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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
第三章 夜桜編
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無限空想世界の幻想的な物語~夜桜~ 第14話 「ずっと忘れない思い」

深夜の悲しき庭で一人悲しみの嘆きを叫ぶ者、


その嘆きの中全てが終わってしまった少女、


絶望の夜の桜の中でまた一人、尊い犠牲が出てしまうのだった。


「・・・ッ?」


「ば、バカなッ!?どうして・・」


「・・あれ?生きてる?」


私が絶望して泣きじゃくって叫んだ直後だった。

静かに吹き荒れる風の中目の前に現れた銀の髪なびかせて立っていた男、

ああ、ジャックッ!!


「ど、どうして・・」


「願ったんだろ?そのお守りに」


「ッ!?」


「馬鹿だ、大馬鹿だな本当に、愛も変わらずお守りを持ち歩いてそんな迷信を信じてたのかよッ!本当に頭花畑だなてめぇはいくつになってもッ!」


「どうじで・・どうしているのッ!どうしてお守りの事をッ!!」


「ハルバード・ルクウェインだからだ、俺が・・あの時の男だからだよッ!!」


「えっ・・?」


私は突然の事で涙が止まらなかった。


目の前に突然現れた男がジャックで、

あの大昔にもう出会えないと思っていたハルバードだった事、

もう今頭がいっぱいで追いつかないのに・・、


「迷信信じてたなら気づけよッ!俺があの時の男だってッ!なんで分からないんだよッ!ふざけた目しやがってッ!どの道言うきは無かったがなッ!事情もあって本名は語れないのにッ!お前てっ奴は何年たっても分かりやすいオーラ出せて良いよなッ!俺はわかったのにッ!その首にご丁寧にいつも話に出てくるお守りが大切だ大切だうるさいせいでッ!!最高にうれしかったんだよッ!バカ女ッ!」


「・・ヴぅ・・わけが・・わからないよ・・わけがわかんないよッ!昔からそうッ!いつも何も言わず誰かを守って、本当に昔ら・・何?私が遠く離れても覚えてると思ったの?もし何かあれば貴方を呼んであなたは私を助けたかったの?そんな事思えるはずないじゃない不器用男ッ!だって情けないんだもんッ!貴方無しでも生きれるてっ思いたいじゃないッ!私はもう守れるてっ、貴方と同じ場所にいるよって・・そう思いたいじゃないッ!!アホ男ッ!」


「それでも強く願ったんだろ、そのお守りに、言ったはずだ強く願えばかなうてなッ」


「・・ずるいよ、絶対貴方を呼び出す以外効力なんて無かったくせに・・こんな素敵な不良品押し付けんじゃないわよ・・」


「押し付けるに決まってるだろ、てめぇの命を守れるならたとえどんな方法を使ってでも守りぬいてやる」


最低だ、超が付くほど最低だ、

こんな男が執事で、こんな不器用な男が執事なんて、

言ってることも無茶なのに、傲慢なのに、どうして・・うれしくて涙が止まらないんだろう。


「・・ハル」


「懐かしい名だな、なんだよ」


「言ってもいい?ありがとう・・てっ、助けてくれてありがとうてっ・・」


「・・それは、あとでな」


「・・うん」


私は必死に心が締め付けられる思いをギュっと胸のあたりをつかんで抑える。

最低でかっこ悪くてすごく傲慢で不器用なのに・・なんで、

今アイツの事ばっか頭によぎるんだろ・・、

もうわけがわかんないや・・、


「さて、人の女をこんなボロボロになるまで泣かせてくれたクズ野郎に今から制裁を下すのだが・・」


「おのれ・・貴様こそ人の裁きの邪魔をッ!!」


「フッ・・言ってろよ、てめぇとお前の覚悟は全くちげぇと言う事を教えてやる」


「ハル?」


ハルが私に背中を見せて冷たく鋭い声で言った。

そして手にナイフを作り出して、それを結んでいる後ろの髪の毛へと持っていく、


「ハルッ!!何してるのッ!?貴方は髪の毛は命よりも大切だってッ!!」


「これからも一生てめぇを守れるならその覚悟の代償として命より大切な物を落とすッ!」


「・・・ッ」


「髪の毛が大事だって?冗談ぬかせよ、俺にとって大事なのは・・お前だッ!」


彼が長いポニーテールの髪の毛の止めていた部分を切り離した。

その時風が強く強く吹き荒れて髪の毛は飛んで行った。


私は輝く月光の中に雄々しく立っていた一人の新たな男の姿を見た。

ああ、なんて馬鹿な男なんだろう。


彼の髪はショートヘアーと同じくらいになった。

癖ッ毛の様に跳ねる髪の毛、まるで怒りをあらわにした獣だった。


「・・さあ、始めるぞ」



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