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来々軒繁盛記 ~ 寒くなったねぇ。ここで、熱いラーメンを一杯、食べていきなヨ  作者: 白河夜舟
第6章 抱きしめる彼女、来々軒を語る親父、譲れないラーメン

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26 いえ、言わせて貰いますよ。断固として

 メニューにラーメンしか置いていない、潔いお店、ありますよ。

 いろんな事情があるし、店主のこだわりもあると思います。


 豚骨がないのは鳴人君の言い過ぎで、メインスープが牛骨ベースなんですから、トンコツは合わないでしょ。いや、人それぞれの意見ですからね。

 いえ、白河作品は、登場人物に正しい事しか言わせない、なんて事はしません。

 ソイツがそう思った、そう言った、をそのまま書くだけですから。

 人間って、そういうもんでしょ?

『元々、来々軒はメニューにラーメンしか置いていないですよね。

 それは、今も変わらない。全然、変わってない。多分、変える気はないんでしょうね。

 第一、メニューといっても、「醤油」「味噌」「塩」だけだし、最近の流行りの「トンコツ」がない。

 いや、まあ、それは、その店その店の流儀だから、やむを得ない面があるのは判る。判るんですよ。来々軒のやり方があっても、いいとは思うんです。

 ええ、思う、思うんです。思うんですけど…

 それでも、それでもですよ。ラーメン屋のグレードアップ型のメニューである「チャーシュー麺」とか「スタミナラーメン」が無いのはイタイ。あまりにも、イタイ。

 商売の上手なラーメン屋なら、例えば「来々軒スペシャル」を造って、店のおすすめと称して高い金を取るもんじゃないですか。それが、店の品格、風格というものだし、食べるお客さんだって店のステータスシンボルを食べてるっている満足感を得られるってもんです。違いますか?!

 それに「各種トッピング」がないっていうのも、かなり変だ。変にも程があるってもんだ!

 大体、材料費しかかからないのに儲けが大きい、この定番物を取り入れないのは勿体なさすぎで、商売が下手だと触れ回ってるようなもんです。

 いや、商売抜きにして考えても、お客に「自分好み」を選ばせる事ができるのは、ラーメン屋としての立派なサービスです。それで、お客の定着率が高まり、飽きさせない工夫として立派に通用するし、そうするべきなんですっ!

 そしてもう一つ言わせて下さい、いえ、言わせて貰いますよ。断固として。

 サイドメニュー。なんでこんなに貧相なんですか!

 別に、定食屋みたいな事をしろって言ってんじゃない。ギョーザ、それにチャーハンを、なんで作ってないのか、俺は声を大にして言いたい。断固として!

 例えば、ラーメン専門を名乗るにしても、ご飯とギョーザを加えて「ラーメン定食」。これを楽しみに来てくれるお客さんだって大勢いる。いや、いるんですよ!

 例えば、半ラーメンにして「チャーハン定食」。ラーメンばかりじゃない、口直しにご飯を食べたいというお客に、「うちは作ってないから」なんて言えない、俺なら言えないですっ!

 これは既存の定食屋とも競合しない、ラーメン屋だからこそ、いや、ラーメン屋だからこそ出さなければならないメニューなんですっ!

 確かに、今までのラーメン専門店は、こういう「ご飯物」「定食物」を極端に嫌っています。でも、俺は、この2品に関しては、ラーメン屋の領域として出すべきだと思ってます。美味いと言われるラーメンの味を100%生かすメニューとして。

 もちろん、それなりの手間暇は掛かります、掛かりますが…』


 はっ、と、気付いた。

 いつの間にか、俺は立ち上がっていて、しかも仁王立ちで。

 拳を振り上げ、大きな声で。

 日本帝国軍の勅令演説でもぶち上げているかのように、語りまくっていたのである。

 それも、れんげちゃんと、親父の前で。

 …また、やってしまったらしい。

 俺は、極端な人見知りで。

 本当に、極端な人見知りで。

 でも、自分を受け入れてくれる人たちの中では、自己主張が強くて。

 こうしたい、こうありたい、こうでなければ、こうすべきだ…

 こうでしょう? こうじゃないと? こうしなきゃ? こうするんだ…

 自分の我を、通そうとて。

 そして、全てを否定されて。

 全てを、否定されて…

 ご飯もの、定食もの問題。

 当時のラーメン事情に比べて、今は多様化されてますからね。

 個人的には、マズいラーメンを出すなら、せめてその辺は充実させてくれよと思います。

 旨いラーメンに、そういう余計なモンは、イラナイ。


 よく言った白河君!君もバイトに…

 よせ親父、なにを酔っぱらってるんだ、俺は作者だぞ。

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