mission1 (4)
2026/05/24 17:37
準備を整えて。
いざ、俺は玄関ドアの前に立った。
ドアをゆっくりと押し開いていく。
……。
開かれたドアの向こうに見える馴染みある街並み。
いつものように人々が行き交い、買い物をし、平和で穏やかな時間が流れていた。
背後から心配そうな声で、おっちゃんが俺に言う。
「お前、そんな装備で本当に大丈夫なのか?」
大丈夫。問題無いと思っている。
ちなみに俺が選んだ服装は修道女服。
これなら兵士とすれ違っても、一見女性だと思われるだろうし(SR:B1エピソード308話マック曹長参照)、何かと誤魔化せそうで無難だと思っている。
それに女性用のウィンプルも付けて髪も隠しているので早々と俺のことに気付くことはないはず。
ふと、おっちゃんが何食わぬ顔で片手を挙げて、ぽつりと俺にアドバイスしてくる。
「必要な持ち物はキチンと装備したか? 気になるようなら再度イベントリを開いてアイテム袋を確認するといい」
ねぇーよ、そんなもん。
俺はおっちゃんへと振り向き、何も映らないスカスカな空間を手で振って示した。
残念そうに溜め息を吐いておっちゃんが言う。
「そうか。それは残念だ」
いや、出来るんだったら最初からそういうオプション付けてくれよ。
「生憎俺もお前も生身だからな。そろそろそれが出来ない現実に気付いたらどうだ?
ファンタジーゲームじゃあるまいし、そんなもんをリアルに見ることが出来たなら羨ましい限りだ」
何の冗談だよ。そういうのを魔法でどうにか出来ないのか?
おっちゃんが鼻で笑う。
「そんなもん付けてどうする? 持っているモンぐらい自分の目で確かめれば済む話だろうが。
だからお前の妄想はお花畑レベルなんだよ」
チュートリアル未実装とかどこのクソゲーだよッ!
俺は両手を戦慄かせ、おっちゃんに向けて全力で苦情を叫んだ。
「この世界を嘗めてんのか、坊主。全ては気合いだ。体当たりでプレイしろ」
ゲームオーバーで最初からやり直すこっちの身にもなってみろよ、おっちゃん!
「大丈夫だ。お前なら出来る」
熱血スポーツマン精神かよ! スポ根漫画じゃねぇんだぞ、これ!
「お前がそれで準備整ったと思うならとっとと行け。またスタート地点に戻ってこないことをここで祈っている。
──グッド・ラックだ」
なんかそのキメ顔がスゲー腹立つ! 今すぐクトゥルクの魔法をぶち込みたい!
歯をキラリと光らせて二本指を額に付けて離すおっちゃんに、俺は内心で怒りの炎を焚きつけて喚いた。
「魔力ゼロの奴が喚いたところでこっちは何のダメージもないからな。
いいから早く行ってこい。健闘を祈る」
俺はおっちゃんの使い魔じゃねぇーんだよ!
無視されて。
爽やかに別れを告げてくるおっちゃんに家の外へと追い出された俺は、閉められたドアの前で呆然としばらく立ち尽くした。
2026/05/24 18:41
実際のSR:Bゲームにはイベントリが実装してあり、アイテムを確認することが出来ます笑
装備の実装はどうしようか迷っている…(。-`ω-ก)ウーン




