第2章: 雪の約束
第2話 – 15ページ目:冬が過ぎて、春が来る
2月下旬。
冬が、静かに終わりに近づいていた。
雪はまだ屋根の端や街角に残っているけれど、
木々はもう、眠りの匂いを放ってはいなかった。
乾いた枝先には、小さな桃や黄色の芽が顔を出している。
どんな冬も永遠ではないという、静かな兆しだった。
朝の空気はまだ冷たい。
しかしその合間を縫って、新しい風が吹き込んでいた――
春の香りを帯びて。
遠くに、しかし確かに。
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学校にて
学期末の学校は、いつもより賑わっていた。
教室は開かれたノート、復習プリント、
そして真剣な口調で言う教師の声で満ちていた。
「これ、試験に出るよ。」
試験の緊張は、ミヤにとっても現実だった。
彼女は本を開き、
文に線を引き、
公式を繰り返した――
しかし時折、無意識に視線が窓の外へと滑っていった。
雪が、静かに解けていく場所へ。
「冬…終わるんだ。」
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試験期間
試験が始まった。
朝のチャイムとともに、すべてが真剣な空気に変わる。
ページをめくる音、
ペン先の走る音、
ひそめた息遣い。
ミヤは、丁寧に答案を書いた。
いつも通り。
しかし、問題の合間、
時折、彼女の思考は無断で別の場所へと旅立った。カフェ。
雪の日々。
青いマフラー。
イロ。
そして、その名前が心に浮かぶたび、
胸の奥が、少しだけ速く打った。
「イロ…今ごろ、何してるんだろう。」
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日々の変化
日々は厳しかった。
しかし、何かが静かになっていった。
彼女と友達の間の距離は、
もう昔ほど冷たくはなかった。
ユカ、リナ、ハナは
少しずつ、また彼女の隣に戻ってきた――
短い言葉と共に。
シンプルな笑顔と共に。
もう重くない、沈黙と共に。
ミヤ自身も、変わっていた。
すべてをコントロールしていた頃の彼女ではなく、
すべてから距離を取っていたあの頃の彼女でもない。
ただ……
そこにいた。
彼女たちの隣に。
かつてないほど、リアルに。
「冬は、寒いだけじゃなかった。」
「凍えることもあれば、溶けることもある。」
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春の訪れ
最後の試験が終わった。
チャイムが鳴った――
しかし、その音はいつもよりずっと軽かった。
嵐の後、再び巣から顔を出す鳥のように。
ミヤは、校庭のベンチに腰を下ろした。
空は青かった。
木々は小さな黄色や桃色の蕾を付けている。
陽の光が新しい葉の上に降り注ぎ、
街は、ゆっくりと、再び息をし始めていた。
ユカが隣に座った。
「ミヤ、春だね。」
ミヤは微笑んだ。
「うん…やっと。」
リナとハナもやって来た。
四人は並んで座った。
かつてのように――
しかし、かつてとはまったく同じではなく。
何かが変わっていた。
そして、それは良いことだった。
ユカが、興奮して言った。
「ミヤ!夏祭り、絶対行こうね!約束!」
ミヤは笑った。
「うん、行く。」
しかし、彼女の心の中で、
もう一つの想いが静かに灯っていた。
「イロ…」
「夏祭り、一緒に行けたらいいな。」
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マフラー
空気は、もう少しだけ暖かくなっていた。
ミヤは、青いマフラーを首から外した。
もう、必要ではなかった。
冬は、終わったのだから。
しかし、彼女はそれをバッグの中にしまった。
返さなかった。
「まだ返さない。」
「もう少しだけ。」
冬は去った。
雪は解けた。
しかし、あの日々の中で、
静かに、音もなく
ミヤの心に蒔かれた何かは――
消えなかった。
春とともに、芽吹いた。
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第2話 完
続く…




