八話目
生きてます
書いていたデータが飛んで『もうまじむり。投稿しよ』となりました
「もうお店に来てるから、もう遅いんだけどさ」
「……どうかしたの?」
「なんで、学校で必要な物を、僕たちが用意してるの?」
「……自分で使うからだと思うよ?」
いやそうじゃなくてさ。
想像で言うけど、こういうのは親が用意してくれると思うんだ。
文香は今日も真面目らしい。
場所はすでに大きなショッピングモール。
色々と揃っていて、母さんとお手伝いとして来ることも。
「ご飯は、おにぎりだっけ?」
「……うん」
なら、母さんに握ってもらおう。
必要なものを集めに行こう。
「……先生からもらった紙、持ってきたよ?」
「ありがとう文香」
紙を受け取り、書いてあることを確認する。
「最初は飲み物だ。ジュースって許してくれるかな?」
「……ためだよ」
「だよね」
普通に『ジュースなどはダメ』と書いてある。
仕方ない。
ここはスポーツドリンクにしよう。
アクエのようなリアスか。
それとも、ポカリスなエットか。
お金は母さんからもらったけど、文香に握られたから無駄使いはできないようだ。
「……月兎くんは、お茶とか飲まないね」
「苦いでしょ。子供が飲むものじゃないって」
「……私はどうなるの?」
「子供じゃないんだろうね。本当はおばあちゃんだったりする?」
「……むぅ〜!」
むっぺを膨らませる文香。
少しからかい過ぎたようだ。
「ごめんって」
「……月兎くんなんて知らないもん」
どこかに行こうとする文香だが、僕の手を握っていたので、手を引っ張ってこちらに戻す。
「きゃっ」
「あまり一人で歩くと迷子になるよ」
「……ならない」
「なるから言ってるんでしょ。探すこっちの身にもなってよ」
「……でも、ちゃんと探してくれるんだね」
「当たり前。たとえどこかに消えたとしても、必ず見つけてみせるよ」
僕がそう言うと、先ほどまでの不機嫌はどこへやら。
さっきと同じように隣に寄り添ってきた。
「……月兎くんのそういうところ、私好きだよ?」
「僕も、小さな気遣いをしてくれる文香のことが好きだよ」
なんて会話をしながら、一つのお店に入る。
「何がいいかな?」
「……一応、予備のタオルとか欲しい」
「タオルか」
山を登るし、汗が出るかもしれない。
そんなとき、タオルのような拭くものがあると便利だ。
文香と商品を眺めていく。
そこで、一つのタオルに目が行った。
「これとかどう?」
「…………うん。いいと思う」
無地色のタオル。
ただ、タオルなんて家にあるやつ使えばいいと思ったけど、まあ母さんからお金もらってるし、いいかもしれない。
残ったお金は僕のお小遣い。
計 画 通 り
「それじゃあ、これ買おうか」
レジに持っていき、タオルを購入する。
他にも、色々と買っていくことに。
「ねえ文香」
「……どうしたの?」
「一応、必要なものを買う余裕はあるから、何か文香に買おうと思ってさ。何か欲しいアクセサリある?」
「……私なんかに使う必要ないよ? 月兎くんの好きなものに使って」
「好きなものに使うよ。それが文香なだけだよ。ミサンガとかいいと思わない?」
「……いいとは思うけど、受け取れないよ」
「いいからいいから」
文香の手を引っ張り、アクセサリが売ってあるお店に入る。
「文香の好きな色はピンクだし、ピンクのミサンガでも探そうか」
「……うん」
店内を歩き回り、ミサンガを探していく。
途中、イヤリングやネックレスもあったが、文香はこういうアクセサリは嫌いなのだ。
ジャラジャラしてるのは嫌いらしい。
嫌いというか苦手と言ってたけど。
否定的な言葉を使わないのが、文香の良いところだと思う。
「あ、これなんていいんじゃない?」
「……月兎くんの選んでくれたものなら、私はなんでも嬉しいよ」
「ならこれかな」
糸で結ぶられたミサンガ。
糸だから、万が一にも文香が怪我をすることもないと思う。
僕の買ったものもので怪我させたら、文香の両親には腹切って詫びるしかない。
値段を確認するけど、ワンコインもいかない。
あまりに高いと、文香は遠慮して貰ってくれないのだ。
僕自身、お小遣いはほぼ文香のために使うので、何か欲しいと言えば買うんだけどね。
「ありがとうございましたー」
レジで購入したものを、すぐに文香の手首に取り付ける。
「うん。似合ってると言うのが合ってるのか分からないけど、似合ってるよ」
「……ありがとう。それじゃ、私からも」
「?」
そう言って渡してきたのは、白のミサンガ。
「……月兎くんが良かったら、お揃いのものを付けたくて」
「文香……」
なんて良い子なんだろう。
なるほどそうか。
今回は簡単に引き下がったけど、僕用にも用意するためだったのか。
次からは気をつけよう。
文香が僕のためにお小遣いを使うのはよくない。
「ありがとう文香。お守りにするよ」
「……私こそ、ミサンガありがとう」
お互いにお礼を言い合い、話が進まなくなりそうなので、買い物の続きをすることに。




