この想い
53話
「はぁ、はぁ、はぁ」
現在俺達は全速力で走っている
何故こんなに走っているのか
それは今もなお、背後から転がってきている通路を
埋め尽くす程の大岩から逃げている為である
「リクリク大岩破壊破壊」
「いや、俺でもこのサイズの大岩は砕けませんよ」
「そんなことより走った方が確実よ!」
(それにしても、カリンは何処まで行ったのかしら)
全速力で前に走っている最中にも罠が起動してしまう
「罠罠注意注意」
「何が来るか分からないわ 警戒しましょう」
前方から何かが発射した音が聞こえた
「前方から弓矢と鉄球が飛んでくる それに地面には
まきびしが撒かれているから警戒してください」
「まきびし回避回避 《無重力》」
魔術を発動後、地面に撒かれていたまきびしが無重力
状態となり天井まで浮かんでいく
「このまま走る走る」
宙に浮いているまきびしを交わしながら先に進む
《付与魔術疾風》を自分に掛けようとする...
「リク君、提案なんだけど『雪血』を貸してくれるかしら?それとできれば、《疾風》だったかしら?その《付与魔術》も付与してもらいたいんだけど」
「え?背後から大岩と前方から弓矢が飛んでくるこの状況で? あ、あぁ、まぁ構いませんよ 形は刀で?」
「えぇ刀の方が助かるわ」
俺は走りながら、カエデに『雪血』を鞘ごと投げ渡して
《付与魔術 疾風》を付与する
「俺の血液を付着させているので、カエデは血液の事は気にせずに使ってください」
「そう! 助かるわ」
「それと、《疾風》で ってちょっと待って!」
カエデは俺が《疾風》の事を説明する前に走り出してしまう
「リクリク大岩!」
気づけば大岩は目と鼻の先まで俺達に近づいていた
「ネオさん俺達も早く前に進みましょう」
「ん、そのつもり」
(カエデ速速)
「ネオさん、俺が《疾風》を使用している時っていつもあのスピードですか?」
確かに速いことには速い が直線移動の場合はカウンターを喰らうかもしれない
(直線移動でのスピードを上げるために別の付与魔術を考えてみるか)
「『神重』より速いわね でもこの速度で正面から攻撃を仕掛けたら、上位プレイヤーは反撃してくるわね
それよりも弓矢と鉄球をどうにかしないと...」
弓矢はすれ違いざまに『神重』の斬撃固定で切り刻む
そして
《氷乱舞》
『雪血』が触れた瞬間鉄球は凍りつき
舞うように鉄球に『雪血』を触れさせて凍りついた鉄球をそのまま真っ二つにしていく
「よし、何とか対処出来たわね」
「カエデおつかれおつかれ」
「お疲れ様です」
「リク君、『雪血』ありがとう 助かったわ」
「俺も《疾風》のスピードに初見で対応できたのには
驚いてますよ」
その時
「三人ともやっと見つけたッスよ!あともうそろそろで突き当たりの壁ッス」
カリンは突き当たりの壁を見つけた直後俺達と合流する為に戻ってきていた
「そう、じゃああと少し頑張りましょうか(それにしても足捻ったかしら)まさかさっきの...」
ステータスウィンドウには『捻挫』と表記されている
(やっぱり舞いながら『雪血』を振った時にバランス崩してしまったのね)
「ん、カエデどうかした?」
「お姉ちゃん早く行くッスよ!」
「え、えぇ今行くわ」
俺達は壁まで走り続ける
「リク君、お姉ちゃん何か変じゃないッスか?」
「やっぱそう思いますよね」
「ん、明らかにスピード落ちてる落ちてる」
「足を引き摺ってるように見えますよね まさか足を挫いたとかかな?」
「有り得るッスね...」
「もしそうなら、カエデ大岩巻き込まれる」
「そう、ですね...」
(捻挫のせいで確実に走るスピード落ちてるわね
このままじゃあ、大岩に巻き込まれてしまうわ...)
その時カエデは地面の出っ張りに引っ掛かり前方へ
転んでしまう
「っ、やばい... (殺られる...)」
大岩に巻き込まれる恐怖からカエデは目を瞑ってしまう
「ふぅ、カエデ大丈夫?」
目を開けるとリク君の顔が見える
「ふぇ?リ、リク君?な、何で?」
「あぁ、何か足を引き摺っているように見え
転んでいたので助けに入りましたが違いましたか?」
「え、まぁさっき弓矢と鉄球を対処した際に挫いたと思うわ... ってリク君降ろして」
「この状況でカエデを降ろしたら俺もカエデも大岩に
巻き込まれるので、嫌だと思いますが少しは我慢してください」
「い、嫌ではないけど...」
「え?何か言いましたか?声が小さくて聞き取れなくて」
「な、何でもないわよ!早く壁まで向かいましょう」
(な、何でお姫様抱っこされているのよ... 恥ずかしい)
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