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#-18

 KIMERA能力。


 別世界の自分の力をこの世界に具現化させる能力。

 属性と違い誰もが使える能力ではなく、〝邂逅の鍵〟と呼ばれる鍵を持つ者のみ、その能力を行使する資格を得る。


 具現化の形は全て行使する者のイメージで、能力は行使される側のイメージ。

 時に戦績などが反映されることがあるが、それは行使される側がそれほどまでにその戦績を誇りに思っている証拠。

 悪い意味は無い。


 故の付加能力は魔力、妖力の断ち切る力。

 ただそれは副次的な能力で、本当の力は触れている場所と繋がっている場所ならどこにでも刀の刃を出すことが出来るというもの。

 なので地面に触れれば島の端に刃を出す、なんて芸当も可能。


「ッ――、やっぱ装甲が硬い」


 弾かれ、空中に滞留する美由。

 繰り出してくる拳を足場に更に高く跳ぶ。


 風化して避けるのもアリだが、あれには一秒のラグタイムがあり、そこを狙われたら致命傷は免れない。

 ならばこうやって身体にまとわりついている方が戦いやすい。


 しかし顔だけでなく、両肩の顔も本当の顔と同じ役割を果たしているらしく、死角らしい死角が見当たらない。

 死角さえ見つけれれば影に触れて刀を出せるのに。


 何もかも相性が悪い。たまらず苛立ちが募る。


 こうなれば仕方ない。

 無理やりにでも隙を作ろう。そう考えた美由は地面に降り、地に手を付ける。


 生える無数の刃と大きく伸びる何本かの刃。相手の足を封じ、身体を削る技だ。


 普通の生身の人や妖、魔獣なんかには有効的な手段なのだが――――。


『美由、それはダメ!』


 そこまで考えたところで美由の思考が一瞬途切れた。

 故の叫びも聞こえていない。そして意識が戻った瞬間、両腕に激痛が走った。


「アアアァァァ!」


 しまッ、たァ!


 薄れる目で美由が見たのは足裏のスパイクで生えた刃を踏み砕き、伸びた刃は若い木を折るようにへし折るホムンクルス。


 能力の反動。

 初めてではないものの、気が飛ぶほどのモノは初めてだった。

 反応は遅れたが壊されたことに気付いた美由はすぐさま能力を解除する。


『大丈夫!?』

「大丈夫、だけど……」


 両腕から袋一杯ぐらいの血が滴り落ちる。気付けば口から血が漏れていた。


「刀を握るのはちょっと辛いかな~……」


 あぁ、判断誤ったな。

 自らの血の中に崩れ落ちる美由は自虐的に薄く笑う。


 ただ、まだ勝利を諦めたわけではなかった。

 一瞬の、一瞬の隙を付けたら、それで勝てる。


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