

どうやら、魔女にとっては相当価値のあるものらしい。




それに引き換え、俺のもらった宝石の価値はたいしたもんじゃないだろう。

だが、それでも路銀の足しにはなるだろう。

なにより、魔法の網が嬉しい。

アランにまた網を作ってもらおうかと思っていたところだが、魔法の網はそれよりも捕獲効果は高いはずだ。

なんたって、魔法の道具なんだから。

そうじゃなきゃ、この婆さんが機敏なフクロウを捕まえられるはずもない。




これさえあれば、今度こそアレクシスを捕まえることが出来る。

それに、アレクシスはここで数日足止めを食ったおかげで、ずいぶんと距離は縮まったはずだ。

捕まえるチャンスはうんと高くなったと言える。




(待ってろよ、エリーズ…

もう少ししたら帰るからな! )




俺は心の中で、そう呟いた。


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