第三話Bの4 ナ~ウ!
「いや……オンドレアよ。これは普通に術者にしか答えない術なのだ。それ以外が聞いても無駄である。因みにこれは常識である。知らなかったのか? まったく持って謎である」
「へ~! そうなんだ~!」
アリスちゃんが素直に感心しているけども!
「はあ!? そんな常識聞いた事ないわよ! あ~もう! まったく、なんて融通の利かない魔法なのかしら! 何なのよー! お陰で恥をかいたじゃない! キー! まったく! そうならそうと先に言いなさいよ、もう! ホント、バッカみたい! ふんっ!」
(お姉ちゃん顔真っ赤……)
(そんな常識、私も聞いた事ないけど……まぁ取りあえずこのトロール、術前も術後も、従順で何よりでございますねー。プフフ!)
「……さぁ答えるのだ。トロールよ」
『ハイ、マスター』
「では、この魔鉱石、拾った私達に所有権はあるか」
『ハイ、マスター』
(よしっ!)
ロスタはガッツポーズをした。
「「「えっ!?」」」
「ちょっと! いきなり何聞いてるのよ! 魔鉱石なんてどうでもいいじゃない!」
「いや、これほど高価な魔鉱石。落として困っている人が居るかもしれないではないか」
「──真面目かっ!」
「後ろめたい気持ちになる可能性は、出来るだけ排除した方が精神衛生上好ましいのである」
「あ~もう! そうなこといいから、アデーレのビッチの事聞きなさいよ~!」
「ふうん、そうか……ではトロールよ。アデーレはビッチなのか?」
『ハイ、マスター』
「──勝ったわ! ──って、そうじゃな~い! アデーレの居場所を聞きなさいって事よ! バカー!」
(プフフ!)
「わかったわかった、そう叫ぶな。音が響いて耳が痛い」
(て、いうか、アデーレ、ビッチなのかよー……プフフ)
「ムキー!」
「──ではトロールよ。アデーレの居場所を言え」
『ハイ、マスター……。えっとこの先を真っ直ぐ行って突き当たりを(省略)ドアの先に行くと立体的な迷路に行くんだけど左手で壁を伝うように行くと迷わず行けて──』
「ちょちょちょちょちょっ! ちょっと待ちなさいよ! メ、メモの準備をしますわ! て言うか、たまには句点を使いなさいよ! わかり辛いじゃない! もう!」
(あんたがそれ言うの? プフフ。まぁ左手壁伝いは迷路の定石よねー)
「問題ない。私が記憶している。つまり、“カクカクシカジカ”なのだな?」
『ハイ、マスター』
「ちょっと! なんで覚えれるのよ!」
「すごいすごい! 博士凄い!」
「フンッ!」
ドヤ顔。
(プフフ……。ホント“カクカクシカジカ”って言葉、便利ー)
「で?」
『ハイ、マスター。つまり、二階層に行ける、隠された第二の階段の前のボスを倒すとアデーレ様に会えます』
「良く分かった……」
「最初からそういいなさいよ! ムキー!」
(どんなボスなんだろう? きっとマッチョで巨大に違いない……プフフ!)
「ああ~忌々しいトロールですわ! ふんっ! 聞きたいことは聞いたので、消しておしまいなさい!」
(え?)
アリスちゃんは小さく驚く。
「そうねー」
(証拠隠滅しておかなきゃねープフフ)
(え?)
「では私が消してやろう」
(え!?)
「──ハァァァア! 『ヌーディストゴーホーム・ナウ』──ッ!」
(((えっ?)))
──シュン!
トロールは一瞬白く光ると何事も無かったかの様に消えた。
──ファサ。
そしてトロールの衣類だけがそこに残っていた……。
「──ッ!? ちょ、ちょっと! どういう事!? ロスタ!」
「ん? どういう事? いや、普通に家に瞬間移動して、この場から消しただけだ。……全裸でな!」
【飛ばされたアオホロール】
『お!? お!? お!? ここはボクの故郷!?』
『──キャーなにあれ!? 変態よ~! ヘンタイ~! お巡りさ~ん!』
『え!? あ! こ、これは! ちょ! ち、違うんだ! これは! その! ああ! トロ子さん!』
『──うるせぇ! このっ! なんで全裸なんだ! 気持ち悪い奴め! 逮捕だ! 逮捕! この、露出野郎!』
──バキッ!
『うぎゃぁぁあ! 不幸だぁ~!』
【冷や汗垂らすオンドレア】
「……い、意味が良く分からないけども……ま、いいわ! これでスッキリですわね! さ、アデーレを潰しに行きますわよ! オーホッホッホ!」
しかしアリスちゃんは私の裾を引っ張って尋ねる。
「ねぇねぇトロールすっ飛ばしたのは良いんだけど、お姉ちゃん。何故アデーレはこんな事をしていて、一体何者なのなのか、そう言うのは聞かなくて良かったの?」
「「「──あっ!」」」
「トロールにも色々いる」
「へ~博士そうなんだ~! 例えば?」
「例えば、悪玉コレステトロールと善玉コレステトロール等である」
「え……?」
(プフフ。善玉コレステトロールを摂取すると体に良さそうだけど、摂取した人は善玉でなくなりそうね)




