はじまり
山田太郎の山田太郎による山田太郎のための物語である。
『はじめまして!あなたが山田太郎さんですね。これより、キャラメイクを始めます。』
なぜこうなったのか…
俺こと山田太郎は、多くの会社に行っては落ち続けた就活浪人生である。
そして、そんな就活浪人生である俺が、VRMMOを始めたのか…
なんとネットでVRMMOを開発した本社が新入社員を募集しており、なぜか受かってしまったことがなによりの原因である。
散々落ち続けめげずに就活浪人生を続け早3年…
両親は突然の病にそのままぽっくりと逝き、ダメな俺を必死になって応援してくれたのにもかかわらず、結局親孝行してあげることできなかった。
応援してくれた両親のためにも何が何でも就職し、報告できるようにしたい一心でなんとか続けられた。
しかし、未だに疑問が多い…
いざ面接ということで、これまでの失敗を存分に活かし、臨んだわけだが…なんと1分も経たずに終わったである。
質問はたったの一つ。
『我が社のVRMMOをやったことはあるかい?』
答えはもちろん…
「あの…VR…なんていいましたか?やったことありません。」
そもそも質問の意味がわからない上に、聞いたこともない以上、まずやったことがない。
面接が終わった後、調べてわかったことだが、その会社は最近反響が大きく、テレビでもよく特集が組まれていたゲームを作った会社であり、まさに今をときめく会社だったのだ。
ゲームの中に意識をダイブさせ、まさにゲームの中で本当に生きているかのように体感できる夢のようなゲーム。
全く知らず知らずのうちにそんな会社に面接を受けに行っていたのだった。
そんな会社の誰もが知っているであろうVRMMOをやったことがない俺が、内定もらえるなんてことを考えることができるはずもなく、次の会社を探していた。
そして、数日が経った昼間に一本の電話…
内定のお知らせにつき、本社にもう一度顔を出して欲しいとのことだった。
もはや奇跡である…。
そして、いざ本社に行ってみればVRMMOにダイブして、そこでプレイヤーの視点からの生の情報が知りたい。
ということで、プレイヤーとしてまた、会社の観測者としてダイブすることになったのだ。
他にも自分と同じようなことをする社員はいないのかと聞けば、どうやら俺一人だけのようで…
ゲームやるだけでお金がもらえるというとんでもなく楽な仕事だったのだ。
ただ、一つだけ問題があった。
ゲームをやるにあたり、ログアウトすることができなくなるとのことだった。
もちろん、ログアウトできないのは俺だけ…
死んだとしても本当に死ぬわけではないらしいが、死んだ時点でクビ…
結局のところ違う意味での死である…。
給料の使い道がないではないかと聞いたところ、ゲームでお金に困ることはない。
家が最初からあり、力もある。
ただゲームからでることができなくなるだけ。
ゲームをやっている時点でわかる通り、俺は引き受けた。
生命維持装置がつけられ、頭にヘルメットのようなものを取り付けられ、あとは眠るだけ。
そして冒頭に戻る…




