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異世界で時代劇やってます  作者: ぽぷねこ
18/43

9-1

 ♢♢♢9-1

 アラガタ領に無事到着。いや、若干1名ゾンビ化しているのがいるな。

 イケさんカガミちゃんとはここでお別れだ。

 ジェットキも約束だから一様お礼言っとこう。

 ジェットキが頭を指し「これ?」と、聞いてきたから

「プレゼントだ、いらなきゃ捨てていいよ」と、言うと、にやっと笑って、隷属のリングをポイっと捨てた。

 あれって、勝手にはずせたっけ?みんなが唖然とした顔で見ていた。

「いつから気がついていたんだい?」

「はじめからだ」

「へー」と、僕の顔を見る。

「石が当たっただけで、都合良く近くに落ちるわけ無いだろう。それに、僕たちが来るまでの時間測っていただろう」

「君ってやっぱ面白いな」どうして時間測ってると思った。

「あのなあ、普通怒っていたら、そちらから出向いてくるのじゃないか。ノーダメージでそこにじっとしてたということは、こちらが来るのを待っていたと考えるのが自然じゃないの」

「うん、いいね」ジェットキがキラキラした目でこちらを見た。

「で、これからどうするんだい」興味津々で聞いてきた。

「カースグランドへ行く」

 それを聞いたビリーとナミ以外のみんなは、複雑な表情でこちらを見た。

「やっぱ面白いや、俺もついて行っていいか?」

「拒む理由は無いな。便利だしね」僕がにやついた顔をジェットキに向ける。

「理由でもあるの」と、ジェットキが尋ねた。

 僕は遥か先を眺めながら「ああ、ちょっとした旧友にね……」そのあとは自分の心に語りかけた。

 ーー帰って来た、帰って来たぞ。もうすぐだ、もうすぐだ……、みんな、あと少し待っていてくれ……。


 僕のところへカガミちゃんがテクテク歩いて来た。白い髪に青と緑の瞳が映えてとても可愛い。あと4、5年経てば凄い美人になるだろうな、と見ていたら「ロリコン」と、カクさん一言。お前が言うなその格好で。今度はイケさんが、胸をユッサユッサ揺らしながらかけて来た。

「この変態」だからお前言うな、自分の服装よく見てみろ、白装束に天冠の格好だぞ、声には出さないが……。

 カガミちゃんとイケさんがぺこりとお辞儀して、別れの挨拶をした。僕も返すと、イケさんはオギンさんのところへ行ってから、もう一度みんなに挨拶をして、カガミちゃんと一緒に去って行った。

 僕が一言「約束、忘れるなよ」と、叫ぶと、イケさんが振り向きぺこりとお辞儀した。

 タイポイが「約束って、なんだい?」と、見下ろしてくる。

「それは、後のお楽しみ」と、僕は見上げた。

「それじゃ、行きますか」僕はみんなに言って、反対方向へ歩き出した。


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