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ダンジョン辺境伯爵と公爵令嬢  作者: もやい
第一章
41/97

第三話Cの7 そして遂に……(第一章完)

「あーあ……」


 エリザベスは落胆の声を上げる!


「な、なによ! もう! エリザベスがこいつ悪魔って言ったからじゃないの! これどうするのよ! もう! グスッ……うわ~ん!」


 ま、まけた~! くやち~! うわ~ん!


「──でも、お姉ちゃん。そんなの無問題……」


 今までの様子を見ていただけのアリスちゃん。そう言い捨てると、


 ──シッキーン!


「「「えっ!?」」」


 なんと槍の穂先をアデーレの喉元に突き付けた!


「えっ!? ちょっ! えっ!? えっ!?」


 困惑するアデーレ! そんな彼女を容赦なくジリジリと崖へ追いやるアリスちゃん!


「わ、私の身に何かあると、どうなるかわかっているの!? ちょ、ちょっと!」


 焦るアデーレ! すると今まで黙っていたロスタも、


「う~ん……。そもそも“ビッチ”である時点で“アウト”なのだが……謎である……」


(((──確かに!)))


「そ、それが何なのよ! 私はもう既に婚約しているし、帝国教会もファンセイヌの教会も、それを認めるところなのよ!? ちょ、ちょっと! 私の身に何かあってみなさい!? お兄様と帝国は絶対黙ってないわよ! 戦争になるのよ! いいの!? 戦争になっても!」


 しかしロスタは続ける。


「う~ん……その点であるが、せっかくだしこれを試してみようか……」


 するとロスタは何処からともなく“コスメ”を取り出した!


「な、なによそれ!?」

「ん? これであるか? これは“使えば誰でも絶世の美女になれる魔法のミラー付きパウダーケース”。つまり“鏡世鏡コスメ”である……!」

「だ、だから何なのよ!」

「だが、これは少々呪われていてな……これに付いている鏡、これは“どんなに厚化粧していても真実を映し出す”という恐ろしい一品なのだ……!」


「「「──えっ!」」」


「人に化けた悪魔は非常に厄介でな。かなりの使い手魔術師であっても見分けるのは非常に困難だ。まず気づかないだろう。だが……もうお判りだろう。貴様が悪魔であるかどうかは、こいつが証明する所であるのだっ……!」


 そして鏡は輝く!


 ──キラーン☆


「え、ちょっ! まって!」

 ──ドロンッ!


「「「うわぁ~!?」」」


「──あらぁ!? アデーレのビッチが!」

「──やはり悪魔の姿に!」

「──なっちゃった!」

「──プフフ!」


 そして正体を現し、角が禍々しい女悪魔であったアデーレは叫びましたわ!


「──ホーリーシッッット(せいなるうんこ)ッ!」


 こ、これはっ!!


「待って! 待って! 魔族とはいえ私の身に何かあったらぁぁぁぁあ!!」

「あ……あらあらぁ~?」

「まって! まってぇぇぇ! お願い! 魔族だって生きているのよ!? お願い!」


 ──そしてアリスちゃんは抱きしめたくなる程、愛くるしいジト目でそっと私を見る。


「ノォー! ノォォォー! こんなの狂ってるっ! ディス・イズ・マッドネス!!」


 あらそう……? でも私は…………。


 ──吹き抜ける灼熱、うねるマグマ。

 地獄の門が、まだかまだかと口を開け待ち望んでいる……。

 なるほど……でしたら…………


「マッドネス……?



 ──ディス(これ)



 ──イズ()




 ──オンドレア(わたしよ)ッッッッッ!!」



 ──ドゴーンッ!



「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ────────……………………ッッッ!!!!!」


 目が飛び出るほどのアホ面!

 無様に喚き散らすアデーレ!

 そして燃え滾る地獄の門へ、(おつ)──ッ!!


 ──そう私は!


 アデーレを地獄の門へ!


 “蹴落と(スパルタキック)して”やったのですわぁ~っ!!



 ──ちゅどぉぉぉぉぉーん!!


「──オ~ホッホッホッホッホ! (ザグレート)逆転(リバーサル)勝利(ヴィクトリー)! ですわぁぁぁ~! オ~ホッホッホ! ざまぁ~見ろですわぁ~!! オォ~ホッホッホッホ!!」


 ──はぁ~遂に……遂にやりましたわ……やりましたわよ! やっと! やっと阿婆擦れビッチ“本当に悪魔だったアデーレ”を“婚約(エンゲージメント)破壊(ブレーク)”してやりましたわぁ~!


「オォ~ホッホッホ!」


 すると、


「──ぁ、ぁ、ぁ。俺は今一体……な、何を見たんだ……!?」

「──あ、悪魔になったアデーレが落ちていったのじゃか……!」

「──うぉぉぉ……。地獄の門の渦が、ナルトに見えてきたぁぁ! ジュルルル~ッ!」


「「「──え!?」」」


 ……謎の声に振り向く私たち!


 ──そこにおられたのは狂おしい程に微妙なくねくねクセッ毛の! あの、あの! 超絶イケメンの私だけ(オンリー)婚約者(いとしいしと)! 唯一無二の添い遂げるべき殿方! 私が(ラブ)してやまない“(やまい)”の元凶!


「──想一郎様ぁぁぁぁぁ~!」


 そして私は……



 ──()()()()()されましたわぁ~!!(第一章 ~完~)

 戦場において陽気で笑いを取れる兵士には死亡フラグがたっている。

 しかし、1から10まで滑り倒す兵士は生き残る傾向にある。


 ──張り詰めた空気がそうさせるのだ。


 戦場において陽気で笑いを取れる兵士には死亡フラグがたっている。

 しかし、1から10まで滑り倒す兵士は部隊を壊滅させる傾向にある。


 ──戦う前から部隊は既に、疲弊しきっている。

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