第27話 隣町での出来事② 黒歴史
「いやー、流石ミーアだ」
ミーアのおかげで売りに行ったミスリルを高値で買ってもらうことに成功した。ミーアと言葉が通じないのは残念だが、褒め称える。前足2本で拍手とかしてみる。ミーアは誇らしげだ。
『わー、可愛いねー』
そんなことをしていると周りに人だかりができおれを触ってくる。柴犬の可愛さはやはり無敵だ。
・・・・・・
・・・・・・おぅ、これはなかなか
・・・
・・・・・・ふぅ、触られるのもそんなに悪くないな。
一国のあるじになろうというのにだらしない顔をするワンコであったが・・・・・・
『いぬさんすごい人気ですね! 好機です! もう一儲けしましょう』
・・・
・・・・・・?
気を抜いていたおれにミーアが話しかけてくる。
・・・一儲け?・・・
・・・・・・ま、まさか
・・・・・・「いやだーー」
前に食料に困って大道芸でお金を作った黒歴史を思い出した。おれは慌てて逃げ出そうと立ち上がる。
『あら、いぬさんやる気満々ですね!!』
・・・
「ちがうんだー」
おれの悲鳴もミーアにはワンワンとしか聞こえていない。
大道芸に駆り出されるのであった。
◇
・・・・・・酷い目にあった。
まさかまた大道芸をやる羽目になるとは。
おれたちはクタクタになりながら町を出ようとする。
一応予定外のことはあったにせよ、大量の食料を買いだめする事が出来た。
そろそろ戻らなければ。
・・・
・・・・・・
ん?
おれの気配察知に数人の怪しい反応があった。
どうやらつけられているみたいだ。
鑑定で確認してみるが、1人を除いてあんまり大したことはない奴らばかりだ。まぁその1人もおれなら余裕なんだが。ミスリルを売ったので怪しまれたのだろうか。
・・・どうしようかな
・・・・・・待ってみるかなー
・・・
・・・めんどくさいので帰ることにした。
◇
『はぁ、はぁ、はぁ』
なんだアイツは。おれは今、商会からの依頼で、商会に持ち込まれたミスリルの出所と持ち込んだ小娘が連れていたモンスターの捕獲のためにターゲットを尾行しているところだ。
町の外で急にビッグになりやがったモンスターを追って来たんだが気付けばココは誰も近づかない森林の中だった。
他の雇われた数人と尾行していたが、あのモンスターがイキナリとんでもない速度で走り出したので頑張って追ったがおれ以外全員脱落していった。
『ひきかえすべきか・・・』
危険な香りがする。おれの直感が引き返すべきだと警鐘をならしている。
ん?・・・
モンスターを追って進むと集落の様なものが見えた。
・・・・・・こんなところに集落があったのか。
しかも家も結構立派なのがいくつも建っている
もしかしたらあの小娘とモンスターはこの集落の関係者かもしれない。そう思い辺りを確認しながら集落に入る。
・・・・・・人気がない。だがさっき小娘はここに入っていった・・・
『おい!!』
おれが警戒していると突然後ろから声がした。振り向く。
・・・
・・・・・・
・・・・・・ケルベロスとさっきのモンスターが倍近い大きさになってこっちを見ていた。
・・・・・・終わった。
・・・・・・死んだ。
ケルベロスはヤバイ。追っていたモンスターも倍近いサイズになっててヤバイんだがケルベロスはヤバイ
。これは誰もがしっている。
おれは2匹を迎え撃つ態勢をとる。するとケルベロスがこちらに話しかけて来た。
『おい! ・・・メシを置いていけ』
・・・
・・・・・・
・・・横にいたモンスターに腹を殴られていた。
なんなんだ。
次回へ続く
ステータス
名前 イヌガミ
種族 犬
称号 コボルトキング・お犬様
魔法 なし
技能 固有スキル【スキルガチャ(1日1回)】
獲得スキル
SR【威圧Lv10】【幸運Lv3】【鑑定Lv5】
【巨大化Lv5】【アイテムボックスLv7】
RR【清掃Lv8】【魔力感知Lv7】
R【話術Lv3】【交渉Lv3】【気配遮断Lv3】
N【体術Lv2】【気配感知Lv2】【剛腕Lv3】
【俊敏Lv3】
耐性
【物理攻撃耐性Lv5】
保有ラッキーポイント 200pt
所持アイテム
「枕10個」「工具」「抽選券2枚」「ドックフード7個」
ステータス
種族 ケルベロス
称号 地獄の番犬
魔法 【グラビティLv7】※ロック
【ヘルファイアLv5】※ロック
技能 固有スキル【完全変化】※ロック
獲得スキル
【威圧Lv7】【鑑定Lv3】【咆哮:Lv4】
【グラビティクロウLv7】※ロック
【ヘルブレスLv5】※ロック
耐性
【物理攻撃耐性Lv7】【魔法耐性:Lv7】
【闇属性吸収:Lv7】【毒無効:Lv7.】
状態
【スキルロック】【封印】【記憶消去】
【魔法ロック】
ステータス
種族 オーク
称号 ドM
獲得スキル
【耐久Lv8】【逃走Lv5】【槍術Lv2】【器用Lv4】
耐性
【物理攻撃耐性Lv3】
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