第92話 目覚め
sideリン
『おい。大精霊、少し静かにしてくれ。あと猫被るな』
大精霊の情緒がどうかしてしまったのでリンが注意すると
『うー・・・。清楚!清楚よ!頑張れ私!』
リンの中で、一応リンのイメージに近づこうと努力した大精霊の声が聞こえた。
『もう普通でいてくれ。無理はするな。』
リンは大精霊をなだめる。その時・・・
『うにょぉぉぉぉお』
コボルトの言葉にならない言葉が聞こえた。
『なんだなんだ。ど・・・どうしたコボルト』
『わ・・・わからないです。でもなんか変な感じが・・・』
・・・
コボルトがたまにチカチカ光っていた。
コボルト自身も何が何だかわかっていないようだ。
◇
sideリン
『・・・・・・』
コボルトがたまに光りだして結構な時間が経った頃。
リンはなんとかしようと試みるもなんともならなかった。
リンがどうしようもなく様子を見ていると
『うひょぉぉぉぉお』
『うぉぉぉぉぉおお』
『にゅぅぅぅぅぅう』
『ぐほぉぉぉぉぉお』
『おぁぁぁぁぁぁあ』
『にょほぉぉぉぉお』
コボルト達が何故か続々とやってきた。
気がつくと集結するコボルト。
10匹の入り乱れるコボルト。チカチカ眩しい。
段々と光の点滅頻度が狭まっていく。
『なんじゃこりゃ・・・』
『私のリンちゃん!精霊の強い波動を感じるわ!』
大精霊が精霊の波動なるものを感知する。
・・・あとドサクサに紛れて私の宣言する。
リンが大精霊を無視して、しばらく様子を見ていると遂にコボルトが光り輝き出した。
コボルトは光り輝きリンのまわりを入り乱れている。
『痛い・・・』
コボルトがリンを中心にして暴れ回るもんだからリンがサンドバッグの様になっている。
・・・
『長い・・・いい加減なんかおきてくれ』
更に時間が経過する。光り輝くコボルト達は一向に何も起こらない。リンが絶望に打ちひしがれて立ち尽くしていると小屋のドアが開く音がした。リンが出入口の方に目をやる・・・
救世主が現れた。
ワンコが立っていた。リンはワンコと目が合ったため、どうにかしてほしいという目で訴えてみるが・・・。
バタン
ワンコは無言で扉を閉めた。
リンは見捨てられたようだ。
次回へ続く。
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