惑わしの森23
*
「まだなのか?」
「もういいかげん下についても良い頃だと思うんだが…」
「間違いないのか?」
「あんただってわかるだろ?
俺…じゃない、私たちはずっと下に向かって歩いてきた。
だとしたら、絶対に地上は近いはずだ!」
洞窟の中で、俺達は二度程眠った。
松明も水も底を尽きかけた頃…
ユリウスのせいで、俺はまた苛々した気分にさせられた。
「まぁまぁ、喧嘩すんなって。
ユリウス…多分、ステファニーの言う通りだ。
俺達はきっと地上に近付いて……」
アランの言葉が不意に途絶えた意味を、俺はすぐに理解した。
風だ…俺はどこからかそよぐ風を感じた。
「こっちだ……!」
思わず俺は風の吹く方へ走り出した。
そこにはぽっかりと大きな口が開いていた。
俺達は、ついに地上に降りたんだ!
だが、その喜びも束の間…
茂みを抜けるとそこにはまた深い森がひろがっていた。
結局、惑わしの森からは出られないのか…
気分が深く沈んでいくのを俺は感じた。
しかし、そうではなかった。
進んで行くにつれ、木々はだんだんまばらになり、空には半分の月と星明かりが見えたんだ。
「森を抜けたんだ…」
「森を…?本当に出られたのか?あの森を…」
「あぁ、そうだ。間違いない!」
アランは奇声を上げ、俺の身体を抱き締めた。
俺も同じようにアランの身体を抱き締め、俺達は飛び回って喜んだ。
ユリウスだけが冷静な顔をして突っ立っていたが、奴も内心ではきっと喜んでいるはずだ。




