ロベルトの足跡
なんか妙に人気が出てきていて、すぐに切り上げて最終決戦書いているのにまだまだ続けたくなってきた現金な作者です。
一時間ごとにPV平均30って初めて見ました。あとブックマークも付きやすくなっててありがたい限りです。
しかし、この先の構成考えていないので完結させる可能性が大です。
後書き直しもして適当に書いた部分とか治したいです。流石にそのままだと失礼だと思うので。
物語の半分くらい人気でないだろうって思って練習ついでに書いたところがあるので……。
旧市街地の中心にある大きな公園、その枯れた噴水にハイドラは腰かけていた。シヅキ達が姿を現しても腰をあげようとせず、だんまりと座り込んでいた。その目はぼんやりと空を眺めていた。
「……私がお前と会ったとき、お前は今までの代行者とは違うと思った。お前ならば人にあり方を示せるのではないかと」
「……どういう、ことだ?」
「お前は私のするべきことを代行する役目を背負っている。するべきこととは人に道具の正しい作り方と使い方を導く役目だが、お前では約不足、やはり人間などその程度だったのだろう」
ハイドラは腰を上げて立ち上がった。視線の先にいるシヅキを憂鬱そうに見つめながら、彼は聞いてもいないのにまるで水が桶からあふれるように話し始めた。今までため込んでいた気持ちが溢れているのだとシヅキは感じた。
「私とて、元は人の子だ。生まれた場所も育った故郷も覚えてはいない。ハイドラという名前も、元の名を捨てた後に付けた名ではあるが、しっかりと親からもらった名を確かに持っていた。そんな人間ごときで2つの世界の行く末をどうにかできたなどと、傲慢にもつけあがってはいない……」
「2つの世界の行く末だと?」
「そうだ。世界は自分の作った秩序の愚かさと、道具の間違った使用によって滅びた。2度もだ。この世界は、第三の世界ということになる」
「人間が2度も自分で自滅したのと、俺が代行者であることに何の関係があるんだ?」
シヅキは話の内容をいまいち把握できていなかった。ハイドラの言う言葉は支離滅裂のように感じるのだ。
「その、消えた世界にも代行者はいた。本来であれば世界に祝福をもたらす知恵と能力を持つ彼らは、あろうことかその力を濫用し、結果として世界を破滅させた。そして私はその2度目の滅びの時にある誓いを立てた。それは、3人目の代行者に見込みがなければ私自らが引導を渡し、世界をあるべき姿に再構築するというものだ。私はそれを4度目の世界を迎えることのない理想の世界、『箱庭の従僕』と呼んでいる」
ハイドラを包み込むように光の円が輝き始めた。その冷たく美しい光にエステルは後ずさった。心のどこかがそれを否定しているのだ。
「私は、お前という代行者を、この第三世界の象徴を倒す。そして、その果てに今度こそ人が永遠を生きる箱庭を作る」
「箱庭の従僕、詰まる所奴隷小屋か。人を飼育して飼い殺そうってか。……そうなるんなら、もう一度滅びた方がいいね」
ロベルトはそう言うと剣を引き抜いた。しかし、先ほどまでの余裕が見えなかった。ロベルトは額に汗を浮かべており、足はやや震えていた。
そして、ロベルトが剣を抜くと同時にリリアも持てる力を解放した。
「私は人間になりたい。それは今でも、お前がどんな話をしようと変わらない。だからお前は打倒しなければならない」
「鬼の子か。随分と人間に入れ込むんだな。理解に苦しむ」
「お前の方が、よっぽど理解に苦しむ。なぜ人間をやめられる。どうしてそんなに絶望できる」
リリアはいつにない取り乱した様子でハイドラに食って掛かった。
目を伏せ、リリアの叫びを聞いていたハイドラはリリアが気持ちをぶちまけ終わるとゆっくりと目を開け始めた。そして、冷たい氷のような瞳で彼女を射抜いた。
「お前の見ている理想の形と、私の知っている人間の現実は違うというだけだ。夢見がちなお嬢様」
「……そうか、なんにせよ、話し合いではどうにもならないということか」
「然り。なればこそ、お前たちは私に力を示す必要がある。強いものが言うことが正解で、それ以外はすべて間違いだ」
リリアは間髪を容れずに殴りかかった。今まで見た来たどんな姿よりもその姿は荒々しかった。彼女の生涯を通してもここまで存在そのものを否定されたのは、彼女にとっては初めての事だった。
そして、それを皮切りにエステルも剣を引き抜き、ロベルトも大きく構えを取った。
「シヅキ、エステル。お前たちは下がっていろ。俺たちが先行する」
「ロベルト! 一緒に戦おう」
「ダメだ。お前にはあいつに勝ってもらう。そのためには情報が足りない」
シヅキはその言葉で悟った。ロベルトは自分が勝てないことを知っている。だからこそ、シヅキに勝つための情報を渡そうとしているのだ。ロベルトはシヅキが勝つため、そしてリースが勝つための捨て駒となる気なのだ。
「気にするな。俺は誰かのために戦い、果てるのならば本望だ。それが、大切な従業員のためならばな。だから、お前たちは手を出すな。俺の気持ちを無駄にしたくないなら、死ぬ気で見守れ」
ロベルトはそう言ってシヅキとエステルの頭に手を置いた。そして、不安そうな二人に笑いかけるとハイドラに向かっていった。
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「……人が、お前たちのような者ばかりならばいいのにな」
「ハイドラ、随分と俺達を買ってくれるんだな。創造神の評価に預かれて恐悦至極だ」
「やめろ。その名でよぶな。人間にも神にもなれなかった、そんな半端者の私など何でもない抜け殻だ」
ロベルトは剣を振り上げた。旧市街地で人形兵を壊滅させた光の剣、リヒト・クローネの体勢であった。
しかし、その姿を見てハイドラはただ悲しそうにロベルトを憐れんだ。
「お前の剣は強く気高いが、無意味の象徴ともいえるな。そんなことも分からないから、お前は……一度は剣を捨てることになったのだぞ」
「黙れ」
「恋人すら守れないその無力で無意味な正義の剣の使い手よ。お前が行ってきたことが無駄でないと証明出来るのならば、その剣は私に届くかもしれないな」
ロベルトの表情は固まった。
守りたいものがいたのに、結局何もできずに無駄に力だけが強くなっていった。強くなってもなっても両手から大切なものが零れ落ちていく。
……だとすれば、強いだけの力に何の意味があるというのか。
「今度こそは、今度こそは繋げるんだ……! 俺の意地は、行いは、犠牲は、決して無駄ではないんだ……。シヅキに俺はあいつに繋げる」
ロベルトの剣が放つ光が増していく。勝てないのは分かっている。自分の力が大きいだけで、無意味なことも身に染みている。だが、だからと言って引くわけにはいかない。ここで多くの情報をシヅキにもたらす、それこそが自分の役目なのだから。
ロベルトは過去最高までに高まった力を一気に解き放った。
灰色の旧市街地を正義の閃光が照らしつくした。
上位の人たちから見ればまだまだ稚拙さ目立つところは多々ありますが、成長率が高いのだと自分に言い聞かせてこれからもこつこつ書いて行きたいです。




