魔女、再び1
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「アレクシスはやはり北を目指して飛んでいる…」
森の中でたき火をしながら、寛いでいる時…
ユリウスが、コンパスを見ながらそう言った。
「前から気になってたんだけど…
それは一体どういうものなんだ?
なぜ、アレクシスの行き先がわかるんだ?」
「実は…これは、魔女に作ってもらったもんなんだ。
普通のコンパスとは違って、アレクシスの行き先を教えてくれるんだ。」
「魔女に…?そんなことがあるもんか。
魔女は人間の頼みなんか聞くはずない。」
それは、エルフであるユリウスが精気を分け与えたから…
その理由は、言いたくても言えなかった。
別になにがなんでも秘密ってことはないが、どうせなら言わない方が良いだろう。
いや、言ったところでアランは信じないかもしれない。
「それが…その…
意外と良い魔女でな…
魔女がたまたま腹痛を起こした時に薬をやったら、それを感謝してくれて…」
俺はとっさにもっともらしい嘘を吐いた。
「魔女がそんなことくらいで、人間に魔法の道具を作ってくれるのか?」
「まぁ、魔女の中にも良い奴がいるってことじゃないか?
実際に、ほら、こうして作ってもらってるんだから…」
俺がそう言っても、アランは納得がいかないかのように、ひとりでぶつぶつ言っていた。
確かに、魔女に道具を作ってもらったなんて話は俺も聞いたことがない。
だが、それはユリウスがいたせいだ。
俺だけだったら、きっと作ってもらえなかった。
だから、アランがなかなか信じてくれないのも仕方のないことだ。
「そういえば、あんた、これからどうするんだ?」
「どうって…そりゃあ、あんたと一緒に行くに決まってるだろ。」
「え?惑わしの森はもう抜けたのに…か?
私たちは、これからもアレクシスを追いかけて行く…のよ。」
「わかってるよ。
俺も微力ながら、協力する。
頑張って、早くアレクシスを捕まえようぜ!
そして、アレクシスが捕まったら……俺と結婚してくれ!」
「えっ!?」
ふと見ると、ユリウスは肩を揺らして笑いを堪えている。
「ステファニー…俺は本気だ!」
アランは熱い眼差しで俺をみつめる。
「ステファニー…良かったじゃないか。
おまえみたいなじゃじゃ馬を気に入ってくれる者なんて、滅多にいないぞ。
私は大賛成だ!」
ユリウスはとても機嫌の良さそうな顔をして、そんなことを言う。
(ユリウスの奴……)
俺は拳を握り締め、奴への怒りを必死に堪えた。




