一章エピローグ
第一章完結。
ゆりゆりは、二時間程で目を覚ました。どうやら、乗っ取られていた時の記憶は無いらしい。
と言うのも、寝ている間、ゆりゆりはうなされていた。それを静音ちゃんがゆりゆりの額で一踊りしたら安らかな表情になって言ったのだ。
静音ちゃんが術で記憶を封じたらしい。
「悪い記憶は無い方がいい事も有る音。怪異な記憶なら特に音。」
そう言ってお尻をふりふりしていた。
やっぱり、見えそうで見えない。
そう言えば、誰かに呼ばれて何処かに行っていた紅葉様は、夕方に戻ってきた。
長時間、律ちゃんの側を離れていたので、慌てて部屋に飛び込んできた。
その様子がもの珍しく滑稽に見えたのか、導真様は多いに笑い、それを茶化した。
紅葉様は、はじめは黙って聞き流していたが、「もう知りませぬ」と拗ねてしまった。
導真様はアワアワしながら宥めている。
でも、俺の位置からは紅葉様が「フフフ」笑みが零れているのがわかる。
◇◆◇◆◇◆
賀茂家
「今回の騒動どこの家の仕業かの。」
「巧妙に隠されており仕掛けたほうは、分かりませんでした。受けたのは、菅原の翁であることは間違えありません。堂々と力を使われておりましたし、痕跡もそのままにして立ち去られたようです。隠すつもりが無かったものと。」
「そうか、相手が菅原の翁ならば、敵も多からろ。誰が仕掛けたのやら。必ず探し出せ。」
「それで、翁は以下がなさいますか。
確かに、翁はちょっかいをかけられた方では有るな・・・。」
「されど、我が庭で騒動を起こした当事者の片割れには、違いありませんか。そのままというのも、侮られる事になりませぬか。」
「確かに、喧嘩両成敗とも言うしの。」
「待たれよ。」
「これは宮司。どうなされた。」
「我らの御祖様は、菅原など構わぬでよいとの御告じゃ。」
「なんと、誠ですか。うむ。此度は見逃すか。」
「納得なりません。我らを侮る者には、確と力を示さねば。」
「そうは言うが、我らの守り神が構うなと仰せなのじゃ。逆らうのか。」
「ゔゔゔ。」
「宮司、騒動を仕掛けた者については何かあったか。」
「いいえ。なにも。」
「では、決まりだの。仕掛けた者を探せ。菅原には構うな。そもそも仕掛けられた方であるしの。我から釘だけは刺しておく。皆の者、それで納得せよ。」
◇◆◇◆◇◆
近衛府
「確かに、結界がはられていたようですが何のために。」
「宮中を護る者としては放っておけませぬ。」
「確かに、我らが誰も気付けなかったとは情けないでおじゃるの。」
「結界なんぞと勇んでみたものの。我らでは、どうにもなりませぬ。やはり陰陽寮へ相談して見ては。」
「わかったでおじゃる。麻呂からそれとなく、安倍家の者に訊いてよう。」
◇◆◇◆◇◆
???
「ほっほっほ。余興は楽しんでくれたようでおじゃるな。」
「えぇ、大学の牽制にも十分。ただ、鴨の鳴き声がグァグァとうるさいですが。」
「畜生と雖も巣を荒らされては騒ぎもしようぞ。ほっほっほ。だが、我らには、何も出来んよ。放っておけ。むしろ、導真の方目掛けて羽をばたつかけてくれるやもしれぬぞ。そうなれば、楽しいでおじゃるの。」
「左様でございますな。それに鴨が騒げば、陰陽寮も騒がしくなりましょう。」
「そうでおじゃった。そうでおじゃったわ。なら少してごうてやるのもおかしかろう。」
「ちょうど、アレが良い頃合に成っております。」
「ほっほっほ。良いでおじゃるなぁ。楽しみでおじゃる。」
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