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第67話 特攻


sideリン



『将軍様・・・。私が先陣を切りますがよろしいでしょうか』




リンが将軍に確認する。

グレートデーン軍は国境を超えブルテリア王国からそう遠くない位置に陣取り、異世界召喚者のリンは本陣にて将軍と行動を共にしていた。





『ヒナタよ・・・宜しく頼むぞ。明日の早朝が決戦の時だ。我が軍の勝利はお前にかかっている。』





将軍はリンに期待の言葉をかける。

グレートデーンにとってはブルテリア城が壊滅した今が最大の好機、将軍からは必死感が感じられた。





リンはそんな将軍を見ながら内心では"いかに美しく戦場で散るか"しか考えていなかった。





『暇だ・・・』





明日まで時間が出来てしまった。個人的にはすぐにでも攻め入りたい。だが、将軍は一応正々堂々と明日の朝に攻撃を仕掛けるつもりらしい。

とりあえずやる事がなくなったので明日に備えて横になる。





そして暫く時が経ち・・・





『なんだ!? 』




激しい衝撃音が響き渡った。オークがもう特攻してきたのだろうか。外に出る。





外に出ると本陣はパニック状態となっていた。衝撃音が発生した方を見ると巨大な何か(ケルベロスが丸まった状態)が着弾し、クレーターの様になっていた。




『なんだ・・・?』




様子を見ていると巨大な何かは直ぐに大きさを変え消えてしまった。(すぐにケルちゃんに変身して逃げただけ)





最初はオークが特攻してくるとの約束だったが、予定が変わったのだろうか。おれはパニックになった陣営を必死に整える将軍を見ながら考える。





『ヒナタ殿ー。敵の急襲です! こちらも撃ってでます。』





将軍の正々堂々の良心が裏目に出てしまったようだ。少し可哀想だったので状況は約束のものと違うが、おれも準備を整えることにした。





『ヒナタ殿が出陣する! 全軍続けー! 』





リンが準備を整えると、将軍がリンをだしにしてパニックは収束させた。遂に戦争が始まった。







sideケルちゃん




その頃ケルちゃんはというと・・・





『ふー、死ぬかと思った。』




グレートデーン軍の備品庫に隠れて平静を取り戻していた。正確に言うと笑い死ぬかと思ったである。




『ん?なんだこれ』




平静を取り戻し辺りを見渡すとそこが備品庫である事に気がついた。よく見ると武器や防具の他に魔法石が大量にストックされていた。

ブルドッグ戦で領主が秘密兵器として持っていたものである。





『これは・・・確か魔法石だな。これをぶっ放されたら城下町もヤバいな。』





ケルちゃんが珍しく頭を働かせる。





『・・・・・・よし! 』





ケルちゃんは魔法石とか危なそうな物を全部運び出すことにした。






side ワンコ




「なんか予定が変わってしまったな」




『そうですね。犬様。残念です・・・』




おれはオークに声をかけたがオークのやつ、めちゃくちゃ嬉しそうである。せっかくリンとの八百長を楽しみにしていたので残念すぎる。

これからどうするか考えていると・・・





『王様! 申し上げます。異世界召喚者と思われる者を先頭にして、グレートデーン軍が攻めてきます!』





兵士がバーナードへ報告に来た。

おれの運はまだ見放されてなかった。オークの出番である。オークが気を抜いて隠れようとしたので1発入れる。





「オークよ。まぁなんかあったら助けてやるから安心しろ。頑張れ」






おれがそう声をかけると、助けるという言葉が響いたのかオークにやる気が戻った。





『なんとか頑張ってみます!』





オーク出陣である。オークは魔槍ゲイボルグを取り出しその身に紫電を纏った。本当は槍だけに纏うものなのに相変わらず体全体に纏う。





「・・・・・・」





その後・・・オークは纏った紫電を一定に保ちながらゲイボルグに吸収させていく。





「・・・・・・」





なんか無尽蔵に吸収されていく。





『では・・・いって参ります! いざ参る! 』





準備ができたようである。その言葉とともにゲイボルグから異様な波動を感じ、オークの体に纏った紫電が数倍に膨れ上がった。そして・・・




オークの頭上には数千の紫電で出来た槍が浮かんでいた。




・・・




・・・・・・





なんだこれ・・・。辺りは物凄い雷の奔流に包まれてた。オークは・・・気づいたら雷のような速さで特攻していった。





これは・・・・・・





おれはリンの安否が心配になった。何かあったら助けなければ行けないのはリンの方かもしれない。





『・・・・・・』





「・・・・・・」





『・・・・・・英雄殿。・・・オーク殿のあれはなんですかな・・・』





バーナードが唖然として漸く言葉を絞り出した。おれはコボルトを通して教えてやる。





おれも知らない・・・と。





『これは・・・・・・英雄殿。この戦、勝ったかもしれませんな。』





バーナードが確信に満ちた表情でカッコつけながら言う。





「あぁ(ワン!)」





おれもそれに応える。






・・・・・・おれたちはテントも何もかもがすっ飛ばされた場所でこの戦争を見守ることとなった。





ただ一つ言えることがある。オークよ、この場所でそれをする必要があったのかと・・・。




次回へ続く。

次回、オーク対リンです(´ω`)


いつもありがとうございます。


よろしければブックマーク、レビュー、評価等頂けると頑張ろうと思いますので、気が向きましたら宜しくお願い致します。

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