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衝撃の事実、青ざめる人々、まさかの結末①

昨日は投稿できずすみません…

昨日の分を含めて二話連続投稿です!



「なに?」


お爺様が怪訝そうに顔を歪める


「ああ、そちらの侍女の方も違います」


クラウスはなんでもないかのような軽い口調でエミリーに目線を向けると彼女も犯人ではないと追加した


いや、そんなことよりも全員なの!?容疑者みんな犯人でしたって…そんな推理あんまりじゃない!?なかなか聞かない展開なんだけど!!

話の内容からツッコミどころ満載じゃないか


ほら、見てみなよ。お父様達も含めてみんな“どういうことだ?”って顔してるよ…私も同じ気持ちだよ

衝撃的な告白のせいで話についていけない私たち。最初に頭の中を整理できたのは


「詳しく説明してもらえるかい?」


お父様でした。流石ですね

お父様の発言を皮切りに他の人たちも方々に声をあげ始めました


「そ、そうだ!我々が犯人とは、よくそんな嘘が言えるものだ」


「そうよ!ナハトヒンメルン家の人間によくそんなことが言えましたね!」


「わ、私は何もしておりません!!本当です!!」


「私もです。決してそのようなことは…」


順に叔父様、叔母様、料理長、執事の発言。犯人だと言われた人間からすれば、そりゃ黙ってられないよね。うんうん。みんな自分の無罪を訴えてる


叔父様達は爵位はないけど公爵家の血族、簡単に言えば分家だ。立派な血のおかげでというか、そう易々と犯罪者扱いしてはいけない人。だからこそ、言っちゃ悪いが使用人である料理長や執事のことはさておき、この2人を疑うことはもちろん、犯人にするだなんて確たる自信でもなければ出来ないことだ


「はい、今から順に説明していきましょう」


焦りの顔を浮かべる叔父様達4人、厳しい顔つきのお爺様とお父様、不安そうな顔のお母様とエミリー、そしてどうなるんだろうかとハラハラしている私

仮にクラウスが犯人だと立証できなかった場合、罪に問われるのはクラウスだ。そうなれば、原作とは話がコロリと変わってしまう(現段階でもずれてきてるのに!)

かと言って、原作に出てくるエピソードならまだしも私には今回の事件に関する知識はない。クラウスには申し訳ないけど、黙って見守ることしかできないのだ


「まず、問題点の整理から。一つ、ルーナ嬢は3日前の夕食の時に倒れられました。このことから彼女が毒を盛られたのはこの時だと思われますね」


当時の状況を知る人間が頷く。うん、私にも確かにその記憶はある。夕食のデザートを食べている最中に倒れたはずだ。そして、それ以降()()()の記憶はない


「ここでの問題は彼女の食事のどれに毒が盛られていたのかです。彼女が倒れた後に確認はされましたよね?」


「当然だ。だが、何も出てきてない」


お父様が答える。なお、この世界に前世でいう科学捜査のようなものは存在しない。が、しかし、魔法世界である。毒物が混入していないか確認する魔法は存在する。ゲームでもその魔法が使われてルーナが主人公を毒殺しようとするのがバレる、というありがちなシーンがある


「誰が毒を盛ったにせよ、どのようにしてルーナ嬢にだけ毒を盛ったのか、その方法とは?これが今回の事件での一番の謎です」


クラウスの舌はよく動く。推理アニメを見ている気分になる。他の人たちも口出しできないようで黙ってクラウスの話を聞いているようだ


「ここで思い出してほしいのは本当に毒を盛られたのが()()()()()()()()()です」


!!

確かに、言われてみればそうだ。倒れたのが夕食の時だからと言って毒を盛られたのが必ずしもその時だとは限らない。それこそ、毎日毒を少量ずつ摂らせたり、遅延性の毒物を使えば倒れるまでの時間差を作れる!

くっそ!なんでそのことが思い浮かばなかったんだ!中世の毒=即効性、なんてよくわからない固定概念が頭の中で出来上がっていた。そうだ、この世界は魔法と恋のファンタジー世界。この世界にしかないことは多くある


それこそ、食べ物や植物、そして魔法!何度も何度も魔法やら魔力のことを考えていたというのに、初歩的な考えが抜けていた。私の知らないことがこの世界にはある。その方法を使われたら、私にはわからない


お父様やお爺様は私と同じでその考え方が抜けていたようだ、2人とも口元に手を当てて言葉を飲み込んだ


「ルーナ嬢、当日貴女だけが口にしたものはわかりますか?」


こつり、私へと歩みを寄せたクラウスが未だに抱き上げられている私を見上げながら問いかけてきた


「えっと…」


思い出してみようとするものの、その時の私はルーナではない。記憶としてあるだけで体感はしていないのでハッキリとは思い返さない。ただ、ウンウンと悩めば多少ははっきりしてくることもあるわけで


「あの日、おばさまから…“アンニー”という、おかしをもらいました…あと、おじさまからはジュースを…」


言われてみれば、叔父様夫婦からお土産をもらっていたのだ。誕生日の前祝いだと言われて2人になった時にそれぞれに渡された、そしてその場で口にした

その時には問題はなく、ルーナも美味しいと口にしていたわけだが…


「待ってちょうだい!確かにお菓子は渡したわ!けど、毒なんて入れていないわ!」


「そうだぞ!ジュースも普通の、王都で手に入れたものだ。おかしなものなど入っているものか!」


私の発言を得て、叔父様たちは慌てて否定の言葉を繰り返す。2人の言い分もわかる。私から見ても2人の言うことに間違いはないように思ってしまうのだ


「まずはジュースからいきましょうか。そのジュース、何のジュースかわかりますか?」


「…確か、ユフィリーヤの実とミルクを使っていたものだ。最近王都で話題になり始めていたものを買ってきた」


ユフィリーヤ、というのは私の記憶にはない。この世界特有の果物なのだろう。貰ったのは瓶に入ったもので、見た目はイチゴミルクだった。味は覚えていないと言うか記憶にはないが、ルーナの口にあったようで結構な量を飲んだような気がする


「そのジュース、注意事項はありませんでしたか?」


「…いや、覚えがない」


「そのジュース、別名“増幅ジュース”と呼ばれるもので魔力の安定しない子供には多く与えてはいけないのです」


「そんな!聞いていないぞ!」


叔父様の顔が青ざめてきた。クラウスの説明する内容を知らなかったのだろう。だから、私にお土産としてジュースを買ってきて、欲しがるままあげた

魔力に作用するジュース、本当なら確かに問題になる

何故なら、魔力が安定するのはまだまだ先のこと、それは身体と一緒で魔力も成長するからだ。だから、子供のうちは魔力は不安定な状態になる。それは、魔力が強ければ強いだけ安定させることは難しくなる。クラウスはわかりやすい例だ


「知らなかったのなら仕方はありません。ですが、ルーナ嬢の魔力がそれによる影響を受けたことは間違いないでしょう」


そう締め括ったクラウス。悪意はなかったにしても自分の良かれと思って買ってきた飲み物のせいで姪が死にかけたという事実に叔父様は何も言えなくなっていた



「次はアンニーについて、ですね」




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