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大魔導士となったおっさんの、禁魔術研究備忘録。

作者:平木明日香
最新エピソード掲載日:2026/04/11


王侯貴族すら膝を折る大魔導士――
その名を、カオル・ブルーフィールドという。

魔導大国ルクセンブルクにおいて、彼はすでに伝説だった。
禁書を解読し、失われた術式を再現し、魂すら観測する異端の魔導士。
誰もがその力を恐れ、同時に求めていた。

だが――
彼が魔導を極めた理由を知る者は、誰もいない。

それは、たった一人の少女のためだった。

かつて彼には、愛した恋人がいた。
初恋であり、すべてだった少女――

だが彼女は、死んだ。

いや、正確には――
彼女が、彼を生かした。

死の狭間で出会った“神”アルティミシア。
そこでは、どちらか一方しか生き返れないという残酷な選択が与えられた。
そして彼女は迷うことなく自らを犠牲にし、カオルを生かしたのだ。

二度と会えないことを知りながら。

それから二十年。
カオルはこの異世界で、すべてを手に入れた。

力も、名声も、地位も。
だが――彼女だけが、いない。

「この世界の魔導は、“存在”に干渉できる」

師の言葉を信じ、彼は研究を続けた。
記憶、魂、座標――すべてを辿る術を求めて。

禁書を読み漁り、古代遺跡を巡り、魔王すら踏み越え、
ついには世界の根幹に触れる記録へと辿り着く。

――魂は循環している。
――神は“選択”を管理している。
――そしてその中心にいるのが、“アルティミシア”。

ならば。

奪われた選択は、取り戻せるのではないか?

たとえそれが、
世界の均衡を崩し、神に牙を剥く行為だとしても。

「――必ず、見つけ出す」

これは、最強の大魔導士となった男が、
神に奪われた愛を取り戻すために、世界の理そのものへ挑む物語。

その研究は、やがて禁忌へと至る。

――すべては、もう一度、彼女に会うために。

前書き
大陸史総論
2026/04/11 13:29
七王大系
2026/04/11 13:31
第1章 キミのいる場所へ
プロローグ
2026/04/11 12:22
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