血流
52話
「やばいな、両腕が無いと体のバランス取りにくい」
リビングアーマーの振り回し攻撃を避けながら
俺は切り落とされた両腕を炎に変えて、カリンが戦っているスケルトン二体に命中させる
そして、カリンは燃え上がって身動きが取れない
スケルトン二体のコアを的確にナイフで砕いていく
「リク君助かるッス!」
二体を倒したことにより
カリンは残りのスケルトン一体に集中する
「それは良かったです おっと、危ない危ない」
リビングアーマーはまたしても、振り下ろし攻撃を
してくる
俺は両腕を《焔》で再生させながら《血液創造》で
ガントレットを創っていく
リビングアーマー二体の振り下ろし攻撃をガントレットで防ぐ
「リクリク助ける?」
「いえ、俺一人で十分です」
リビングアーマーの剣をガントレットで破壊し、
反動でよろけた瞬間を狙い心臓部分を殴りつける
「か、硬すぎるだろ」
よし、それなら溶かすか
《焔》
ガントレットに灼熱の炎を纏わせ心臓部分を殴りつける
灼熱の炎で鎧は凹みヒビが入る
「これなら《スパイラル スティング》」
貫通効果を持っている《スパイラル スティング》で
鎧ごとコアを破壊する
「うし、一体終わり」
その時残っていたリビングアーマーは、剣を二本にして構えを取る
「二刀流か」
俺も『血液タガー』と『雪血タガー』で構えを摂る
剣とタガー リーチとしては剣の方が高い しかしタガーは小回りが利く
リビングアーマーの攻撃を《未来予知》で避けながら、時にはタガーで受け流し
コチラの攻撃を心臓部分に当てて傷を付けていく
俺はこの戦いで攻撃の型を創る
普通に攻撃もできるが型を創ることによって
戦闘スタイルを色々と変えられるからだ
(型を考えるのって楽しいしなんと言ってもカッコイイ
からな)
《氷結領域》
ネオがそう唱えると、スケルトンの足元を凍らせる
「ネオさん、一歩間違ってたら私も凍ってたッスよ」
「ん、ごめんごめん」
「まぁ、凍らせたおかげで一方的に攻撃できるように
なったッスから助かるッスけど」
カリンは持っていたナイフでスケルトンの心臓付近の骨を砕いていき、コアを砕く
「ん、カリンおつかれおつかれ」
「お姉ちゃんも終わったようッスけど、このあと
どうするッスか?」
「リクリクそろそろ終わる」
「そうね、待ちましょう」
「あれ、皆さん終わってた感じですか?」
「えぇ終わってたわよ」
「ん、リクリク最後最後」
「リク君、おつかれッス!」
あのあと、
『血流 滑弾』
タガーで二本の剣を防いだ直後、カウンターの如く
それぞれのタガーに血液を塗り、鍔まで滑らせて剣を
弾き返す
『血流 刃』
貯蓄の血液を刃に変形させて、両足を貫き身動き取れないようにする
『血流 爆拳』
ガントレットが衝突する度に血を付着させた後
少しタイミングをズラして、爆発させ鎧にヒビを入れた
(そしてその後、タガーでコアを切り刻んだだよな)
「リク君何かあったッスか?」
「いえ、先程の戦闘の振り返りをしていただけですよ」
「ふーん、さすがリク君ッスね そりゃあこんなに強く
なるわけッス」
「え?カリンどういう事?」
「知りたいッスか?」
「そんな言い方するなら教えてくださいよ」
「ふふっ、秘密ッス!」
「それじゃあ先に進みましょう」
モンスターとの戦闘が終わり俺達は先に進む
「それにしても、この迷路迷宮に出てくるモンスターに統一性が感じられませんよね」
「そうッスね 今の所出てきたモンスターは...」
デススコルピオン・スケルトン・リビングアーマー
「この三体に共通する所なんて無いッスよね」
「いえ、あるわよ」
「共通点あるある」
「「え!?」」
この三体のモンスターに共通点があるのか?
「共通点って何処なんですか?」
「どこが同じなんッスか?」
「その三体の共通点、それは...」
その時、カチ という音が聞こえた
「すんません罠踏んだッス!」
背後から何かが転がってくる音が聞こえてくる
「まさか、この音って...」
「ん、この一本道では最悪最悪な罠」
「えぇ 本当に悪趣味な罠ね 全速力で前に走るわよ」
「何でみんな、そんなに急いで走っていくんスか?」
俺とカエデとネオさんは前方に走っていく
しかし、カリンは走っていない
「カリンも走って!そうじゃないと背後から来る悪趣味な罠に巻き込まれるわよ!」
「だから、何なんスか? その悪趣味な罠って...」
カリンは背後からどんな罠が来るのかが気になり、
後ろを振り返る
「ってヤバい罠じゃないッスか! 《獣形態》」
カリンは罠を見た瞬間《獣形態》を発動し、四足歩行で
先に走っていた俺達より前に躍り出た
「こんな一本道であんな大岩が転がってきたら、避けるの不可能ッスよ!」
「カリン、壁が見えてきたら教えて欲しいわ」
「わ、分かったッス!」
俺達四人は大岩に追われながら、壁が見えるまで
ひたすら走り続ける
感想お待ちしております