やるっきゃないったら、やるっきゃないーー覚悟を決めて、やってやる
昨日は更新できずすみませんでした…
このお休み中は更新できない日が増える可能性があります。予めご理解いただけますと幸いです
更新できない日の分は後々あげさせていただきます
これからも、どうぞよろしくお願いします
「…ちっ、まだ寝てるな。薬が多かったのか?」
「そんなに増やした覚えはねーぞ、身体が小せぇからじゃねーのか?」
「たく…これだからガキは……」
よしよしよしよし、寝たふりはまだバレてないな。ここでバレても作戦も何も考えてないのでどうかそのまま引き返してください
「なあ、コイツ叩き起こしちゃだめなのかよ?」
おい、やめろよ不穏なことを言うのは!子供なんだから起きるまでそっとしておいてあげてよ!
心の中でツッコむ
「まだ放っておけ。じきに目が覚めるだろう。変に起こして泣き喚かれる方が面倒だ。目覚めてから話し合わせて情報を吐かせる方が早い」
多分ボスっぽいやつがそう話す。子供のことをわかっているのかいないのか…パニックを起こさせる方が面倒だと考えるあたり身近に私くらいの子供がいそうなものだけど
バタンっという音共に男たちの声はまた聞こえなくなる。そのあとがちゃっと鍵の閉める音もちゃんとした。いっそ閉め忘れてくれればよかったのに
うっすら目を開けて扉が閉まっていることを確認してから身体を起こす
あの様子だと目が覚めるのを確認するために近いうちにまたこっちの部屋にきそうだな
男たちが次に来る時までになんとか策を立てないといけない。いつまでも眠り続ける訳にはいかない。なにより、そうなると痺れを切らせた男達に何をされるかわかったものではない。痛い目に会うのはごめんである
部屋の中を再度見て回る
使えそうなものを引っ張り出して床に並べていってみる
中身の無くなった酒瓶、ボロボロのロープに空になった木箱、謎の白い粉末に農業用のクワとハンカチ
持ってこれるものを並べてみたけれど、正直使えないと思ってしまう。いっそ、拳銃でも隠してくれればなんとかなった気がする。もしくは、魔法を使える年まで待っててもらえれば…いや、誘拐なんて何歳だろうがされたくないのでダメだな
私が今すべきことはこの場から逃げ切ること。それが無理でもここのことを誰かに知らせることだ。何より大切なのは命だけど、ここは主人公補正ならぬ悪役補正があると信じて行動する他あるまい
私がルーナでいることを根拠に、頑張るしかない
ヴェント、頼むからさっさとお父様達にこのことを伝えに行っててね。そして、はやく見つけてもらってね
並べて置いたガラクタを一つ一つ手に取っていく。5歳の手にはどれもこれも大きいというか…身体がもう少し大きければクワを武器にできたと思うけど、残念なことに今の私ではズルズル引きずって動かすのが限界だ
酒瓶は辛うじて持ち歩けるものの、武器としてはイマイチ。これを投げるとかそういうことは出来なさそうだ。振り回せそうだけど、体力の消費が激しそう
ロープは所々ほつれていてしっかり何かを結ぶというのは難しそうだな。人を縛り付けるとかそういうのは無理だろう
木箱は私なら隠れることができる大きさではあるけど、隠れたところで扉が一つなのだから速攻見つかる自信がある
この粉は…小麦粉、かな?物置と一口に言ってもこんなものまで置いているのをみると食糧庫でもあるのかな?他に食べ物はないみたいだけど
持っていたハンカチは代わり映えのしない、質はいいけどタネも仕掛けもない…普通のハンカチだ。ちょっとサイズは大きいけど、振ったら硬くなってブーメランになるとかでもないし、使えないことに変わりはない
ああ、こういう時に使うのかな、絶体絶命って言葉は
私が主人公からヒーローがすぐに助けに来てくれるのだろうけど、ストーリーも始まってない現段階でそんなことは言えないし、私の立場からもそんな希望は抱かない
悪役令嬢なのだ、私は。だからこそ、ここで簡単にやられる訳にはいかない
ただ、ここには青いタヌキの秘密道具も見た目が小学生な探偵の秘密の発明品もない。あるのはガラクタ、そして私自身、それだけなのだ
外の状況を見るために扉に近づきまた穴を覗き込む
私の目が覚める間に暇をつぶすためなのかカードゲームを始めている様子だ。そんなことができるくらい私が見つからないことに自信があるのだろうか?
それとも今いるこの小屋自体が見つけにくいところにあるとか?
男たちがいる部屋に何か手掛かりでもないだろうかと見える範囲で目を凝らしてみる
!!
良いものが見つかった。アレを使えば、本当に上手くいけば、上手くいけばだけど、失敗する可能性も高いけど、それでも、このままここに居るよりは助かる可能性がある
一か八かの賭けだ
私にアレを使うことができるか、そもそも、あれが私が思う通りに使うことが出来るのかという疑問が浮かぶが、やるっきゃない
私にはまだ、力がない
ルーナ・ナハトヒンメルンは超絶美少女の天才悪役令嬢だ。将来的にはとても優秀になることが確約されているような人間である
そんな人間の身体なのだ。きっと運気もいいことだろう
大丈夫、私なら出来る
やってやるのだ
私は私として、この場を切り抜けてみせる
そうと決まれば、作戦を実行する為に準備をしないといけない
私は床に並べたガラクタの元へと急ぐ
全ては、ここから逃げ出すために




