1.一年X組
新たな学校生活が始まる。
如月琉はそんな学校生活が送れると思うと楽しみすぎて、心の中が期待感でいっぱいだ。琉が転校したのは、名門『黒光高等学校』。
この学校からの卒業生で、P大・S大、そして超難関のN大などと言った大学に入り、医学の道、法律の道など様々な世界に共通の仕事が出来るジャンルで活躍している。
琉も難関のP大に行こうと考えていた。P大に行って、法律の勉強をしたいと考えていたからだ。
琉は期待を胸に校門に入っていった。すると、一人の女子生徒とぶつかった。勢いのあまり、女子生徒は勢いよくこけて尻餅をついた。
「ごめん!」琉はすぐに謝って手を差し伸べたが、その女子生徒は何も言わず、走り去ってしまった。
その時、その女子生徒の制服が、異常にも汚れていた事と、尋常じゃない位に泣いていた事に琉は気付き、違和感を覚えた。
琉は「俺…。そんなにきつくぶつかったか?」と一瞬惑ったが、その事には特に気にせず中に入っていった。
琉はまず職員室に向かった。「失礼します。」琉は元気良く職員室に入った。
すると目の前に、新任教師の田山信也が「ああ。転校生の如月君だね。待っていたよ。」と優しそうに言った。職員室は暖房が効いていたみたいで、眠たくなるくらい暖かかった。
職員室の更に奥には、教頭の町田弘子。その隣には、校長の黒田俊郎がいた。
琉は「はじめまして。如月琉です。よろしくお願いします。」大きな声で挨拶した。
黒田は温和な表情を見せて、「よろしく。」と言った。そして黒田は「そういえば、君はまだクラスを言ってなかったね。」琉は「はい。」と返事する。校長の黒田は少し躊躇いがちに「君は一年X組だよ。」と、言った。クラスを聞いて、琉はそのクラスに疑問を持った。
「X…組?」と思わず聞き返した。琉はこの学校が、A組からD組までしかないと知っていたからだ。そこへ弘子が淡々と「きっと仲良く出来るわ。皆、いい子たちばかりだから。」と、言った。
だが琉の疑問は消えない。琉は「この学校、X組もあるんですか?」と、聞き返した。黒田達はその質問には答えず、「じゃあ、田山君。彼を教室まで案内しなさい。」と、言った。「はい。」と、田山は言い、琉に目線を向けて、「行こうか。」と、言った。琉と田山は細長い廊下を横並びになって歩いた。だが、歩いていても歩いていても、X組には辿り着かない。
琉は田山に「結構…遠いですね。」と、場の空気を盛り上げようと話しかけたが、田山は答えない。そればかりか、田山に尋常じゃないくらいの汗が流れ出ていた。思わず琉は「だ、大丈夫ですか…?」と、田山を心配するかのように言った。
田山は息が荒れながら、「ああ、大丈夫。…もうすぐだよ。如月君。」と、答えた。黒田と弘子のあの反応。そして、田山の尋常じゃない汗…。X組は一体どんな奴らの集まりなのか、さっきまで期待していた気持ちから一気に不安な気持ちになって来た。
やがて、X組に辿り着いた。A組からD組のクラスから、程遠く離れた個室に作られ、教室中には危険な香りが漂っていた。「じゃあ、如月君。仲良くするのだよ。皆、いい子達ばかりだからさ。」と、言って走り去ろうとした。「えっ!先生はここの担任でしょ?一緒に入りましょうよ。」と、琉は田山を止めた。田山は下を向きながら、小さな声で「…担任だったよ。半年前まではね…。」田山はそう言うと、琉の手を無理やり離し、走り去った。「先生!」と、止めたが、止まってはくれなかった。
たった一人残された琉は、教室に入る為、挨拶代わりに、ドアを二回ノックし『ガラッ』と、元気良く開けた。このクラスが原因でこれから起こる悲劇が琉の身に起こるとも知らないで…。




