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ダンジョン辺境伯爵と公爵令嬢  作者: もやい
第二章
53/97

第八話中の下 身代わりバター

中の下……すみませ~ん

【潰れた公衆浴場を買収したオンドレア】


「はーい皆様のお蔭で、じゃじゃ~ん! 一度は潰れた公衆浴場! ばば~ん! 豪華になって再とうじょ~う! みんな水着は着てきたかな~? それでは会長の一言!」


(──え!?)


「……え、あ~……ゆっくり温まろう……」


「──は~い! それではかいき~ん!」


『『『ウェーイ!』』』


 ふふふ! 大盛況だわ! グッズ販売も好調! 商売繁盛! 適当に嘘ついて想一郎様の下着とか競売にかけたらお父様に頼らなくても余裕で公衆浴場位買収できたわ! さすが私ね! 私最強! て、


 ──そうじゃな~い!


 バカバカバカ! なんで想一郎様のファンがこんなにいるのよっ! ざっと数えただけで数百人はいるじゃないの! 私だけの想一郎様なのにっ!


(うわっ……プフフ。なんかすごい事になってる……)


『は~い! 会長! 報告がありま~す!』


「ん? どうした親衛隊長」


 ま、いいわ! 親衛隊も出来たことですし、当初の計画通り進めるわよ!

 

『この人、内々にお城に就職して、個人的に想一郎様に接触を試みようとしてました!』


『『『──あらあらぁ~!?』』』


 ──どよどよ。


『そんな! ち、違います! 決してお傍について、あれやこれやお世話し放題なんてっ!』


『あ~まだ何も言ってないんですけどぉ~?』


『──あっ!』


『『『まぁ! どういう事ですの!? 一人で抜け駆けですの!?』』』


 ──どよどよ。


(あらあら。プフフ……いい感じに“どよどよ”してますねー……)


 ──ふふふ。よしこれでまた雑魚ビッチ一人排除ね! オ~ホッホッホ!


『これは明らかに違反! 会長! この禁忌違反者をどういたしますか?』


「あ~この場合は──」


「──粛清よっ! そんな貴方には地下でひたすら火に薪をくべる罰を与えるわ!」


『そ、そんなっ! どうか! どうかお慈悲を!』


「だめよ! さぁ親衛隊! 連れて行きなさい!」


『『『──ハッ!』』』


『いや~っ!』


『『『当然の報いですわ!』』』


 ──どよどよ。


(プフフ。あ~なるほど。地下の労働者はそうやって……)

(謎である……ドワーフのルーン技術を使えば労働者は最小限で済むはずなのだが……)

(あ! この小言……なるほどロスタは会長やらされてたのか……プフフ!)

(あれはエリザベス!? さ、寂しかっ……いや! 何故ここに!? 謎である!)

(ん? プフフ)


 オ~ホッホッホ! ざまぁ~ですわ! まぁ地味ですけど、確実に雑魚ビッチを魚市場に卸していきますわよ!


「親衛隊長! ナイス密告でしたわ! 彼女の持っていたグッズは貴方に差し上げると会長が仰っていますわ!」

(え!? 私は何も……謎である!)


『──有難き幸せ!』


『『『まぁ! 羨ましいですわ!』』』

(((私も親衛隊に入ろうかしら?)))


「──は~い皆様! それでは気を取り直して、()()()()を満喫して行って下さいね~!」


『『『ウェーイ!』』』


(天然温泉っておいおい……プフフ)

(ふっふっふ……よしよし確実に公爵様への手見上げが増えていく……)

(ん? この人、どこかで……()()()()()()……)

(そしていずれ確実にこの組織をぶち壊してやるっ!)

(あれ? もしかして……)


>「えいっ!」

> ──ドスッ!

>「アアアァァァァァァ──ッ!」

>「落ちていった。謎である」

>(プフフ)


(──あっ! センアハトゥ!)



【帝国と共同戦線を築く事になった想一郎たちの鳩羽鼠のナウスス】


 ん~たまにはワシの出番でもよかろうなのじゃ。



【と思ったが、姫園一生大佐で行こう】


 お~私であるか。


「キーッ!」


「ナウスス様。如何がなされましたか?」


「何でもないのじゃ!」


 ふうん……で、ありまするか……。


 ──兎も角、我らはよもや帝国と共同戦線にて候。


 盾を持つのは基本左手にて、弱点は右手となる事から右翼は精鋭と相場が決まっておりまする。帝国は、中央と右翼を担って、我ら紅森山軍は不名誉の左翼にてござる。


 (それがし)はトホホな締出侍の居候侍であるからして、むしろ買って出る所。しかし、お館様である想一郎様が、かような扱いなのは納得いかないのでありまする。


『姫。これで良いのでござりまするか?』


 だが


「よい。想一郎様はむしろ安堵なさっているご様子」


 帝国がメインを張って出る所を計りますれば、恐らくこの地の占拠が目的。いや、奪還と言った所であろう。と、言うのも、呪われし荒野は元を手繰れば帝国領ゴース王国なのでありまする。


 帝国の北東には“大呪われし荒野”があり、そこからオーク共は西進。ゴース王国を滅ぼし、炎帝山脈を迂回。何故か南下してダンジョン辺境伯領を目指して来るのでござる。


 何を言いたいかと言うと、呪われし荒野は細長いのでござる。そして帝国が細長い呪われし荒野の前哨であるこの地を占拠すれば、


 ──ここから東は帝国が()()()()()()()()になるのでござりまする。


 これがもし領土欲の強いネイ公爵であれば憤慨であっただろう。では何故に想一郎様は安堵なされるのか。答えは簡単にて候。


 ──オークの面倒事を帝国に擦り付ける事が出来るが故で、ござりまする。


 想一郎様に領土欲は皆無でござったのだ。


 かくして、敵共はまたしてもダミーを使って隠れている模様。お館様は皇帝陛下に進言し、こちらもダミーとしてナウスス様の落雷一発。うっかり顔を出したゴブリンは、すぐに頭を引っ込めるが……。それを見て尻尾を出したとソフィア殿は微笑した。


 彼女はそこを包囲して地下壕の扉を開けるとバーニングナパームを叩き込み重く蓋をしたのでござる。するとどうだろう。また別の場所から煙が立ち昇り、敵共は炙り出されたのでござる。


 そして対陣。


 オーク共は国民皆兵である為、また巨大な戦力を見せつけた。


 次は帝国。グリフォンに護衛されたレッドドラゴン爆撃隊は、敵陣を炎で薙ぎ払った。空の傭兵『レイヴンズ』も迎撃に出たは良かったものの普通に蹴散らされる。敵共は対空バリスタで応戦するもすぐに沈黙。爆撃隊はさんざん暴れ回った後、酒という燃料を補給しに後方へ下がった。


『『『ウェーイ!』』』


 こちらの士気は向上した。だがまだまだと、勇敢にも向かってくるオークゴブリン連合軍。敵共はまだ巨大にてござったのだ!


 そして遂に合戦でござる!


 帝国が担当する中央と右翼は精鋭にござっても拮抗。彼らの戦い方は耐えて耐えて、頃合いを見て逆襲であった。


 紅森山軍はカンガルーヘッドとアリス嬢の無双を利用してジリジリ戦線を押し上げる。男爵不在の中、想一郎様が騎士団の陣頭指揮を執り、締出侍と共に敵右翼を迂回。ここぞとばかりにナウスス様が砲撃魔法を詠唱した。


 帝国との新協定で爆裂魔法は使えない。しかしナウスス様はソフィア殿と共に新しい融合砲撃魔法をまた考案していた。


『ライトニング雷電ストライク』

『ヘイル雹ストーム嵐』

『ドラゴン渦巻くトルネード』


 この三つをかけ合わせたのでござる。その名は、


『アメリカントルネードアレイ藤田ファイブ』


 ウッキースマイルが防護魔法を展開するも一人の魔力では足りるわけがござらん。帯電した岩の様な雹が、竜巻となって敵共の後方を薙ぎ払った!


 帝国軍は遂に逆襲に出る。それと同時に敵側背を紅森山軍の騎兵が襲う!


『勝敗は決しましてござるか!?』

「いやまだボボンギャマッチョがいる!」


 戦況が不利になるもボボンギャマッチョが全線で猛威を振るっているのでござった! 敵共はそれ故に頑強に抵抗していた! とんでもなく強いあいつを何とかしなくては!



【最前線で無双するアリス】


『ディンゴォォ──……』


 カンガルーヘッドがボボンギャマッチョにやられちゃったっ! あの人無茶苦茶強いっ!


 今回ばかりは基地を破壊されまいと大暴れするボボンギャマッチョ。私はあれを何とかしないとと一騎打ちを行うっ!


「貴様がアリスか! なるほど想一郎の妹か。可愛い顔をしているな!」

「行くよっ!」

「来いッ!」


 彼女の攻撃はカンガルーヘッド並みの威力で、しかも正確かつ早かった! でも意外と隙だらけなので私は何度か盾で殴って見るもケロッとしてる!


「グハハハァ! 近接ダメージ98%カットだからな! たとえ貴様のダメージが10万であっても、アタイに入るのは2千だけだ! そして私のHPは53万ダッ!」


 駆け付けたディンゴさんは叫んだ!


「53万だってぇ~!? おい! エリザベス! 何か策はないか!?」

「え!? え!? あ、えっと、え~、は、はいッ!」

「ん!? お前なんか喋り方かわったな!?」

「え!? あ! は、はいー! 頑張って考えますー……プヘヘ」

「んん……?」

(えっとえっと……ヤバくなったら大佐は確か……槍使うようにって……)

「アリスさ~ん! 槍やり~!」


 あ、そうだ。槍持ってた。


「アリス嬢! 助太刀いたす!」

「自称妹! 俺も混ざるぞ!」


 姫園さんにお兄ちゃんっ! するとお兄ちゃんはナウススさんに叫んだ!


「ナウスス! 全力でサポート魔法頼む!」

「なのじゃ! やっとポーション飲み終わったのゲフッ!」


 するとナウススさんがお兄ちゃんに全力で威力増強魔法を唱えた!


「──お、俺に!?」


「そうなのじゃ! ──アリス! さぁ槍を使うのじゃ!」


 すると何処からともなく声が。


 ──アリス……もういいでしょう。使ってしまいなさい。


 あ! “タレダルのオーレ”お姉ちゃん! うん! わかったっ!


 私はジャンプして右手の槍に全エネルギーを集中した!


 ──バチバチバチッ!


「──神技っ! フゥゥゥゥゥゥッッ! 『雷霆投槍ストライク』────ッッ!!」


「──なッ! アリス貴様! “半神”だったのか!?」


 ボボンギャマッチョがネタバラシしてしまった!


「「「──は、半神!?」」」


「そうじゃ! ロスタエルと協議した結果……そう、彼女は……彼女は“神格”だったのじゃ!」


「「「──な、なんだってぇぇぇ!?」」」


「だが甘い! 遠隔攻撃は100%無効!!」


 わかってるっ!


「だから足元にっ!」


「──なにぃぃぃ!」


 ──ダゴォォォォォォォォォンンッッッ!!


「──しまっ! 私のマンスオブザ・ハーレムがッ!」


「──今じゃ想一郎!」


「ハァァァァッ! 『フェェェェェニィィィーックス』────ッ!」


 お兄ちゃんが! 黄金色に輝いてるっ!


「極・楽・炎・昇・剣────ッッッ!!」


「──────ッ!」


 ──ダァァァァァァァァァッァァアアアアアアアンンッッ!!





 ……………………でも、あれ?


「────クッ!」


「「「──ボボンギャマッチョが一撃で地獄に叩き落す必殺技を耐えた!?」」」


 ──必殺技なのにっ!


「……想一郎……アタイは必ず貴様と結婚して見せるゾォ!! 覚えておけ!」

「──間に合ったッキィィィィィィィイイ!!」


「「「──ウッキースマイルッ!?」」」


 しかも頭のバターが無くなってる!?


「──バターには恨みはないが代わりに地獄へ行ってもらったッキィ!」


「──なんじゃと!? じゃあ想一郎の攻撃が当たる前にバターを投げて即死効果を肩代わりさせたと言うのじゃか!?」


「なんだって!? おいおいマジか!? この糞ゴブリンめ!」


 ナウススさんにディンゴさん……そんな事可能だったんだっ!


「──ウッキィィィイイ! とはいえボボンギャ様は瀕死の重傷! と言う事は……」


「「「──ま、まさか! まて!」」」


「──テレポート! キキキッ!」


 ──シュンッ。


「「「──あ~クソ! また逃げられたッ!」」」


 んんん~っ! ゴブリン~~~っ! でも、オークゴブリン連合軍は壊滅した。


『皇帝陛下……見ましたか今の……』

「ぐぬぅ……奴らは危険すぎる……!」

『え? ではまさか……』


「──敵にしなくて正解だった……! 同盟しておこう!」


 ほっ……。そういえばオンドレアお姉ちゃんどうなったかな?


「お兄ちゃんごめんっ! オンドレアお姉ちゃんの所行くっ!」


「──え?」


 私は(ゴロゴロ)の直撃を受けてワープしたっ!

ダイエットは難しい。

太っている人も作家にとっても。


因みにアメリカで竜巻の規模を示す単位“F”は藤田さんのFなのです。



訂正!

>帝国の北東には“大呪われし荒野”があり、そこからオーク共は“東進”。→西進


東進ではなく西進! 西と東間違えた! おばばばま!

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